2013年5月1日水曜日

先端素材の世界シェア1.8%、大きく遅れる韓国

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/01 12:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/01/2013050100889.html

先端素材の世界シェア1.8%、大きく遅れる韓国

高付加価値の先端ハイテク素材の輸出市場で、韓国の世界シェアは1.8%にすぎないことが分かった。
高い生産競争力で韓国の輸出規模は昨年、世界6位に成長したが、
産業を支える素材技術力では主要国に大きく遅れている。
このため、専門家は素材と部品の競争力を高められなければ、必然的に産業構造は弱いままで、技術分野では従属国にとどまりかねないと懸念している。

本紙と現代経済研究院が昨年の各国のハイテク素材輸出額に基づき、世界の輸出市場におけるシェアを分析した結果、輸出市場全体の規模3940億5000万ドル(約31兆2000億円)に対し、韓国の輸出額は70億8600万ドル(約5600億円)で、全体の1.8%を占めるにとどまった。

調査対象は64品目で、
 経済協力開発機構(OECD)が米国、日本、ドイツ、イタリア、スウェーデン、オランダの6カ国で生産されている素材のうち、
 研究開発投資の割合が高い素材を選び出したものだ。
例えば、液晶テレビや携帯電話端末などに使われるフレキシブル回路基板の原材料となるポリイミドフィルムなどが対象に含まれている。

韓国のハイテク素材のシェアは、2000年(1.8%)から12年間、全く向上していない。
一方、技術大国のドイツのシェア(12.6%)は韓国の7倍だ。
米国(9.9%)、日本(5.4%)も韓国を大きく上回っている。
特に最近、部品・素材分野への投資を増やしている中国のシェアは6.9%に急成長し、韓国の3.8倍に達した。
2000年時点で中国のシェアは3.4%だったが、倍に成長したことになる。

韓国ではハイテク素材の対日依存度が上昇を続け、
 日本からの輸入割合が2000年の43.5%から昨年には57.8%に上昇したことが分かった。
日本からのハイテク素材輸入額は00年の10億ドル(約790億円)から昨年は58億ドル(約4600億円)に増えた。

一方、108品目を対象に調べた部品市場では、世界の輸出市場に占める韓国のシェアが5.8%で、素材よりは高かった。
しかし、米国(8.9%)、日本(7.5%)、ドイツ(7.3%)にはやはり及ばない。

現代経済研究院のチョ・ギュリム研究員は
素材産業は技術格差により、参入障壁が高い産業だ。
製造業種の大半で開発途上国との格差が縮小する中、韓国は素材競争力を高めなければ、中進国のジレンマに陥りかねない」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/01 12:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/01/2013050100892.html

液晶パネル大国・韓国、重要部品の国産化率ゼロ



韓国は液晶パネル大国だ。
2000年代半ば以降、10年近くにわたり、世界の液晶パネル市場で首位に立っていたのは、サムスン電子かLGディスプレーだった。
両社による液晶パネルの輸出額は今年30兆ウォン(約2兆1700億円)を超える見通しだ。

しかし、その内情を見ると、依然として「砂上の楼閣」だ。
サムスン電子、LGディスプレーが生産する液晶パネルの国産化率は70%に届かない。
特に一部の重要部品は国産化率がゼロのケースも多い。
例えば、液晶は独メルク、日本のチッソなどから全量輸入している。
液晶を覆うガラス基板の前後に貼り付ける偏光板は富士フイルム、コニカなど日本企業に頼っている。

韓国ディスプレー産業協会のチェ・ヨンデ常務は
「韓国は15年遅れで液晶パネル産業に参入し、日本に追い付いたが、素材・部品の競争力ではまだ開きが大きい」
と指摘した。

韓国が10年以上にわたり世界首位を守っている造船分野の重要技術も不足している。
韓国の造船会社が今後の成長分野と位置付ける海洋プラントの場合、石油掘削船に搭載するドリリングパッケージはノルウェーと米国からの輸入だ。
ドリリングパッケージの価格は1億ドル(約80億円)に達する。
石油掘削船1隻の価格が5億-10億ドル(400億-800億円)だということを考えると、
その10-20%が外国企業からの輸入に充てられている計算だ。

韓国企業はこれまで製造技術を中心に、組み立て、完成品分野で世界市場を急速に拡大してきたが、産業の根の部分に当たるハイテク素材・部品の競争力は大きく後れを取っている。

