2013年9月13日金曜日

韓国空軍元参謀総長15人が「反旗:「次期戦闘機はステルス機能優先せよ」 

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●「F15SE」=(聯合ニュース)




● F35

 海軍の韓国軍艦「独島」の話があったと思ったら、こんどは空軍である。
 まったくこの国、よくわからない。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/13 11:22
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/13/2013091301205.html

「次期戦闘機はステルス機能優先」 軍長老が大統領に建議
歴代空軍参謀総長15人、大統領に建議書送る

韓国空軍の元参謀総長15人が、空軍の次期戦闘機(FX)事業をめぐり、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対し
「予算(60機で8兆3000億ウォン=現在のレートで約7600億円)を超過してでも、ステルス性能を最優先に考えて機種選定をすべき」
という内容の建議書を送っていたことが12日までに分かった。
韓国軍の長老が特定の兵器購入に関して集団で意見を出すのは、今回が初めて。

韓国空軍によると、現在生存している予備役空軍参謀総長は21人で、闘病中または海外滞在中の6人を除き、全員が建議書に署名したという。
元参謀総長らは先月29日に「国家安保のための進言」と題する建議書を韓国大統領府(青瓦台)に郵送した。
元参謀総長たちは、建議書で
「当初空軍が提起していた次期戦闘機の性能は、北朝鮮の脅威や周辺国の潜在的脅威に対応できるステルス性能が中核だった。
現在進められている手続きの通り(価格のみを基準に評価を行って)次期戦闘機事業を進めるならば、ステルス機能の弱い機種(F15SE)が選定されてしまう」
と主張した。

また、次世代戦闘機事業を原点から再検討するという案に対し、元参謀総長らは「事業が遅れて戦力の空白が生じる」との理由で反対を表明した。
逆に、朴大統領がステルス機能を備えた次期戦闘機を確保できるよう、事業予算を増やしてほしいと要請した。

これに対し、事業を主管する防衛事業庁の関係者は
「韓国政府の予算管理指針があるため、予算を増やすには、事業を最初からやり直さなければならない。
事業を遅延させずにステルス機を導入する方法はない」
と語った。
韓国空軍の関係者は
「戦力の空白を恐れているのなら、現在の事業を予定通り進めるのが妥当」
と語った。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/13 11:26
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/13/2013091301218.html

韓国空軍元参謀総長15人が「反旗」、次期戦闘機選定に波乱

韓国空軍の歴代参謀総長15人が、空軍の次期戦闘機(FX)事業の機種に事実上決まったF15SE(米国ボーイング社)に反対する意向を表明したことにより、FX事業は終盤で波乱が起きている。

韓国軍の元幹部らが、戦時作戦統制権(統制権)など主な安全保障政策に関して集団で意見を表明した例は、これまでにもあった。
しかし今回のように、特定の兵器導入事業について立場を表明したのは異例だ。

元参謀総長たちがこのような立場を表明したのは、韓国空軍のFX事業が予算上の都合により、第5世代ステルス機を導入するという本来の方針から外れたと考えているからだ。
元空軍参謀総長のA氏は
「単に価格だけで次期戦闘機を選定するのは問題があるため、本来の方針に従って総合的に評価するということ」
と語った。
次期戦闘機の総合評価は、価格(ライフサイクルコスト)30%、任務遂行能力33.61%、韓国軍の運用適合性17.98%、経済的・技術的利益18.41%という割合で行うことになっている。

しかしFX候補3機種のうち、防衛事業庁(防事庁)が提示した予算の範囲内に収まったのは、米国ボーイング社のF15SEだけだった。
米国ロッキード・マーチン社のF35Aと欧州EADS社のユーロファイター・タイフーンは、提示価格が予算を超過し、事実上候補から脱落した。

元参謀総長たちは先月27日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に宛てた書簡の中で
「現在進められている手続きの通り(価格のみを基準に評価を行って)次期戦闘機事業を進めるならば、ステルス機能の弱い機種(F15SE)が選定されてしまう。
また、8兆3000億ウォン(現在のレートで約7600億円、以下同じ)という巨額の予算を投じて、まだ存在もしていない第4世代戦闘機を確保することについて、国民は理解に苦しむだろう」
と主張した。
つまり、予算の範囲内に収まったF15SEを選定することに対し、反対の意向を表明したわけだ。

元参謀総長たちは、事業の再検討については要求せず、代わりに国防予算の範囲内で事業間の予算調整を行い、次期戦闘機事業の予算を増額することを要請した。

これに対し防事庁は
「2006年以降、韓国政府の予算管理指針が変わり、予算を増額するのであれば事業を原点からやり直すしかない」
と語った。
06年以前は、国防予算の範囲内で、一部事業の予算を転用して兵器購入事業を進める、ということが可能だった。
しかし06年に、当時の企画財政部(省に相当、以下同じ)が国防事業の総事業費管理指針を作り「20%以内の予算増額」は、公告が出る前でなければできなくなった。

朴大統領の決断で予算を増額する場合、あらためて事業公告を出さなければならないため、事業の大幅遅延は避けられない見込みだ。
その場合、韓国空軍がどのような立場を取るのかも注目される。
韓国空軍は最近、成日煥(ソン・イルファン)参謀総長の主宰で将官クラスの会議を開き
「戦力の空白を防ぐため、次期戦闘機事業は予定通り進めるべき」
だとして、F15SEを選定することを事実上受け入れる立場を固めた。
空軍内部にF15SEを選定することへの不満が一部あるにもかかわらず、韓国空軍がこのように公式の立場を整理したのは、事業を原点から再検討した場合、新型戦闘機の配備が2年以上も遅れてしまい、19年以降になると戦闘機が100機以上不足すると予想されるからだ。
また、事業が再検討された場合、今年度・来年度に編成されるFX事業予算1兆1787億ウォン(約1080億円)が不要額として処理されてしまう、という点も足かせになっていた。

