2013年5月7日火曜日

経済活力高まる日本、失う韓国:円安効果で勢いづく日本の製造業界

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/07 13:28
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/07/2013050701409.html

日本のCEOら「政府支援あれば韓国に勝てる」
「韓国の電子メーカーの黒字は為替など80%が対外的要因」

 日本の企業家たちは、日本政府が政策を転換するだけで
 韓国に遅れを取っている電子やコンテンツ分野の輸出でも
 「打倒韓国」が可能になる
と話している。

 東レの榊原定征・代表取締役会長は今年1月、産業競争力会議で
 「韓国電子メーカーの黒字は為替レートなど80%が対外的要因による。
 日本の3大電子メーカーが大幅な赤字を計上し、韓国の電子メーカーは黒字を計上したが、これは両国が同じ条件で競争していないから」
と分析した。
 次いで
 「韓国は日本に比べて投資関連のコストが少なくて済むため、税制上の優遇措置を受けている」
と話し、日本の企業が直面した六重苦の解消を日本政府に要求した。
 六重苦とは、
1.円高、
2.高い法人税率、
3.重い人件費負担、
4.環境規制の強化、
5.自由貿易協定(FTA)への対応の遅れ、
6.電力不足
をいう。

 楽天の三木谷浩史・代表取締役会長兼社長は会議で
 「日本はTOEFL(英語を母語としない人のための英語能力試験)の点数が韓国に比べて平均10点ほど低い」
と話し、英語教育の強化を主張した。
 また、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は
 「コンテンツを輸出するために韓国は関連予算を増やし、政府の部署間の障壁を飛び越える組職を持っている」
とし、日本ドラマなどの輸出を拡大していくためには何よりも政府の支援が必要だということを説いた。

 これを受け、日本政府は企業のインフラ輸出の支援に向け、海外に輸出する際も円借款を提供し、金利も引き下げることにした。
 韓国では忌み嫌われている「官民合同」の支援政策が、日本では経済復活の鍵として評価されているというわけだ。



記事入力 : 2013/05/07 13:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/07/2013050701393.html

円安効果で活気づく日本の製造業界

 群馬県太田市にある日野自動車の工場を訪れた。
 工場脇の空き地では、重機が白いほこりを上げながら敷地を掘り起こしていた。
 トラック・バスを生産する同社は、殺到する注文に対応するため、160億円を投資し、工場の拡張に着手した。
 同社のテヅカ・ヒデノブさんは
 「国内での工場拡張には円安が追い風になった」
と話した。

 日野自の工場から車で20分の距離にある富士重工業の大泉工場は、久しぶりに工場をフル稼働している。
 新車発売と円安の効果で、輸出が急増したためだ。
 同社のタベイ・ヨシアキさんは
 「注文が殺到し、一部の生産ラインは24時間稼働している」
と説明。タクシー運転手のカメヤマ・ミチオさんは
 「工場の夜間操業が増え、夜にタクシーを利用する従業員が増えた。
 夜勤者をタクシーに乗せるのは何年ぶりか思い出せないほどで、久しぶりに地域の景気が回復している」
と話した。

 三洋電機のリストラなどで地域経済が大打撃を受けた大泉町は、最近の円安でにわかに活気づいている。
 工場の稼働率が高まり、臨時雇用の従業員も急増した。
 宿泊施設や飲食店も混み合っている。
 工場周辺には新築中の住宅、倉庫が目立つ。賃貸住宅のレオパレス21のハヤシ・マサアキさんは
 「派遣労働者の宿泊先を探す問い合わせが増えている」
と説明した。

 アベノミクスが円安をもたらし、円安が企業の業績を向上させ、投資を誘発するなど、日本経済は徐々に活力を取り戻している。

 広島と山口にあるマツダの工場では、押し寄せる注文に対応するため、休日も従業員が出勤している。
 4年連続赤字という販売不振に苦しんだマツダは、2月の輸出が前年同期に比べ23%増加した。
 国内生産が70%を占めるマツダは、円高による直撃を受け、2012年3月期の最終損益が1077億円の赤字となった。
 しかし、昨年後半からの円安に支えられ、13年3月期は大幅な営業利益が見込まれる。
 株価は1年間で3倍に急騰した。

 日本経済新聞によると、長年の累積赤字に苦しみ、企業再生手続きの途上にある半導体メーカー、エルピーダメモリにも注文が殺到し、24時間フル稼働状態だという。
 円安で価格競争力が回復し、同社には世界各地からの注文が殺到しているが、対応し切れずに注文を断ることもしばしばだという。
 日立、東芝、ソニーが韓国企業に対抗して設立した小型液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイは、当初赤字が予想されたが、3月期決算は円安効果で30億円程度の黒字を計上した。

