2013年9月21日土曜日

「現代自動車貴族労組」(4):現代自動車のデトロイト化の懸念

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/21 08:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100042_2.html

闘争一辺倒の現代自労組、蔚山がデトロイト化する懸念

 現代自動車労働組合は1987年の結成以降、今年までの27年間で23回、まるで年間の定例行事かのようにストライキを決行してきた。
 延べ日数は405日に達する。ストライキが行われなかったのは、1994年と穏健派のイ・ギョンフン元労組支部長が率いた2009-11年の合わせて4年間だけだ。

 ストライキで要求を貫徹し、現代自の従業員の平均年収は2004年の4900万ウォン(約448万円)から昨年には9400万ウォン(約860万円)へと10年間で約2倍に増えた。
 同じ期間に韓国の勤労者全体の平均年収は360万ウォン(約33万円)増えたにとどまった。

 現代自労組は今年も10回にわたる部分ストライキで、
▲基本給9万7000ウォン(約8900円)引き上げ
▲成果給を基本給の350%プラス500万ウォン(約45万7000円)支給
▲品質向上成果奨励金として基本給の50%プラス50万ウォン(約4万5700円)支給
▲事業目標達成奨励金300万ウォン(約27万円)
―を勝ち取った。
 現代自蔚山工場の元幹部は「『まずストライキをやってみよう』という慣行が根付いている」と話した。

■歯止めなき要求

 今年の臨時団体交渉で現代自労組が会社側に提示した要求は、約180項目に及ぶ。
 労組内の各派閥が人気取りの公約を掲げたためだ。
 蔚山商工会議所のキム・チョル会頭は先月
 「所得上位5%に入り、世界の自動車業界で最高水準の賃金を受け取っている現代自労組員が今年の交渉で2000年代以降最も多い要求を行ったことは、到底理解できない」
と苦言を呈した。

 組合員4万6000人を抱える現代自労組は、有力7派閥に分かれている。
 強硬派が3派閥、中道が3派閥、穏健派が1派閥だ。
 各派閥は臨時団体交渉のたびに組合員相手に主張を競う。
 その結果、交渉が極端なレベルに達することが多い。
 穏健派が1次投票でトップに立てば、決選投票で強硬派が連合し、情勢をひっくり返すこともある。

■労組の強硬姿勢、会社側にも責任

 異常な労組は会社側が生み出したものだとの指摘も少なくない。
 韓国労働研究院のペ・ギュシク労使・社会政策研究本部長は「現代自は2000年代初め、団体交渉で組合に大きく押された。
 労組はそれを利用するようになり、経営陣も労組の意向に沿って、適当に乗り切ろうとしてきた」と指摘した。

 京畿開発研究院のチェ・ヨンギ上級研究委員は、現代自経営陣の頻繁な労務担当者交代も問題を悪化させた一因だと指摘する。
 経営陣が少しでも問題が生じると労務担当者を交代したため、労組は少しでも揺さぶれば、思い通りに担当者を変えさせることができると思うようになった。
 チェ研究委員は
 「ストライキがなくなった現代重工業では、20年以上人事・労務担当者の一貫性が維持されており、従業員を教育し、労組が徐々に変わった」
と指摘した。

■当面の解決策なし

 現代自労使が変わらなければ、同社の企業城下町である蔚山が米国デトロイトのように衰退するのではないかとの懸念も浮上している。
 しかし、専門家は既に「政治化」した現代自労組が自ら変化することは容易ではないと指摘する。
 労組幹部に生産性が高い海外工場を視察させると、その場では「驚いた」と言うが、帰国すれば組合員の前で「競合メーカーに勝つために譲歩しよう」と言い出せず、闘争一辺倒に走ってしまう。

 チェ研究委員は「これまでは為替効果などで労組の無理な要求をのむことができたが、今後は為替効果もなく、結局は労使関係の改善を通じ、生産性を高めるしかない」としながらも
 「現代自の労組問題は20年以上積み重なってきたもので、一気に解決する方法はない」
と指摘した。

 現代自は現在、本社と国内3工場で6万人、海外7工場で2万4000人を雇用している。
 今後中国と米国に工場を増設することを検討中で、海外での雇用が増えることになる。

 韓国自動車産業学会のユ・ジス名誉会長は
 「現代自の従業員の賃金があまりに高過ぎ、生産性が低いことも問題だが、会社の経営戦略を実行することすら難しいほど勤務現場の綱紀が崩れていることの方が問題だ」
と分析。
 その上で「力のバランスで解決策を探るべきだが、今年初めて海外工場での生産台数が国内を上回り、会社側の交渉力が強まった。
 今こそ労使関係を改めて位置づける最後の機会だ」
と訴えた。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/21 08:23
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100034.html