さらに防事庁は、事業予算を増額した場合「ステルス機F35Aを推すために予算を増やした」と競合他社が反発することなども懸念している。
防事庁は、秋夕(チュソク=中秋節、今年は9月19日)後に国防部の金寛鎮(キム・グァンジン)長官の主宰による防衛事業推進委員会(防推委)を開き、F15SEの選定について最終決定する予定だ。
防事庁は、これまで進めてきたFX機種選定の結果を、早ければ13日にも韓国大統領府(青瓦台)に報告するという。
とはいえ、元空軍参謀総長たちの問題提起により、日程に狂いが生じる可能性も高まっている。


韓国空軍は「F35」を欲しいのだろう。
だがしかし、アメリカは本当に「F35」を渡すだろうか。
今のアメリカは韓国をほとんど信用していない。
もしものときに、F35が中国へ流れていく可能性もある。
ウクライナのポンコツ空母が「遼寧」として生き返った例をみせつけられている。
アメリカとしては売りたいけれど売りにくい、といったところだろう。
いまは「売ってもいい」ということになっているが、果たしてすんなりといくだろうか。
土壇場で「ノー」と言うことはないだろうか。
疑問符のほうが大きい問題である。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/14 10:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/14/2013091400590.html

韓国軍:次期戦闘機、予定通りF15SEに決定か

 防衛事業庁(防事庁)が13日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に
 「秋夕(チュソク=中秋節。今年は9月19日)の連休後に開かれる防衛事業推進委員会(防推委)に、ボーイング社のF15SEを韓国空軍次期戦闘機(FX)事業の単独候補として上程する」
と報告したことが分かった。

 防事庁のこうした方針は、8兆3000億ウォン(現在のレートで約7600億円)規模に達するFX事業の総合評価で、F15SEが最下位を免れたことから、計画通り推進しても問題はないとの判断が働いたためだとされる。
 これにより、突発的な事態が起こらない限り、次期戦闘機は、候補3機種の中で唯一予算内の価格を提示したF15SEに決まる可能性が高まった。

■「4-5年以内にステルス機を捕捉できるレーダー開発か」

 国防部(省に相当)の金寛鎮(キム・グァンジン)長官や李庸傑(イ・ヨンゴル)防事庁長、韓国空軍の成日煥(ソン・イルファン)参謀総長などは13日午後、こうした総合評価の結果を含むFX事業機種決定推進案を朴大統領に報告した。
 韓国政府の消息筋は
 「防事庁は『FX事業を今の手続きに沿って進めたい』と朴大統領に報告した。
 価格や性能などを全て考慮する総合評価で、F15SEが最下位になっていれば、このように報告するのは難しかっただろう」
と語った。

 朴大統領は
 「金寛鎮長官が主導して国家安全保障の状況などを総合的に考慮し、防推委で決定するように」
と指示、金長官に決定を事実上委任したという。
 韓国空軍の元参謀総長15人がステルス機配備を求めて大統領に建議するなど反対の動きもあったが、国防部と防事庁は、反対世論に対する意見集約および説得の作業を進め、秋夕明けに機種を決める予定だという。

 13日に行われた韓国大統領府(青瓦台)への報告では、事業遅延時に戦力に空白が生じる問題やステルス機の限界なども話し合われたという。
 韓国軍の消息筋は
 「(中国・日本など)周辺国がステルス機を配備、または開発中だが、ステルス機は万能ではなく、ステルス機を捕捉できるレーダーも数年以内に登場すると予想している。
 F35についても、これまでに幾つもの問題点が指摘され、その一部は完全解決には至らなかった」
と語った。
 また金長官は今月初めの国会国防委員会で
 「専門家らは、4-5年以内にステルス機探知レーダーが開発されるとみている」
と述べていた。

■政界でも賛否両論

 政界でも議論は熱を帯びている。
 国会国防委で与党セヌリ党の幹事を務める韓起鎬(ハン・ギホ)議員は
 「セヌリ党内では、F35AとF15SEをめぐって各議員の考えが異なっており、特定の機種について党の立場が特に決まっているということはない」
と語った。
 しかし、国防委員長を務めるユ・スンミン議員(セヌリ党)は
 「韓国空軍が提示していた当初の作戦要求性能(ROC)では、ステルス機能が重要だったのに、2度もROCを変更したのが問題。
 今の時点では、8兆3000億ウォンという予算の中で国防部の長官が(機種を)決定するか、あるいは原点からやり直すのが妥当」
と語った。

 野党第1党、民主党の張秉浣(チャン・ビョンワン政策委議長は
 「F15SEは、韓国領空の防衛能力という面で、次世代機種にはふさわしくないというのが専門家らの共通意見。
 歴代の空軍参謀総長が反対しているという点を、韓国政府は慎重に考慮すべき」
と語った。
 無所属の安哲秀(アン・チョルス)議員も
 「任務遂行能力、韓国軍の運用適合性、ライフサイクルコスト、経済的・技術的便益という四つの評価項目のうち、経済という項目だけに基づいて機種が決まったようなものだ」
と語った。


 おそらく韓国政府は現在の状況にあってはアメリカがF35を供与しないであろうことを予想しているのだろう。
 よって、直前のごたごたを回避しようという腹づもりで、レベルの落ちる機種で手を打とうとしているのではないだろうか。



【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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