『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/03 09:15
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/03/2013070300741.html
日中の銀行が世界進出拡大、韓国は出遅れ
世界的な金融危機で欧米の銀行の経営に陰りが見え始め、日本と中国の銀行がアジアだけでなく、アフリカにまで「金融領土」を拡大している。
これに対し、韓国の銀行はいまだに足踏み状態だ。
世界的な金融専門誌『バンカー』が1日に発表した世界1000大銀行ランキングで、韓国の銀行はようやく60位台に食い込んだ。
最高順位はKB金融持株の68位で、企業銀行などは100位以下だった。
一方、中国最大の国営銀行、中国工商銀行(ICBC)が自己資本の基本的項目ベースで過去3年間トップだったバンク・オブ・アメリカを抜き、世界1位となった。
自己資本の基本的項目ベースは、総資本から劣後債などの負債性資本を差し引いた実質的な自己資本を指す。
バンカー誌のブライアン・カプラン編集長は「中国の銀行がついに欧米の銀行を抜き去った」と述べた。
日本も三菱UFJフィナンシャル・グループが7位の座を守り、三井住友フィナンシャルグループとみずほフィナンシャルグループが16、17位、農林中央金庫が25位に入った。
中国と日本の銀行は順位が上昇するか横ばいで、世界の金融業界での存在感を保った。
韓国の銀行も2010年以降、順位がじわじわ上昇しているが、50位以内に食い込むのは難しい状況だ。
飽和状態となっている国内市場で、預貸マージンを主な収益源としており、どんぐりの背比べ的な競争をしていることに加え、海外進出でも成果を挙げられずにいる。
■東南アジアに進出する日中の銀行
中国の銀行は、アフリカにまで進出し、事業規模を拡大している。
中国工商銀行は2007年、南アフリカ共和国のスタンダード銀行の株式20%を55億ドル(約5540億円)で買収した。
スタンダード銀はアフリカ18カ国に拠点を置くため、一気にアフリカにネットワークを拡大することができた。
工商銀の海外支店は昨年末に383カ所となり、前年末(239カ所)に比べ60%増えた。
工商銀が昨年、海外で得た営業利益は46億3100万ドル(約4660億円)で、10年に比べ40%増えた。
日本の銀行は貿易金融市場で、東南アジアへの進出を拡大している。
金融危機で英国HSBCなど欧州系銀行の経営が低迷すると、日本勢は低金利を武器に市場を攻略している。
国際決済銀行(BIS)によると、世界の貸出市場で日本の銀行のシェアは、
金融危機以前の08年には6%台だったが、昨年は10%台にまで上昇した。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは1日、
日本の3大金融グループである三菱UFJ、三井住友、みずほの海外での融資残高が1年半で20%以上増えたと報じた。
日系銀行は東南アジアの貿易金融市場で、
シェアを11年の13%から昨年には「50%台」まで拡大した。
韓国外換銀行の尹庸老(ユン・ヨンロ)銀行長は
「日系銀行がアジアの貿易金融市場を席巻しており、韓国の銀行が東南アジアに進出する余地が狭まっている」
と話した。
■1000大銀行に韓国勢は9行のみ
日中の銀行は海外市場で好調な業績を挙げているが、
韓国の銀行は依然として「井の中のかわず」だ。
家計向け融資など容易に収益を上げられる分野に依存しており、海外進出や合併・買収は進んでいない。
韓国の銀行の国際競争力向上に向け、李明博(イ・ミョンバク)政権初期に「メガバンク構築」が推進されたが、金融危機で立ち消えになった。
昨年現在で世界1000大銀行に含まれたアジアの銀行は343行ある。
うち
中国が104行、
日本が100行を占め、
インド(32行)、
台湾(28行)、
マレーシア(13行)
などが2桁台だ。
これに対し、
韓国はタイと並ぶ9行で、
ベトナム(8行)、
フィリピン(7行)
と似たような水準だった。
ウリ金融の関係者は
「銀行業のレベルを世界1000大銀行に何行含まれるかで判断することはできないが、恥ずかしい数字であることは間違いない」
と語った。
最近は低金利、低成長で収益が激減し、景気低迷で大企業向け融資の不良債権が増え、韓国の銀行も海外進出を本格化させている。
しかし、成果を挙げるまでには、かなりの時間が必要とみられる。
大半は事業を現地化できず、現地在住の韓国人相手に為替業務などを展開するにとどまっている。
韓国の銀行の収益に占める海外拠点の割合は5%台にすぎない。
ある市中銀行の役員は
「サムスン電子、現代自動車など製造業分野では、韓中日が並んで競争しているが、金融分野では中国、日本に太刀打ちできないレベルだ」
と漏らした。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/03 06:06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/03/2013070300402.html
6月末の外貨準備高 7カ月ぶり低水準=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が3日に発表した6月末の外貨準備高は3264億4000万ドル(約33兆円)となり、前月比で16億6000万ドル減った。
