2013年7月25日木曜日

韓国にとって中国はワイルドカードか、それともババか?:不安な5年後

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●23日、欧米諸国の間で中国経済の先行きを不安視する見方が次々に出ている中、韓国のメディアだけは中国に対して楽観的な見方を続けている。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月25日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74660&type=0

「最大の試練」に挑む中国
韓国メディアは楽観視―中国
 
 2013年7月22日、韓国・東亜日報は
 「中国経済の急成長期はすでに終わりを告げ、厳しい冬が訪れようとしている」
とする記事を掲載し、欧米諸国の間で中国経済の先行きを不安視する見方が次々に出ていると報じた。
 中国紙・環球時報が23日付でこれを紹介した。

 ある米メディアは15日、
 「専門家が中国経済の終わりを確信する17の理由
を列挙した。
 それによると、
●.「中国国有企業の貸借対照表は業績の悪化している米国企業よりもさらにひどい」
●.「中国の貸付成長率はアジア太平洋地域で最高である」
●.「雇用成長が停滞している」
●.「不動産価格や食品価格の高騰」
などが挙げられている。また、
 英紙フィナンシャル・タイムズの経済担当記者も、中国経済のハードランディングの可能性を指摘している。

 しかし、韓国のメディアだけは中国に対して楽観的な見方を続けている。
 東亜日報は22日、中国の国内総生産(GDP)が5期連続で7%前後にとどまったことや深刻な就職難を伝えるが、その一方で
 「中国共産党はこうした事態を早くから想定しており、現状は党のコントロール内に落ち着いているという事実を見逃している」
と指摘。
 コリア・ヘラルド紙は
 「米国や日本の経済復興はいずれも特別な要因によるもので、それによって新興経済やグローバル経済を語ることはできない」
としている。


 中国が栄光の象徴であった時代は過ぎ去りつつある。
 世界はというより周辺国はそれを敏感に察知して、中国と距離を起き始めている。
 フィリッピンなど体力もないのに、まともに中国と対峙しようとしている。
 健気だとは思うが、大丈夫か、と心配してしまうほどである。
 それに対して韓国はただひたすら中国にすりよっていく。
 時代は歴史は中国から離れようとしているのに、韓国だけが逆流している。
 果たしてそれでいいのか。
 韓国にとって中国はワイルドカードなのか、それともババか


 東亜日報のこの記事を探したのだが見当たらない。
 代わりに社説を。

東亜日報 JULY 24, 2013 04:39
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013072459678

[社説]冷え切った経済 

 朴槿恵(パク・クンヘ)政府がスタートして150日が経った。
 この5ヵ月間で任期5年の経済の青写真は描かれたのか。
 就任の言葉で朴大統領は、
 「経済を復興させ、国民が幸せになる第2の漢江(ハンガン)の奇跡を成し遂げる」
と述べた。
 今、大韓民国はその道を進んでいるのだろうか。
 復興に向けた成長は現れているのか。
 現実は否だ。

 朴大統領は先月の訪中期間、北京から1200キロ離れた陝西省西安を訪問した。
 中国西部大開発の拠点である西安に建設されている三星(サムスン)電子の半導体工場も訪れた。
 投資規模8兆ウォン、共に進出する協力企業約160社を含め、予想される雇用が2万にのぼる超大型工場だ。

 西安ハイテク開発区の一帯には、「三星と手を握ってウィン・ウィンを(携手三星,合作共赢)」と書かれた多くの旗がなびいていた。
 中国を代表する「人民日報」は今月15日、
 「三星電子が完工を控え、特に安全に留意している」
と称賛する当局者の声も紹介し、工場建設に友好的な関心を示した。
 中国の中央・地方当局は、三星の投資を確定するために各種インフラと税金などで特別な配慮を惜しまなかった。

 中国は先月、習近平国家主席の訪米を機に「新大国関係」を提唱した。
 世界の秩序管理で米国と肩を並べるということだが、
 米国への追撃を予告する経済力(国内総生産)の支えがなければ夢見ることもできない挑戦だ。
 西部大開発に韓国最高の企業を誘致しようと心血を注いだのも、
 経済成長なくして中国が「大国」になることはできないためだ。