「人件費が高くなると現代自は競争力を失う」
米国ミシガン州立大学のムーア教授

 ミシガン州立大学人的資源および労働関係大学院のマイケル・ムーア教授は
 「現代自動車の労働組合が今のように自分たちの利益ばかりを主張していたら、
 数年以内に蔚山も(米国自動車産業の象徴だったが後に没落した)デトロイトのようになるだろう
と警告した。

 ムーア教授は、1969年からデトロイト市の栄枯盛衰を労使協力体制の観点から研究している労働問題の専門家だ。
 米国製の自動車が世界の市場を席巻していた50年代、デトロイトは米国最大規模の工業都市に成長したが、米国車の衰退と共にデトロイトも衰えていった。
 デトロイト市は今年7月、185億ドル(約1兆8400億円)の負債を抱えて破産申請を行った。

 ムーア教授は、電子メールを用いた本紙のインタビューで
 「米国の自動車産業が世界市場を独占すると、全米自動車労働組合(UAW)は『会社はずっと富んでいる』と錯覚し、会社に対してより多くの給与、より多くの恩恵ばかりを要求するようになり、会社と共に没落した」
と指摘した。
 米国の自動車産業は50年代、史上例のない好況に沸いていた。

 ムーア教授は
 「そのせいで、当時UAWは『今後30年間、自然災害がない限り会社に協力する必要はない』と考えるほど未来を楽観していた」
と語った。
 しかし、60年代から日本やドイツなどが自動車産業に参入し、また工場に対する環境規制が強化され、米国車の競争力は低下し始めた。

 「UAWの委員長たちは当時、新興産業国の挑戦や『二酸化炭素排出権』といった環境規制の出現を十分認識していた。
 にもかかわらず、労組内での地位を維持するため、努めて知らないふりをした。
 20世紀後半、会社が危機に直面したときも、労組側は『給与を上げてほしい』としてストを行い、会社に決定的な打撃を与えた」

 ムーア教授によると、当時のUAWと今の現代自労組はかなり似ているという。
 ムーア教授は
 「現代自はこの10年間、好況に沸いてきたが、高い人件費やひんぱんなストなどで価格が上がり、グローバルな競争力を失い始めた。
 現代自労組がこの事実を無視していたら、(UAWと)全く同じことが繰り返されるだろう」
 「米国の消費者は、現代自の価格が上がっても別の自動車を買うだけだが、現代自労組は、会社がだめになったら仕事もなくなるという事実を忘れてはいけない」
と警告した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/21 07:37
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100025.html

過激な現代自労組、今や国民も冷たい視線

 「1980年代は労使間にあまりにも力の差があったため、組合が過激な行動や要求を突きつけても社会的弱者として容認され、国民も応援してくれた。
 しかし今は状況が大きく変わり、現代自労組の方がむしろ強者になった。
 国民はもう誰も応援などしない」

 1987年に現代自動車労働組合が発足した当初から組合員だった元幹部の50代男性は
 「過激な組合活動に参加してきたわれわれでさえも、いつまでこのように消耗的で対立的な労使関係が続くのか、心配になる」
と語った。

 この男性は、現代自労組が毎年のようにストを行う理由について
 「組合は執行権を維持するための手段として賃金・労働協約交渉に臨んでおり、また複数のグループがそれぞれライバル心から先を争って会社に無理な要求を突きつけているため」
と説明した。
 さらに
 「組合員の間からも『これはやり過ぎ』という声が出ているが、執行部は『われわれのように力のある工場でこれくらいの要求をしなければ、大韓民国の中小企業は恩恵を受けられない』という論理で押し通している」
語った。
 今年の団体交渉で組合は
 「組合員の子どもが大学に入れなかった場合、会社側は1000万ウォン(約91万円)を支給する」
という要求案を出したが、このときも組合は上記のような論理を前面に掲げた。

 現代自労組は毎年のように過激な要求を突きつけているが、自分たちよりも劣悪な環境に置かれている社内下請(非正規社員)の正社員化問題については口を閉ざしており、この点で批判を受けている。
 上記の男性は
 「社内下請労組は全員が正社員化を求めている。こ
 の問題はすでに社会的にも幅広く認知されているようだが、(組合は)彼らに実質的な恩恵を与えることはできないだろう」
 「会社側が社内下請の勤続年数を一部考慮するなど、何らかの方法は考えられるかもしれない」
などの見方を示した。
 会社側も2016年までに3500人を新規採用する方針を発表するなど、段階的な正社員化を進めたいとしている。