 円高による輸出競争力の低下で、国内の生産設備の海外移転を急いできた企業も、円安で計画を見直している。
 日産は円高のため、九州工場で生産していた「ムラーノ」などの生産ラインを米国に移すなど、国内生産を20%削減する計画だった。
 しかし、円安で国内生産でも輸出競争力を維持できると判断し、計画を見直している。
 ホンダ、トヨタも円安を受け、国内での生産削減計画の撤回を検討している。
 ホンダは7月に埼玉・寄居工場を稼働するために、大詰めの工事を行っている。
 2007年に着工したが、不況で完成が遅れていた。

 円安が続けば、日本の輸出企業の業績も大幅改善が見込まれる。
 大和証券は、円相場が1ドル=100円で推移すれば、主要企業の経常利益が前年比で45%増加すると予測した。
 企業は円高期に骨身を削るコスト削減に努めたため、円安のメリットは、予想よりもはるかに大きいとの見方だ。

 円安の影響は観光業など社会全体にも広がっている。
 円安が本格化した2月に日本を訪れた観光客は、前年同月比33%増の73万人に達した。
 特に韓国人観光客は38%増加した。
 一方、韓国を訪れた日本人観光客は28%減少した。
 消費心理が回復し、不動産販売や百貨店売上高も大きく伸びている。
 日本の不動産経済研究所が最近発表した3月の首都圏のマンション新規販売戸数は、前年同月を48%上回った。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/07 13:17
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/07/2013050701386.html

経済活力高まる日本、活気失う韓国

 かつて、危機のさなかにも無気力だった日本政府が、大胆な経済政策で日本列島に活力を吹き込んでいる。
 一方、韓国は7四半期連続で0%台の成長を続けているにもかかわらず、早急の対策が講じられることもなく朴槿恵(パク・クンヘ)政権の発足から2カ月が過ぎた。

 4月19日に米国ワシントンで閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、韓国と日本の全く異なるムードを象徴的に示した。
 G20は
 「日本政府の政策はデフレを止め、内需を支えることを意図したものだ」
と日本の肩を持ち
 「人為的な円安が周辺国に被害を与える」
という韓国の主張を聞き流した。
 円安政策を取る日本のアベノミクスは、今や国際社会からも容認されたことになる。
 G20会議の前には1ドル=95円ほどだった円相場は、会議直後に1ドル=99円台まで円安が進んだ。
 100円突破は今や時間の問題だといわれている。

 日本の株式市場を活性化させたアベノミクスは、実体経済にも波及効果を与えている。
 日本の3月のデパート売上高は前年同月比で3.9%増加。
 7年ぶりの3カ月連続増となった。
 また、同月の首都圏のマンション発売戸数も同48%増加した。
 減少していた就業者数も、今年に入り毎月16万-17万人(前年同月比)ずつ増えている。

 日本の政府、与党、中央銀行、企業は一枚岩となり、企業投資の促進に向けた「官民合同の大胆な政策」を次々に打ち出しており、大都市に投資する外資系企業への税制優遇、雇用制度の改革などが進められている。
 安倍内閣の支持率は、発足当初の昨年12月末には65%だったが、先の調査では74%に上昇した。

 これに対し、韓国は「失われた20年」と批判された日本の前轍(ぜんてつ)を踏んでいるかのようだ。
 経済からは活気が失われ、自信も感じられない。
 日本の株価が今年に入り28%上昇したのに対し、韓国総合株価指数(KOSPI)は逆に4.5%下落した。
 デパートの化粧品売上高も1-3月期は減少し、就業者数の増加幅も大きく鈍化した。
 設備投資の前年同期比増加率は10カ月連続でマイナスを記録している。

 米国経営コンサルタント大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーは先の報告書で、こうした韓国経済を
 「徐々に熱くなる湯の中にいるカエル」
と表現した。

 経済部処(省庁)の元長官は
 「韓国経済が活路を見いだせずにいるにもかかわらず、朴槿恵政権は2カ月たった今も明確なアクションプランさえ立てていない」
と批判している。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/07 13:23
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/07/2013050701400.html

