2013年5月15日水曜日

無策の韓国政府:円安に為替介入もできずに立ち尽くすだけ

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/15 08:59
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/15/2013051500520.html

円安:為替介入できず、無策の韓国政府

 ウォンと円は直接交換する市場がない。
 ウォン・円の為替相場はウォンと円の対ドル相場で自動的に決定する。

 ウォンは対円で急騰しても、韓国政府がこれといった対策を取れないのはそのためだ。
 両国の通貨価値を直接決定する市場がない以上、政府による直接介入は不可能だ。
 対ドルでウォンの価値が過度に変動した場合には、政府がドル売り、ウォン売りといった形で市場介入を行うこともできるが、円安にはそうした対処方法がない。

 為替当局の関係者は
 「ウォン・円相場を調整するためには、ウォン・ドル市場、ドル・円市場に同時に介入しなければならないが、それは不可能だ」
と述べた。

 韓国政府内部には、債券取引税など強力な規制で為替市場を安定化させるべきだとの主張も一部ある。
 しかし、そうした措置は為替相場の変動性を軽減できても、為替水準を変化させることはできない。
企画財政部(省に相当)関係者は
 「為替健全性規制の強化やノンデリバラブル・フォワード(NDF)規制も円安対策にはなり得ない」
と指摘した。
 ただ、幸いなことは最近、ドルが対ウォン、対円で同じ方向に動いていることだ。
 企画財政部の関係者は
 「円ほど急速ではないが、ウォンも最近は切り下げ局面にあり、ショックが軽減されている」
と指摘した。

 為替相場に直接影響力を行使できない以上、韓国政府の対策は円安で被害を受けた企業に対するミクロ的な支援しかない。
 既に韓国政府は4月初め、輸出企業に対する資金支援を骨子とする円安対策を発表している。
 しかし、こうした支援は規模が拡大すると、世界貿易機関(WTO)から不公正な支援行為だと指摘される可能性が高い。

 経済専門家は
 「結局は企業自らが競争力を高める以外に解決策はない」
と指摘する。
 鄭徳亀(チョン・ドック)元産業資源部長官は
 「欧米攻略のためにウォン安政策を取った李明博(イ・ミョンバク)政権当時とは異なり、今回の円安は結局、
 韓国経済の体質改善以外にこれといった答えはない」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/15 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/15/2013051500516.html

韓国経済を苦しめる「第3次円安」

 昨年10月以降に本格化した円安は、1980年代後半、2004年に起きた「第1次」「第2次」の円安よりも急速に進行している。
 過去の円安期には世界経済が好況で、韓国経済への影響は小さかったが、
 今回の「第3次円安」は世界的な景気低迷と重なり、韓国経済の危機脱出をさらに難しくしている。

 14日のソウル外国為替市場の円相場は100円=1089ウォンとなり、ウォン高・円安が始まった昨年10月1日(1430ウォン)に比べ、円が24%下落した。
 下落幅は第1次円高が起きた1988年6月からの半年間(9%)や日本の長期不況でウォン高・円安が進んで2004年11月から半年間(11.7%)の2倍以上となっている。

 今回の第3次円安は、過去とは比べ物にならない嵐を呼びそうだ。
 世界的な景気低迷と円安が同時に起きるのは、韓国経済が初めて経験する状況である上、これまでとは異なり、現在は自動車、鉄鋼、半導体など、日本と世界市場で競合する品目が増えたためだ。
 日本企業は円安を追い風にして、海外市場を攻略するため、輸出製品の価格を引き下げている。

 未来アセット証券によると、日本企業の輸出製品の単価(ドル建て)は、円安効果で昨年11月から今年3月末までの期間に「平均5%低下」した。
 一方、同じ期間に韓国の輸出製品の単価は日本の10分の1の0.5%低下するにとどまった。

 ウリ金融経営研究所は、対ドルでウォン、円がそれぞれ1100ウォン、100円の水準を維持すれば、韓国の製造業の営業利益が今後1年間で9兆ウォン(約8270億円)減少すると試算した。

 IM投資証券のイ・ジョンウ・リサーチセンター長は
 「第3次円安は同じ市場で争う韓日を崖っぷちでの対決へと追い込んでいる。
 日本企業が円高期に骨身を削る自助努力で競争力強化に取り組んだように、
 韓国企業も為替にだけ依存せず、長期的な視点で競争力を高めるべきときが来ている」
と指摘した。


 奇形構造化してしまった韓国経済では取り組む方法がない。
 生産業を1社2社に寡占して、その輸出競争力だけを高めてきた経済とそれをさせる形になってしまった経済構造をどう立て直せるだろうか。
 対策の選択肢がない。
 残された対策というのは中国に丸抱えしてもらうことしかない、というこである。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/05/15 08:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/15/2013051500518.html