2カ月連続の減少で、昨年11月以来の低水準。
同行は満期を迎えた10億2000万ドル規模の外国為替平衡基金債券を返済したのに加え、ユーロ安やオーストラリアドル安によりこれらの通貨のドル換算額が目減りしたためと説明した。
韓国の外貨準備高は1月に3289億1000万ドルとなり、過去最高を記録した。
2月は3274億ドルに減ったが、3月は3274億1000万ドル、4月は3288億ドルと増加。5月は3281億ドルと、減少に転じた。
外貨準備を項目別でみると、
有価証券が2955億7000万ドルで全体の90.5%を占めた。
次いで預金が200億3000万ドル(6.1%)、
金の保有量が47億9000万ドル(1.5%)、
国際通貨基金(IMF)特別引き出し権(SDR)が34億1000万ドル(1.0%)
だった。
IMFリザーブポジションは26億3000万ドル(0.8%)となった。
5月末の韓国の外貨準備高は世界7番目の規模で、前月と変わらなかった。
中国(3兆4426億ドル)が1位で、
日本(1兆2502億ドル)、
ロシア(5184億ドル)、
スイス(5148億ドル)、
台湾(4066億ドル)、
ブラジル(3744億ドル)
と続いた。
』
韓国の外貨準備高は台湾の80%にしか満たない。
とても世界進出などできうるべくもない。
「井の中のカワズ」というが、それしかあるまい。
海外進出より、奇形構造に陥ってしまった経済を何とかするほうが優先課題であろう。
国外より国内に目をむけるべき時期ではないのか。
『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/28 06:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/27/2013072700326.html
李明博政権下の資源開発投資、伸び悩む収益
李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間に推進した海外での資源開発投資は、それ以前と比べると収益率が大きく劣る。
損失額がはるかに大きい。既に明らかになった損失だけで1兆1500億ウォン(約1020億円)に達する。
なぜこんな事態になったのか。
2009年に韓国石油公社がカナダのエネルギー企業、ハーベスト・オペレーションを買収したケース
を詳細に振り返れば、その理由が分かる。
石油公社は09年9月、ハーベストとの資源開発部門買収交渉を終え、10月14日の理事会(取締役会)で買収を決議した。
しかし、ハーベストは同日の取締役会で売却案を否決した。
表面的には原油価格の上昇見通しなどが理由だったが、石油公社が買収を焦っており、どんな無理な条件を提示しても通ると見抜いていたからだ。
ハーベストは当初、売却交渉の条件にはなかった石油精製プラントまで買収対象に含めるよう求めた。
負債まみれのプラントだった。
焦っていた石油公社は石油精製プラントの操業経験が全くないにもかかわらず、わずか1週間後に約40億ドル(約3980億円)で買収契約を結んだ。
理事会での承認手続きすら踏まなかった。
その後3年での8202億ウォン(約730億円)という多額の赤字は買収当初から予想されていた。
(1).短期的な業績に執着
巨額損失を出した第一の原因としては、海外資源開発の目標を定め、短期的な実績を重視し、投資を強行したことが挙げられる。
李明博政権発足1年目の08年、知識経済部(省に相当・現産業通商資源部)は「石油公社大型化プラン」により、当時日産5万バレルだった海外での原油生産規模を5年以内に30万バレルに拡大する方針を掲げた。
韓国資本による自主開発率を09年の9%から19年までに30%に引き上げるという野心に満ちた目標だった。
その結果、目標を達成するために、負債まみれの石油精製プラントを買収してほしいという条件まで安易に受け入れてしまった。
買収すれば、08年に5.7%だった自主開発率を7.5%まで高めることが可能だった。
(2).市場を無視した非専門家が投資主導
失敗投資を主導したのは、大半が天下りでやって来た政府系企業の社長だった。
彼らは中長期的な国際相場動向を把握せず、どんぶり勘定で投資を行い、多額の損失を出した。
ハーベストはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油よりも安価なドバイ原油を輸入し、精製、販売する事業構造を持っていた。
しかし、買収当時にはWTI原油とドバイ原油の価格差がなくなりつつあり、買収直後には逆転した。
精製すればするほど損害が出る構造だった。
将来を見据えない非専門的な決定が多額の損失を生んだことになる。
韓国ガス公社が2010年から事業に着手し、最近中断を宣言したカナダのウエストカットバンク天然ガス事業も同様だ。
08年に1MMBTU(百万BTU。BTUは英国熱量単位)当たり12ドルを超えていたガス価格は、北米でシェールガスの開発が相次いだことで、昨年4月には1ドル台にまで急落。
生産性を完全に失った。
(3).過度の投資で負債拡大
投資余力を考えずに過度の投資を行うことで、負債が拡大していることも問題だ。
韓国鉱物資源公社は年間の海外資源開発投資が3000億-8000億ウォン(約267億-712億円)にとどまっている政府系企業だ。
しかし、06年にはマダガスカルのアムバトビ・ニッケル事業に5000億ウォン(約445億円)をつぎ込んだ。
