2013年9月4日水曜日

歴史主義か正史主義か:「植民地支配で韓国は近代化」歴史教科書合格で騒動

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サーチナニュース 2013/09/03(火) 16:31
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0903&f=national_0903_047.shtml

「植民地支配で韓国は近代化」歴史教科書合格で騒動=韓国

  韓国の保守派「ニューライト」系の学者らが執筆した高校歴史教科書(教学社)が、2014年3月から教育現場に登場する。
 国史編集委員会による検定審査で、8月30日に最終合格の判定を受けた。
 日本の植民地支配を肯定的に記述する部分もあり、革新派は「歴史を歪曲(わいきょく)している」として激しく反発している。

  複数の韓国メディアによると、教学社の教科書には、日本の植民地支配が韓国の近代化を促したとする「植民地近代化論」が随所に展開されている。
 1923年9月の関東大地震でデマにより多くの朝鮮人が殺害された事件や、慰安婦問題に関する記述も少ないという。

  また、「独裁者」との評価がある李承晩初代大統領や、朴槿恵大統領の父親である朴元大統領については肯定的に記述。
 一方で金大中政権下で行われた2000年の6.15南北共同宣言については、「平和統一の名分で推進されたが宣言だけで終わった」と批判した。

  韓国メディアによると、同教科書の内容に、革新派議員や専門家らは懸念を示した。
 野党民主党のユ・ギホン議員は、
 「教学社の教科書はほかの7社の教科書とは異なる記述をしている」
とし、大学の共通試験科目となっている歴史教科書の内容に違いが生じれば学生に混乱を与えると主張した。

  しかし、同教科書を執筆した教授らは、革新派の主張は歪曲されたものだとし、既存の教科書はあまりにも左翼的だと反論した。


 学問というものはマックス・ウエーバーの言うごとく、
 「価値判断をしない
というのが前提である。
 歴史学もそれから外れることはない。
 「正史主義」とは、イデオロギー的に自己の目指すものを「正しい」という前提を立て、そこから歴史事象を解析していくものである。
 よって、正史主義は歴史主義の対局に位置するものになる。
 正史主義歴史観では、時に合わないものはそれが大事件であっても意図的に見ないようにし、都合のいいものはほとんど何らの影響もない些細なものでも大きく拾っていくてスタイルの歴史解釈になる。
 典型は中国の歴史主観であり、文化大革命の影の部分はとりあげないし、天安門事件もなかったことにしてしまう、というやりかたである。
 韓国の歴史観も中国の影響を強く受けているため、
 「歴史学とはそういうもの
という先入的固定観がある。
 その先入観で歴史の教科書は作られる。
 これは国家戦略としていたしかたないことではあるが。
 いかにして国民をまとめ上げるかが国家の大きな役割であるのであるから。
 だが、時にそれに異を唱えるものが出てくる。
 民主主義とは異論を受け入れる寛容さで成り立っている。
 異論を殲滅するのは民主主義に反するものになる。
 

朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/12 11:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/12/2013091201311.html

「韓国史」教科書問題、政争に発展

 韓国政界では、最近検定を通過した教学社の高校教科書『韓国史』をめぐる論争が拡大しており、社会を二分する対決に発展する兆しを見せている。
 11日には教育界と歴史学界の有力者が「教学社の教科書に対する不当な攻撃を中止せよ」との声明を発表した。

■与野党、本格衝突の兆し

 野党・民主党は同日、党レベルで教学社の教科書を問題視した。
 柳基洪(ユ・ギホン)国会議員が委員長を務める「民主党歴史教科書親日独裁美化・歪曲(わいきょく)対策委員会」は、教育部(省に相当)を抗議訪問し、教学社の教科書に対する検定合格の取り消しを求めた。
 柳議員は
 「徐南洙(ソ・ナムス)教育部長官も、自身が見た部分について、多数の誤りがあるのは事実だと認めた。
 教学社の教科書は誤り、歪曲、盗作だらけの教科書であり、最低限の条件も満たしていない」
と批判した。

 民主党最高委員会でも、田炳憲(チョン・ビョンホン)院内代表が
 「ページをめくるたびに誤りだらけの教科書がなぜ審議を通過したのか理解できない。
  李泰鎮(イ・テジン)国史編さん委員長は当然引責辞任すべきだ」
と述べた。
 禹元植(ウ・ウォンシク)最高委員(国会議員)は
 「教育部長官が歴史教科書の承認を直ちに取り消さなければ、職務不履行などで法的措置を検討していく」
と迫った。