 男性は会社側の社会的責任も強調し
 「組合が無理な要求を突きつけてきた場合、それを合理化する論理の一つが財閥の不道徳や富の世襲だ。
 今の会社も鄭夢九(チョン・モング)会長が自分の力で立ち上げたわけではない。
 そのため組合は『便利な方法で世襲された富を分け合うことの何が悪い』と主張している」
と述べた。

 男性は
 「労働運動の参加者たちは、これ以上自分たちの利益ばかりを追求すべきではない」
 「われわれは企業に社会的責任を果たすよう要求しているが、それなら労働者も地域社会に奉仕するなど、同じように社会的責任を果たすべきだ。
 最低でも国の経済発展にとってマイナスになるようなことはしてはならない」
と主張した。


 現代自動車はおそらく日産と同じ道をたどることになるだろう。
 日産の場合は格下ではあったがフランスのルノーが拾った。
 現代自動車はどこが拾うだろう。
 日本には「悪法も法」という法尊重意識が国民に根付いている。
 よって、外部からも法に準じて実行できるという安心感がある。
 しかし、韓国は「愛国無罪」である。
 「愛国無罪が変じて愛社無罪」
となれば、怒りにまかせて何をされるかわからない。
 そんな会社を拾う外資がいるだろうか。
 もし、拾うものがなければ、どうなる。
 国有化されてさらにお荷物になっていく。
 この会社の未来は暗すぎる。

 日産には技術力があった。
 よってルノーは安い買い物ができた。
 現代自動車の技術は一昔前の三菱自動車である。
 日本の自動車技術は最近、とみに高度に洗練されてきている。
 そのスパーハイテク技術はもう現代自動車には入ってこない。
 だが、自力で開発するだけのパワーはない。
 とすれば、技術に劣る中国や南米、アフリカ、ロシアに旧技術で売っていくしかない。
 その地域も早晩、日本やドイツの新技術車が席捲していくであろう。
 とすると、現代自動車のたどる道はどうなるのだろう。
 やはり日本の技術に差を付けられたデトロイトが歩んだ道を、
 今度は現代自動車が歩いていくことになるのかもしれない、
という予想が一番説得力があるかもしれない。
 もしそうだとしたら、現代自動車の海外工場はおそらく中国に順次買収されていくだろう。
 そして、韓国に残ったセクションのみがデトロイト化することになる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月15日 5時23分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77851&type=0

中国の自動車メーカー、「謙虚さ」装い、欧米市場進出へ―独紙


●11日、独経済紙ハンデルスブラットは「中国人の見せかけの謙虚」と題した記事を掲載した。写真は江蘇省連雲港市の港に並ぶ海外向け自動車。

 2013年10月11日、独経済紙ハンデルスブラットは「中国人の見せかけの謙虚」と題した記事を掲載した。
 12日付で環球時報が伝えた。

 世界最大の自動車市場・中国では毎年1550万台が販売されている。
 だが主導的地位にあるのは外国メーカーであり、中国メーカーは二次的地位に甘んじている。
 企業コンサルタントグループ・安永の最新調査によると、中国の自動車企業の3分の2が中国の自動車メーカーとサプライヤーは成功すると考えており、回答企業の78%が
 「中国の自動車は欧米市場で販売実績を上げるようになる」
と予測している。

 現時点では、中国の自動車販売は国内市場および新興国に限られている。
 中国の自動車企業のトップは世界市場進出について謙虚な姿勢を見せている。
 回答企業の92%が
 「中国自動車のレベルはまだ国際競争力を有しておらず、デザインやブランド認知度などの面で出遅れている」
と答えた。

 中国は過去に欧米メーカーとの合弁で利益を得てきたが、今は主客転倒している。
 最近、中国東風汽車(自動車)グループが経営不振にあったPSAプジョー・シトロエンの株式30%を12億ユーロ(約1600億円)で取得するとの報道があった。ドイツの自動車部品サプライヤーのプレー社やザーラギュムミ社はすでに中国企業に買収されている。

 過去3年間、中国の自動車メーカーとサプライヤーのうち、わずか6分の1の企業が海外投資を行ってきたが、今後3年間で自動車メーカー3分の1とサプライヤー2分の1に拡大する見込み。
 自動車企業が国際的成功を勝ち取るのは中国の国家責任であり、2016年までに自動車産業が輸出のトップに躍り出ることは中国指導者層の願いでもある。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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