 今、大韓民国が経済成長を止めるとどうなるだろうか。
 再び何もない辺境国家に転落し、北朝鮮の脅威に耐えることも難しくなるだろう。
 「国家より国民が先」という言葉はもっともらしく聞こえるが、成長なく国の借金も個人の負債も増えていく経済なら、国民の幸福は虚構にすぎない。
 倒産の危機に追い込まれた南欧国家が物語る真実だ。

 朴大統領は11日、「投資する人々に感謝しなければならない」と述べ、規制緩和も繰り返し強調した。
 「彼ら(企業投資家)が本当に経済を活性化させ、雇用を作り、消費も刺激するなら、国の発展につながる。
 彼らが企業活動と新しい挑戦をするうえで、少しの支障もないよう政府が最善を尽くさなければならない」
という発言は模範解答だ。

 問題は政策現場の実際の状況だ。
 大統領が会議の度に、行く先々で、正しいことを言っても、言葉に命を吹き込む実践が伴わなければ、経済復興も漢江の奇跡もこだまのないスローガンで消えるだろう。
 言葉を現実に変えることができなければ、
 大統領の華やかな語録は5年ごとに大統領府のホームページから削除(delete)され「ネットの厄介者」になるだろう。

 朴大統領は150日前の就任の言葉で、
 「経済復興を果たすために、創造経済と経済民主化を推進する」
とし、
 「創造経済が花を咲かせるには、経済民主化が成立しなければならない」
と述べた。
 今、政府は振り返らなければならない。
 国家と国民の将来のために深い省察が必要だ。

 経済民主化が創造経済の実を結んでいるのだろうか。
 企業がいわゆる経済民主化法に、税務調査に、公正委の課徴金と検察の告発恐怖におののいているが、創造経済の種がまかれたのだろうか。
 人を16℃の水風呂に追い入れ、
 唇が真っ青になって身体がマヒした後に40℃の風呂に入れたところで、すぐに元気になって力が出るだろうか。
 企業も人間と同じだ。
 因果を見ない一方的な経済民主化で、「平等」を言えば創造経済になるというのか。
 「乙」のための世の中を作ると言って「甲」を圧迫したが、「乙」は生き返ったのか。

 政権の初期には政治が強くなり、政策権力も力がある。
 このような時は、政治と政策権力が刀を抜くことを最大限自制しても、企業と市場は萎縮する。国税庁、検察、公正委、監査院が長剣・短刀を取り出して振り回せば、企業が驚き、金は隠れ、消費も凍りつく。
 温気ではなく冷気が漂う経済で復興と奇跡を夢見るなら、それは虚しい夢だ。
 罪を犯していないなら、税務調査をしても、公正委が調査をしても、恐れをなすことはない。
 もしこのように追及する当局者がいるなら、次の2つに1つだろう。ありのままの経済と企業と市場を理解しようとしない独善家か、乙を思う心は最初からない偽善的な甲か…。

 政府がすべきことは、経済の複合危機を解説することではなく、危機の反転のきっかけを作るために行動することだ。
 漢江の新しい奇跡までとはいかなくても、経済温度を1、2℃上げるためには、まず経済をする心を刺激し、経済をする人々が活動できるようにしなければならない。
 病気にさせて薬を与える政府は良くない。
 「一緒に死のう」という冷笑が広がり続けるなら、大韓民国の経済は本当に危険だ。


朝鮮日報が政府よりになっているのに対して、 東亜日報も結構シビアなことを言う。
 この政府には改革を実行する器量はない。
 それ以前に、いかに改革すべきかをイメージする力もない。
 できることは、現状の奇形をそのままにいかに保持していくかである。
 しかし、それをやることすらも国内的にはできない。
 一番安易な方法は中国に擦り寄って、保証してもらうことだ。
 現政府の動きはその方向にある。
 よってこのまま、5年間を過ごしたとき、いった韓国はどうなっているのだろうか。
 不安になってくるのは東亜日報だけではあるまい。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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