 これに対し、与党セヌリ党内最大の議員グループで、金武星(キム・ムソン)国会議員が主導する「近現代歴史教室」は同日、教学社の教科書の著者である李明熙(イ・ミョンヒ)公州大教授を招き、講義を聴いた。

 李教授は「学問、教育、文化など理念に関わる分野では、左派が既に絶対的多数を形成している。今の局面が維持されれば、10年以内に韓国社会が構造的に転覆される可能性がある」と述べた。

 講義にはセヌリ党所属議員約50人が出席し、金武星議員は
 「ある教科書は北朝鮮の人権に触れることなく、哨戒艦『天安』の爆沈、延坪島砲撃、金剛山での韓国人観光客銃撃事件などを扱わず、韓国戦争(朝鮮戦争)について、南侵と北侵を混乱させ、当時の中共軍を中国人民支援軍(義勇軍)と記述し、まるで味方の軍であるかのように扱っている」
とし、同日の会合が
 「歴史を正す契機になる」
と指摘した。

■「政治的攻撃を中止せよ」

 教育界の有力者も「教学社の教科書をめぐる不当な攻撃は中断すべきだ」と呼び掛けた。

 李敦熙(イ・ドンヒ)元教育部長官、李仁浩(イ・インホ)ソウル大名誉教授、イ・ジュヨン建国大名誉教授は同日、ソウル市内のプレスセンターで記者会見を開き
 「韓国の歴史を事実に忠実でありながら、肯定的な見方で捉えようとする学者を攻撃するのに、メディアが動員され、一部の政治家が加勢することを直ちにやめるべきだ」
と主張した。
 また
 「教師や保護者は、新たな歴史教科書を冷静な姿勢で比較分析し、選択する機会を保障されるべきだ」
とも指摘した。

 李元長官らは
 「(教学社の教科書の)筆者による歴史観が、過去10年余りにわたり韓国の歴史教科書をほぼ独占してきた人々とは異なることを問題視して起きた事態であることが明らかだ。
 歴史教科書が政争の具になる今日の事態に深い懸念を表明する」
と述べた。

 声明には李敦熙氏以外に歴代教育部長官を務めたクォン・イヒョク氏ら6人、李成茂(イ・ソンム)元国史編さん委員長、李貞培(イ・ジョンベ)元高麗大総長、李培鎔(イ・ベヨン)元梨花女子大総長、李鍾旭(イ・ジョンウク)元西江大総長などが加わった。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/12 11:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/12/2013091201299.html

教学社教科書の検定取り消し否定=教育部長官

 最近政界や学界から批判を受けている教学社の韓国史教科書について、教育部(省に相当)は11日、検定合格を取り消す計画はないと表明した。
 その上で、問題の教科書を含め、昨年国史編さん委員会による検定を通過した教科書8種全てを再検討し、事実に誤りがある場合には修正・補完すると説明した。

 徐南洙(ソ・ナムス)教育部長官は同日午後、ソウル市内の政府中央庁舎で記者会見し、
 「国史編さん委員会に専門家協議会を発足させ、協議会メンバーと教育部内の韓国史を専攻した専門家が共同で教科書8種を再検討し、修正すべき部分を出版社に伝え、協議を通じて修正したい」
と説明した。

 徐長官は
 「現在指摘されている教科書の問題点が検定合格を取り消すほどの事案ではないと考えている。
 仮に教育部が修正、補完を勧告した内容を出版社が受け入れない場合には、検定取り消しの是非を判断する」
とも語った。

 今回の修正・補完の対象には、教学社の教科書だけでなく、残る7種も含まれる。これについて、徐長官は「教学社の教科書と同じ誤りが他の出版社の教科書でも発見された。同じ検定委員が全ての教科書の検定を担当したため、検定に合格した他の教科書にも似たような問題点が存在する可能性があるため、8種全てを再検討することにした」と述べた。

 教科書の修正・補完は歴史的事実とは異なる記述に限られる。
 徐長官は
 「歴史に対する複数の観点を尊重する趣旨で検定制度が導入されており、事実に対する誤りがあれば、その部分に限って修正する」
とした。

 教育部は来月末までに韓国史の教科書8種の修正・補完作業を終え、各学校が11月末までに教科書を選定し、発注できるようにする方針だ。韓国史を除く科目の教科書は来月11日までに発注が完了する。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/20 08:51
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/20/2013102000035.html

安秉直教授が語る「韓国史教科書がダメな理由」とは

 「今回検定を通過した8種類の高校用韓国史教科書は、どれも非常に大きな問題を抱えている。
 その理由は、教科書の執筆基準そのものが『民主運動史体系』でできており、
 韓国の歴史をきちんと記述できない形になっているからだ」