石油公社も年平均の投資規模である4兆4500億ウォン(約3960億円)を超える資金をハーベストの買収に突っ込み、損失を出した。
もちろん成功した資源開発もある。
石油公社が2010年に買収した英国の資源開発企業のダナが代表的だ。
石油公社関係者は
「ダナは年間2億ドル(約199億円)前後の純利益を上げている。
資源開発の特性上、損失を出すこともあるが、利益を出す事業も多い」
と述べた。
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とても世界進出などできうるべくもない。
「井の中のカワズ」というが、それしかあるまい。
海外進出より、奇形構造に陥ってしまった経済を何とかするほうが優先課題であろう。
国外より国内に目をむけるべき時期ではないのか。
『
朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/28 06:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/27/2013072700326.html
李明博政権下の資源開発投資、伸び悩む収益
李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間に推進した海外での資源開発投資は、それ以前と比べると収益率が大きく劣る。
損失額がはるかに大きい。既に明らかになった損失だけで1兆1500億ウォン(約1020億円)に達する。
なぜこんな事態になったのか。
2009年に韓国石油公社がカナダのエネルギー企業、ハーベスト・オペレーションを買収したケース
を詳細に振り返れば、その理由が分かる。
石油公社は09年9月、ハーベストとの資源開発部門買収交渉を終え、10月14日の理事会(取締役会)で買収を決議した。
しかし、ハーベストは同日の取締役会で売却案を否決した。
表面的には原油価格の上昇見通しなどが理由だったが、石油公社が買収を焦っており、どんな無理な条件を提示しても通ると見抜いていたからだ。
ハーベストは当初、売却交渉の条件にはなかった石油精製プラントまで買収対象に含めるよう求めた。
負債まみれのプラントだった。
焦っていた石油公社は石油精製プラントの操業経験が全くないにもかかわらず、わずか1週間後に約40億ドル(約3980億円)で買収契約を結んだ。
理事会での承認手続きすら踏まなかった。
その後3年での8202億ウォン(約730億円)という多額の赤字は買収当初から予想されていた。
(1).短期的な業績に執着
巨額損失を出した第一の原因としては、海外資源開発の目標を定め、短期的な実績を重視し、投資を強行したことが挙げられる。
李明博政権発足1年目の08年、知識経済部(省に相当・現産業通商資源部)は「石油公社大型化プラン」により、当時日産5万バレルだった海外での原油生産規模を5年以内に30万バレルに拡大する方針を掲げた。
韓国資本による自主開発率を09年の9%から19年までに30%に引き上げるという野心に満ちた目標だった。
その結果、目標を達成するために、負債まみれの石油精製プラントを買収してほしいという条件まで安易に受け入れてしまった。
買収すれば、08年に5.7%だった自主開発率を7.5%まで高めることが可能だった。
(2).市場を無視した非専門家が投資主導
失敗投資を主導したのは、大半が天下りでやって来た政府系企業の社長だった。
彼らは中長期的な国際相場動向を把握せず、どんぶり勘定で投資を行い、多額の損失を出した。
ハーベストはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油よりも安価なドバイ原油を輸入し、精製、販売する事業構造を持っていた。
しかし、買収当時にはWTI原油とドバイ原油の価格差がなくなりつつあり、買収直後には逆転した。
精製すればするほど損害が出る構造だった。
将来を見据えない非専門的な決定が多額の損失を生んだことになる。
韓国ガス公社が2010年から事業に着手し、最近中断を宣言したカナダのウエストカットバンク天然ガス事業も同様だ。
08年に1MMBTU(百万BTU。BTUは英国熱量単位)当たり12ドルを超えていたガス価格は、北米でシェールガスの開発が相次いだことで、昨年4月には1ドル台にまで急落。
生産性を完全に失った。
(3).過度の投資で負債拡大
投資余力を考えずに過度の投資を行うことで、負債が拡大していることも問題だ。
韓国鉱物資源公社は年間の海外資源開発投資が3000億-8000億ウォン(約267億-712億円)にとどまっている政府系企業だ。
しかし、06年にはマダガスカルのアムバトビ・ニッケル事業に5000億ウォン(約445億円)をつぎ込んだ。
石油公社も年平均の投資規模である4兆4500億ウォン(約3960億円)を超える資金をハーベストの買収に突っ込み、損失を出した。
もちろん成功した資源開発もある。
石油公社が2010年に買収した英国の資源開発企業のダナが代表的だ。
石油公社関係者は
「ダナは年間2億ドル(約199億円)前後の純利益を上げている。
資源開発の特性上、損失を出すこともあるが、利益を出す事業も多い」
と述べた。
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【「底知らず不況」へ向かう韓国】
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