円安:1ドル=110円なら韓国製造業で2.4兆円減益

 昨年末から本格化した「第3次円安」で韓国経済にも暗雲が広がっている。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは
 「韓国が今回の円安による最大の被害国だ」
と警告した。
 韓国は1980年代後半(1988-90年)、2000年代半ば(2004-07年)にも円安を経験した。
 しかし、今回の第3次円安は、韓日両国の崖っぷちでの生き残り競争を招いた点で過去とは根本的に異なる。
 経済専門家は第3次円安が過去と比べ三つの点で異なると説明する。

1]..世界的な景気低迷期に起きた円安

 韓国に初めて影響を与えた円安は、1988年から1990年にかけてのことだ。
 当時は日本経済のバブル崩壊で円安が始まった。
 一方、韓国経済は原油安、ドル安、低金利でウォン高となった。
 当時の世界経済の成長率は、1988年の4.5%から1990年の3.2%へと一時的に鈍化したが、今回のように2008年以降、6年連続で不振の世界経済とは状況が異なった。

 第2次円安期の04-07年には、日本が超低金利を維持し、円資金が海外に流出したことで起きた。
 当時は世界経済がIT(情報技術)バブル崩壊を乗り越え、持続的に成長していた時期だった。
 世界経済は年4.5-5.4%成長した。世界経済の好況を追い風にして、韓国の輸出は円安環境でも急速に伸びた。

 つまり、過去2回の円安期には世界経済が成長を維持しており、円安そのものによる影響は限定的だった。

 しかし、第3次円安は世界的な景気低迷の中で日本がデフレからの脱却を目指し、人為的につくり出したものだ。
 韓国経済は成長率が8四半期連続で0%台にとどまるなど、低成長基調に陥る兆しを見せている。

2].輸出市場で激突する韓日

 過去の円安期とは異なり、世界の輸出市場での韓日両国による直接競争はさらに激しさを増した。
 過去には日本と韓国で技術格差があったため、輸出製品の性格が異なり、直接競争による衝撃はそれほど大きくなかった。
 産業研究院の報告書によると、90年代半ばの日本の輸出上位5品目は、電機・電子(輸出全体の31.3%)、自動車(17.8%)、機械類(17.2%)、精密機器(6.4%)、化学(5.8%)で、これら品目が円安の恩恵を受けた。
 これに対し、同じ時期の韓国の輸出上位5品目は、電機・電子(34.3%)、繊維(14.2%)、自動車(7.5%)、鉄鋼(6.4%)、機械類(6.1%)だった。
 円安で電機・電子、自動車、機械類には被害があったが、自動車と機械類はまだ輸出に占める割合が低かった。

 その後、韓国が日本の技術レベルに追い付き、現在両国は同じ市場で激突している。
 両国の輸出品目を見れば、どれだけ直接競合関係にあるかが分かる。
 輸出競合度(1に近いほど激しい競争関係にある)という指標で見ると、両国の競合度は90年代半ばは0.410前後で推移していたが、07年には0.461に上昇。
 昨年1-11月には0.481となった。
 言い換えれば、両国の輸出品目のほぼ半分が重複しているということだ。

 ウリ金融経営研究所の分析によると、円安が加速し、対ドルでウォンと円が1000ウォン、110円となれば、韓国製造業の営業利益は今後1年間で26兆ウォン(約2兆4000億円)減少すると推定される。

3]..円安で国際協調期待できず

 主要国は今回の円安を事実上黙認しており、韓国と共に円安に対処する「友軍」の出現を期待できない。
 欧米は既に日本と似た量的緩和策を取っており、円安政策が世界の景気回復にプラスになるならば、それを抑止する必要はないとの立場だ。

 このため、主要7カ国(G7)、主要20カ国・地域(G20)の会合でも、アベノミクス(安倍首相の経済政策)にこれといった警告を発しなかった。
 過去の円安局面でG7が対応に乗り出したのとは状況が異なる。

 モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の指数によれば、日米の株価は今年に入って15.5%上昇したのに対し、日米以外の世界の株価上昇率(ドルベース)は8.4%の上昇にとどまっている。

 英紙フィナンシャル・タイムズは最近
 「米国経済が再び減速するか、アベノミクスによる日本経済の活性化が期待されたほどではないことを示す証拠が出てくるまで、このトレンドの継続を阻止する材料はほとんどない。
 日米はタンゴを踊り続ける(円安を容認する)ことができる」
と分析した。