■ハイテク素材・部品の海外依存

韓国政府は2000年代初めから素材・部品の海外依存から脱却するため、特別法まで制定して支援を行ってきた。
01年から約2兆ウォン(約1450億円)を投じ、部品の国産化率を高めてきたことも事実だ。
世界市場を狙う部品メーカーも増えている。
しかし、ハイテク素材、部品の競争力は依然として弱い。

世界5位に浮上した自動車産業も例外ではない。
自動車の機械部品の国産化率は98%に達するが、変速機、エンジンなどの機械装置に使われるベアリングの大半はドイツ、日本の企業から輸入している。
自動車の電子装置の国産化率も低い。
業界関係者は
「自動車1台の電子装置に使われる半導体は250-400個程度だが、
 韓国で開発された半導体は3-4%にすぎず、
 残りはドイツ、米国、日本から輸入している」
と説明した。

素材部門の状況はさらに深刻だ。
最近韓国が世界首位に浮上した2次電池でも素材の海外依存が目立つ。
サムスンSDIとLG化学は世界の2次電池市場でそれぞれ1位、3位だが、リチウム2次電池に使われる正極材料、負極材料、電解質、分離膜は大半を海外からの輸入に頼っている。
特に正極材料の大半は日本からの輸入だ。

半導体部門でも、サムスン電子とSKハイニックスが世界のメモリー半導体需要の半分近くを供給しているが、
半導体製造に使われるウエハー、金線などの重要素材は80%近くを日本から輸入している。

化学繊維分野では、防弾服に使われるアラミド繊維の原料となる素材を中国と日本から全量輸入している。
航空機、スポーツ用品に使われる炭素繊維は素材の国産化率が5%にすぎない。
素材の対日依存度が高まり、素材部門の対日貿易赤字は2001年の44億ドルから昨年の119億ドルへと10年間で3倍近くに増えた。

■生き残りには技術確保が重要

素材・部品の技術競争力確保は、企業の生き残りと直結した課題として浮上している。
米化学大手デュポンと韓国のコーロンインダストリーがアラミド繊維の技術をめぐり争った訴訟で、米裁判所が今年8月末、デュポン勝訴の判決を下したことが代表例だ。
裁判所はコーロンに1兆ウォン(約720億円)の賠償を命じる一方、今後20年間にわたりアラミド繊維の生産と販売を禁止する判決を下した。
米国の保護貿易主義の流れも背景にあるが、基本的には基礎技術の確保でコーロンが遅れていることが原因だ。

産業研究院の張允鍾(チャン・ユンジョン)成長動力産業研究センター長は
「ハイテク素材の重要基礎技術の確保が産業の未来を左右する時代だ。
国家レベル、企業レベルでの備えが求められる」
と述べた。
高麗大の陳政一(チン・ジョンイル)碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は
「重要な基礎技術の確保は今後の企業の生き残りに向けた課題だ」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/02 12:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/02/2013050201272.html

急成長する中国の素材・部品産業、レアアースが強み

最近中国は政府の強力な育成政策により、素材・部品分野で大国へと浮上している。
中国は2010年に米国、日本を上回り、世界1位の素材・部品輸出国となった。素材・部品市場での世界シェアは、01年には4.0%だったが、10年には11%まで上昇した。
これは広く使われる汎用(はんよう)品を全て含めた数字だ。
サムスン経済研究所は
「低価格の製品を生産する『メード・イン・チャイナ』の時代は過ぎ、
 中国製部品の使用が増える『チャイナ・インサイド』の時代が訪れた」
と評した。

中国は今後、先端新素材の開発で自動車、IT分野の競争地図を完全に塗り替えることを狙っている。
産業波及効果が大きい先端素材産業に力を集中させ、主要国との技術格差を一気に縮める構えだ。
中国政府は20年までに代替エネルギー、高分子、IT分野で30種類の新素材を開発し、重要産業へと育成する戦略を立てている。

中国が自信を見せる背景にレアアース(希土類)の存在を挙げる分析もある。
レアアースは電気自動車、風力発電など低炭素グリーン成長、次世代のIT製品開発には不可欠の資源だ。
中国は全世界のレアアース埋蔵量の50%を保有しており、2010年現在で全世界のレアアース生産量の97%を占めている。

慶熙大中国経営学科の全炳瑞(チョン・ビョンソ)教授は
「ハイテク部品・素材分野で1段階上の技術を持つ日本と追い上げを図る中国に挟まれ、韓国はサンドイッチ状態から脱することができずにいる」
と指摘した。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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