安倍政権の「産業競争力会議」が打ち出す驚異的な政策
地下鉄の24時間運行、「準正社員」制度創設など
企業が望む政策を実行する代わりに、企業に投資を要請

 日本の安倍晋三首相は就任するや否や、首相直属の「産業競争力会議」を設置した。
 日本経済の真の復活は、産業の競争力の確保なくしては不可能だとの考えから設置した専門家会議だ。
 同会議の特徴は、住友商事やみずほフィナンシャルグループ、ローソン、武田薬品工業、東レといった、日本を代表する企業の最高経営責任者(CEO)の主導により政策を立案するというものだ。
 CEOたちは雇用制度や立地をめぐる競争力の強化、エネルギー、イノベーションなど七つのテーマ別会合を行い、政策提言書を提出している。
 これまでに6回の会議を行ったが、そこで立案された政策は驚異的なものだ。

 代表的なのは、いわゆる「アベノミクス」の戦略特区だ。
 日本はこれまで、地方の均衡ある発展を図るという観点から、地方都市に特定の制度を適用したことがある。だが、産業競争力会議に参加するCEOたちは、企業が投資を望む東京や大阪などの大都市を「アベノミクス戦略特区」に指定し、税制や雇用などの面でメリットを与えるべきだ、と提案した。
 夜間のビジネスの機会を拡大することや、観光客を誘致するため、地下鉄を24時間運行することなども提言している。

 CEOたちは急増する非正規雇用者(パートタイマー、契約社員など)の問題をめぐり、正社員と非正規雇用者の間に「準正社員」という新たな雇用形態を導入することを提案した。
 政府が企業に対し、正社員を増やすよう指示したところで、現実的には容易でないことから、ある程度雇用を保障しながら、昇任を制限するという、妥協案を打ち出したのだ。
 安倍首相はCEOたちの提言を政策に反映させることを約束した。
 インターネットでの医薬品販売の拡大や、医薬品の臨床試験の手続きの簡素化などは、すでに法制化が進められている。

 安倍政権の産業競争力会議は、日本企業の投資を促進するための戦略と評価されている。
 安倍政権はこれまでの発想を転換し
 「企業が望む政策を実行する代わりに、企業は投資を増やしてほしい」
という姿勢を打ち出したというわけだ。
 同会議に参加している企業関係者たちは先頭に立って賃金の引き上げを実行している。
 ローソンの新浪剛史社長は、安倍首相が
 「景気回復のため、企業の賃金引き上げが必要だ」
と要請したのに対し、日本企業の中で真っ先に、賃金を平均3%引き上げることを宣言した。

 一方、経済財政諮問会議には、日本銀行総裁のほか、三菱ケミカル社長など企業関係者たちが参加している。
 日本の政治家や中央銀行、企業、官僚が一団となり、共通の目標に向かって前進しているというわけだ。




朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/08 13:18
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/08/2013050801183.html

円安効果でトヨタに恩恵、強くなった日本企業

 「円相場が100円になれば、日本の鉄鋼メーカーも韓国や中国のメーカーと競争可能だ」(UBS証券アナリスト・山口敦氏)

 「円相場が100円以下では日本の製造業は維持が不可能だったが、これから企業は積極的に海外市場を攻略すべきだ」(古森重隆・富士フイルム会長)

 円相場が1ドル=100円を目前とする水準まで下落し、日本では企業の復活に対する期待感が高まっている。

 円安で最も恩恵を受ける自動車だけでなく、鉄鋼、機械部品も腕まくりをして「これで韓国と渡り合える」と戦意を燃やしている。
 日本の証券各社は、日本企業は円高で鍛えられているため、円相場が100円で推移すれば、経常利益が前期比で30-40%増加するとの予想を相次いで示している。
 しかし、日本企業は円安による好況に沸き立たず、むしろ手綱を締め直している。
 今回のチャンスを確実に生かし、再び訪れるかもしれない円高局面に備えようという考えがあるからだ。

■新興市場攻略の契機に

 昨年の世界市場で販売トップの座を回復したトヨタは、これまでのコスト削減努力が奏功し、10円の円安で年間7000億円の増益効果が見込まれる。

 しかし、トヨタ労組は今年3月の賃金交渉で、円安は進んでいるものの、国際競争が激しく、今後の事業見通しが不透明だとして、ボーナスの引き上げのみを求め、基本給引き上げは要求しなかった。
 2007年以来の好業績が期待されるトヨタは、むしろ危機意識を強調し、組織再編を断行した。
 開発途上国の攻略を目的として「第2トヨタ」という事業ユニットを設けた。
 韓国の自動車メーカーが強い新興国市場でも確実にトップの座を勝ち取るためだ。