 このほか、金融市場でも直接韓日がぶつかっている。
 以前は日本が先進市場、韓国は新興市場だった。
 しかし、世界的な金融危機以降、韓国がFTSE指数(ロンドン株価指数)など先進国の株価指標に組み入れられ、資本市場でも韓国は日本と同じ先進経済圏に加わった。
 韓国の株式市場は年初来2.4%下落したが、同じ期間に日本株は42%上昇した。
 韓国に流入していた外国人資金が好調な日本株にシフトした影響だ。


 「日本は韓国を叩き潰す」方向で動いている。
 スワップ協定を自ら破棄した韓国に経済的に支援する義理はなくなっている。
 とすれば、ライバルとなった韓国は「叩き潰す」しかない。
 つまり、韓国がどうなろうと知ったことではない、ということになってしまっている。
 韓国は外からのサポート援助を期待できず、自力でこの危機を克服しないといけなくなってしまっている
 日本という国を相手に回してどういう対策がとれるのだろうか。
 これからの韓国の動きにとても興味がある。


JB Press 2013.05.15(水) Financial Times 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37782

円安を怖がっているのは誰か?
(2013年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●円安進行が世界の注目を集めている〔AFPBB News〕

 日本の貿易相手国の間では、日本の金融緩和が円相場にもたらしている影響について不満を示すことが事実上の決まりになっている。

 しかし、本紙(英フィナンシャル・タイムズ)の新興国ブログ「beyondbrics」の今週のチャート*1を見れば、日本を最も声高に批判している国が最もダメージを被っているとは限らないことが分かる。

■円安・ウォン高に懸念示す韓国だが・・・

 例えば、今年になって開催された主要20カ国・地域(G20)の会合で、韓国政府の高官は円安が自国の輸出業者に及ぼす影響について懸念を表明していた。

 日本が積極的な国債買い入れプログラムを発表したのは4月初めのことだが、円相場はこの広く予想された施策が取られる数カ月前から下落していた。

 現代自動車や起亜自動車、そして韓国GM(米ゼネラル・モーターズの子会社)のトップも、韓国ウォン相場の下落を望んでいる。
 自動車業界は、外国の市場で日本企業と競争している主要セクターの1つだからだ。

 韓国の中央銀行が先週行った予想外の利下げは、日本の政策への対応でもあると解釈された。
 しかし、今年に入ってから日本円に対して高くなった通貨を上昇率順に並べていくと、
 ウォンはトップ10にすら入っていないことが分かる。

 ウォンの上昇率はわずか12%という最も低い部類に入るもので、その順位は21位にとどまるのだ。

■対円で最も上昇率が高い新興国通貨はメキシコペソ

 理屈の上では、メキシコの方が不満は強い。
 メキシコペソの今年に入ってからの円に対する上昇率は24%を超えており、新興国通貨の中では最も高いからだ。

 両者の違いは、為替市場におけるもっと大きな動きとも関係がある。
 メキシコペソは現在、新興国の中では投資家にとって最も魅力的な投資先の1つだと多方面で見なされている。
 景気が好調なこと、金利水準がまずまず高いこと、そして回復過程にある米国経済とのつながりが強いことがその理由だ。
*1=http://blogs.ft.com/beyond-brics/2013/05/13/chart-of-the-week-whos-afraid-of-the-weakening-

 だが、実を言えば、メキシコは円安の恩恵を享受している。
 生産コストの上昇に直面した日本の自動車メーカーがメキシコへの進出を加速しているからだ。

 中国の円安批判にも比較的説得力がある。
 人民元は今年に入って対円で18.7%上昇している。
 新興国通貨の中では5番目に高い上昇率だ。
 中国政府高官も円安には不快感を覚えている。

 しかしこの人民元の上昇は、厳しく管理されている人民元の対ドル相場の許容変動幅を中国の中央銀行が拡大したせいでもある。
 人民元は現在、ドルに対しては過去19年間で最も高い水準で取引されている。

■バーツ高にやきもきするタイ、輸入業者は円安にほくそ笑む?

 タイも、通貨バーツの上昇にはやきもきしている。
 今年に入ってからの対円の上昇率は2番目に高い20.7%に達しており、確かに一理あるように見える。

 しかし、輸出業者が不満を漏らす一方で、輸入業者はほくそ笑んでいるかもしれない。
 日本からタイへの輸入は、タイから日本への輸出よりもはるかに多いのだ(2012年第4四半期の実績は、日本からの輸入が134億ドルで日本への輸出が58億ドル)。

 日本は今のところ、円安を心配する必要はないと主要な貿易相手国に説き、何とか納得させている。
 円安が問題であることを発展途上国が立証したいのであれば、名目為替レート以外のものにも目を向ける必要があるだろう。

By Alice Ross
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 いまのところ、韓国は円安の影響を直接には受けていないとフィナンシャルタイムスは言う。