2013年5月16日木曜日

外国人が資金引き揚げ:韓国企業の業績不振に対する失望が原因

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/16 08:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/16/2013051600510.html

韓国企業の業績不振、外国人が資金引き揚げ

 15日の東京株式市場では、日経平均が前日比2.3%高の1万5096円03銭で引け、2007年12月以来5年5カ月ぶりの高値を付けた。
 円相場が1ドル=102円台に下落し、日本の輸出産業の業績が改善すると期待した投資家が日本株買いに走った結果だ。
 15日のニューヨーク株式市場もダウ工業株30種平均が続伸し、前日比60.44ドル高の1万5275.69ドルと、史上最高値を2日連続で更新して終了した。
 ドイツのDAX指数も0.3%高の8362.42ポイントで史上最高値を更新した。

 一方、韓国総合株価指数(KOSPI)は0.1%高の1971.26ポイントで引けたが、年初来で2.9%下落という株価低迷に直面している。

 米国、日本、ドイツで株価が連日史上最高値を更新するなど、主要国の株式市場が活況を示す中、韓国株は低迷している。

 主要国の株価と韓国株の間に乖離(かいり)現象が生じたのか。
 結論から言って、韓国企業が外部では円安、国内では内需低迷という内憂外患に苦しみ、企業業績は急激に悪化しており、そうした黄信号に気づいた外国人投資家が韓国株から資金を引き揚げている格好だ。

■円安と内需低迷のダブルパンチ

 証券情報業者のFNガイドによると、上場企業主要500社のうち、今年第1四半期(1-3月)に営業利益が予想を下回った企業は41%に達した。
 これに対し、予想を上回った企業は29%にとどまった。
 中でもGS建設は5255億ウォン(約482億円)、サムスンエンジニアリングは2198億ウォン(約202億円)という多額の営業赤字を計上し、市場に衝撃を与えた。

 米国は韓国とは正反対の状況だ。
 ブルームバーグ電によると、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表している株価指数S&P500の構成銘柄のうち、業績が予想を上回った企業は67%で、下回った企業は24%にとどまった。
 IM投資証券リサーチセンター長のイ・ジョンウ氏は
 「韓国企業の業績は、サムスン電子を除けば、第1四半期の純利益が前年同期を30%も下回ったが、米国は前年並みだった。
 企業の基礎体力の違いが株価に反映されている」
と指摘した。

 韓国企業の業績低迷は、これまで海外での価格競争力の盾となってきたウォン安が昨年下半期に終わりを告げたことが主因だ。
 ウォンの対ドル相場は昨年6月の月平均1ドル=1163ウォンから今年1月の1066ウォンへとウォン高が進んだ。
 追い打ちを掛けるように、昨年12月には日本の安倍政権がいわゆるアベノミクス(安倍首相の経済政策)を推進し、円安まで起きた。
 ウォン高、円安の進行で、韓国の輸出企業の競争力は急速に低下した。
 昨年11月末、1ドル=82円台だった円相場は、15日の東京外国為替市場では102円37-38銭で大方の取引を終えた。

 これに内需低迷も重なった。
 第1四半期の韓国の民間消費は1年3カ月ぶりに減少に転じ、マイナス0.3%となった。
 4月もデパート売上高が前年同月比1.6%減、ディスカウントストアの売上高が10.3%減となるなど、消費低迷が続いている。

■外国人が5200億円売り越し

 外国人は韓国株式市場で年初来5兆7000億ウォン(約5230億円)の売り越しだった。
 外国人の売り攻勢には、米投信大手バンガードの新興市場ファンドが韓国を新興国から先進国へと再分類し、投資ポートフォリオ調整のため毎週約4000億ウォン(約370億円)相当の株式を売却した影響もあったが、
 韓国企業の業績不振に対する失望売りが大勢だった。
 個人投資家の株式離れも起き、有価証券市場(メーンボード)の1日平均の売買代金は、昨年初めの5兆-6兆ウォン(約4590億-5500億円)から最近は3兆-4兆ウォン(約2750億-3670億円)に落ち込んだ。

 外国人投資家は、韓国の代わりに、年初来45%も上昇した日本株に資金をシフトさせている。
 日本の財務省によると、今年1-4月に外国人は日本株を6兆7775億円買い越した。

 大信証券のチョ・ユンナム・リサーチセンター長は
 「アジア各国を同時にウォッチしている外国人投資家の目には、日本株が韓国株に比べ相対的に魅力的だ。
 日本は攻撃的に金融緩和を実施しているのに対し、韓国はそうではないため、当然日本に投資することになる」
と述べた。
 前出のイ・ジョンウ・センター長は
 「最近中国など新興市場の不調が目立ち投資家の資金が日米に集中している」
と指摘した。

 しかし、韓国株の先行きが必ずしも悲観的ではないとの見方もある。
 大宇証券のホン・ソングク・リサーチセンター長は
 「韓国の株価上昇率は低く、世界的に見て相対的に割安感が生じている。
 円安も日本国内の物価が上昇すれば持続できないため、永遠に続くわけではない。
 結局は外国人が再び韓国株に注目するのではないか」
と予想した。



 


【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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