 経済史研究の大家、安秉直(アン・ビョンジク)ソウル大学名誉教授は、最近起こった歴史教科書をめぐる議論と関連し、教科書の「基本的枠組み」が抱える問題点を指摘した。

 安名誉教授は、先月26日に開かれたフォーラム「韓国現代史、どのように見るべきか」(主宰:憲政会)で講演を行い、その中で「(教科書の)執筆基準を作り直すべき」と主張した。
 韓国政府が整備・発表している教科書の執筆基準は、教科書の水準や内容、範囲を定める一種のガイドラインだ。

 2011年に確定した現行の歴史教科書執筆基準は、現代史部門の第3項で「自由民主主義の発展過程」について、
●.5・16軍事クーデター(1961年5月16日の朴正熙〈パク・チョンヒ〉陸軍少将〈当時〉らによるクーデター)などの政治変動と、
●.4・19革命(1960年4月19日の、不正選挙に端を発したデモにより、当時の李承晩〈イ・スンマン〉大統領が下野した事件)、
●.5・18光州民主化運動(1980年5月18日に起こった光州での民主化要求。光州事件)、
●.6月民主抗争(1987年6月に起こった民主化要求運動)
などの民主化運動を通して説明するよう定めている。
 また産業化の過程は、別に第4項を設け、経済発展と社会・文化の変化について理解させることとしている。

 安名誉教授は
 「記述体系とは『どういう目で歴史を見詰め、事実を取捨選択するか』を決定する大きな枠組みだが、
 現在の執筆基準は、農民運動・労働運動・知識人運動・民主化運動など
 主として『抵抗運動』の視点で歴史を記述するように定めている
と指摘した。
 こうした枠組みでは、「独裁に立ち向かって戦った抵抗運動」だけが自由民主主義をつくり上げたかのように見えてしまう、というわけだ。

 「こんな記述では、その種の『運動』の内部に、むしろ自由民主主義を転覆させて人民民主主義を樹立しようとする運動もあったという事実を見いだせなくなる」
というのが、安名誉教授の指摘だ。

 安名誉教授は
●.「このような体系では、
 韓国の『建国』が自由民主主義体制を打ち立て、
 『産業化』の過程が中産層を生み出し、国の繁栄をもたらして自由民主主義の発展に大きく寄与していたとは書けない」
●.「自由民主主義体制を共産主義から守り、
 韓国を維持する中心的存在だった反共主義と韓米相互防衛条約も、否定的に記述されることになる」
と語った。

 このような記述体系の誤りが原因で、(従来の)7種類の教科書はもちろん、保守系の執筆陣が参加した教学社の教科書でさえも
▲.自由民主主義の発展は民主化運動によってのみ実現したかのように記され
▲.最初の憲法で自由民主主義の制度が確立したという点が明確に記されず
▲.韓国経済発展の基本プロセスといえる第1次-第7次経済開発計画をほとんど説明できていない
-というのが安名誉教授の見解だ。

 安名誉教授は
 「(新たな執筆基準では)今の記述体系を変更し、『建国』と『産業化』のプロセスを『民主化』と共に記述する『大韓民国史』の記述体系にすべき」
と強調した。
 また、韓国の現代史を論理的に説明できる理論的裏付けが必要であり、
 「後発の資本主義国は、自由貿易体制の下で、先発資本主義国が数百年かけて蓄積した資本・技術を活用し高度成長を成し遂げる
という「キャッチアップ理論」を導入すべきだと主張した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月26日 0時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78339&type=0

韓国歴史教科書「親日的過ぎ」と批判、教育省が修正命令―中国紙

 2013年10月25日、環球時報(電子版)によると、韓国教育省はこのほど、すでに検定を通過した高校教科書について、日本統治時代の朝鮮半島に関する記述を改めるよう出版社8社に要求した。
 「一部の教科書が親日的過ぎる」
 「朝鮮についての記述が十分ではない」
ことなどが理由。
 出版社に全面的な修正を求めている。

 対象となったのは教学社が出版した「韓国史」の教科書など。
 日本植民地時代の朝鮮半島の記述が事実に即しておらず、「占領期を美化している」と指摘された。
 この教科書は“新保守主義”の筆者が執筆したもので、今年8月に検定を通過。
 文中で日本の占領統治に肯定的な姿勢を示していたという。
 これに対し、野党や民間団体が検定通過の撤回を要求していた。

 これを受け、教育省は修正を求めたほか「朝鮮社会が正確な理解を得るため、記述の追加が必要だ」と表明。
 竹島(韓国名・独島)領有権問題では、出版社3社の「韓国は実効支配している」との記述は不正確であり、「独島は韓国固有の領土」だと強調した。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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