 ホンダが今年7月に完成させる埼玉・寄居工場は、新興国向けの実験工場と位置づけられている。
 コスト削減と品質向上のためのさまざまな工程を試し、来年以降に完成するメキシコとタイの工場に応用する方針だ。

■韓国に対抗するため経営統合

 これまで日本の国内市場で激しい競争を展開してきた日本企業は、経営統廃合などにより、海外進出を目指している。
 鉄鋼業界最大手の新日本製鉄と3位の住友金属が昨年合併した。
 両社が手を携え、海外に進出することが狙いだった。
 ユニバーサル造船とIHIマリンユナイテッドが統合したのに続き、造船・重機で業界2位の川崎重工業と5位の三井造船も合併交渉を進めている。
 読売新聞は両社の合併理由を「コスト削減で韓国企業に対抗するため」と伝えた。
 日立、東芝、ソニーが小型液晶パネル事業を統合したのも、韓国企業に対抗するためだった。

 昨年の円高不況にもかかわらず、日本企業は海外で企業の合併・買収を過去最大規模で進めた。
 件数は前年比13%増の515件で、バブル期の1990年(463件)を上回った。
 LG経済研究院のイ・ジピョン首席研究委員は
 「円高を生かした買収・合併が日本企業の競争力改善に大きく役立つのではないか」
と指摘した。

■官民合同で輸出支援

 日本政府が韓国を参考にした「官民合同」の支援体制により、企業の新興国進出が加速しそうだ。
 日本政府は今年2月、内閣官房に「健康・医療戦略室」を設置し、日本企業の医療関連設備・サービスの輸出を全面的に支援することを決めた。
 日本は官民合同のインフラ受注でも韓国をモデルにした。
 最近トルコが発注した原発の受注競争でも日本のコンソーシアムが韓国と中国の企業を破り、最終交渉対象者に選ばれた。
 韓国が2009年にアラブ首長国連邦(UAE)の原発を受注したことに衝撃を受けた日本は、大統領まで乗り出して総力戦を展開した韓国の戦略に及ばなかったと判断し、日本企業の原発輸出を政府が全面的に支援してきた。
 日立はリトアニアで、東芝はフィンランドでそれぞれ原発受注に向けた大詰めの交渉を行っている。

 安倍晋三首相は先月29-30日にロシアを訪問した際、企業関係者50-60人を同行させた。
 日本企業のロシア進出を支援するためだ。
 韓国では見慣れた光景だが、日本では異例のことだ。
 日本が韓国を研究し、ベンチマーキング(他の優れた点を学び、それを基準に業務などを改革する手法)した結果だ。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/08 13:19
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/08/2013050801185.html

消えた日本政府と日銀の確執、民間専門家も円安歓迎
金融緩和・通貨量増加に向け団結

 20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁が今回、日本の円安政策に免罪符を与えたのは、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)と日本政府が事実上、一体でありながら徹底して役割分担し、対応しているからだ。

 日本政府が財政を通じ金融緩和に乗り出す一方、日銀は景気浮揚を掲げ通貨供給量を増やすことにより事実上の円安誘導政策を行っている。
 かつては円高になると、日本政府(財務省)がドルを買うことにより為替レート市場に介入、国際的な非難を招いた。
 過去20年間にわたり日本の景気が力を失っていたのは、景気浮揚を掲げる日本政府と物価安定を優先する日銀が事あるごとに対立してきたためだ。
 東日本巨大地震後に円高が進んだのを受けて財務省が為替レート市場に直接介入したものの、日銀は「中央銀行の独立性」を盾に傍観の立場を貫いたことがその代表的な例といえる。

 日銀だけでなく、日銀の政策を決定する民間専門家(審議委員)たちも安倍晋三政権になってからは事実上、政府と一体となったといわれている。
 日銀の黒田東彦総裁は4日、通貨供給量を2年で2倍にするなど破格の金融緩和政策を発表した。

 民間専門家は安倍首相の政策に批判的だった白川方明総裁時代に任命され、これまで金融緩和に消極的だった。
 このため、民間専門家が黒田総裁の積極的な金融緩和論を採用することになれば、これまで自分たちの決めてきた政策が誤っていたことを自ら認める形になる。

 そのため、市場では少なくとも民間専門家のうち1-2人が反対するだろうとの見通しが優勢だった。
 ところが、いざふたを開けてみると、民間専門家は黒田総裁の金融緩和を満場一致で承認した。
 金融緩和に否定的な民間専門家でさえ株価急騰・円安により高まった国民の期待に背くのは難しいと判断したのだ。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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