2013年7月13日土曜日

韓国教育構造の奇形化:大学卒業の無職者数、300万人時代へ突入

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/13 12:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/13/2013071300660_2.html

韓国の大卒、4人に1人は「高卒採用」の仕事に
若者の64%は大卒以上、OECD平均の39%を大幅に上回る
大卒無職は309万人

 キムさん(28)は2010年、大田にある四年制私立大学の経済学科を卒業した。
 就職は容易ではなかった。翌年からは、高卒を採用することにしている企業約20社に願書を送った。
 履歴書の学歴欄には、最終学歴を高卒と記載した。
 大卒者向けの求人で落ち続けたからだ。

 キムさんは
 「最初は『高卒向けの生産職は願書さえ出せばすぐに働けるだろう』と思っていたが、いざ応募してみると、そこすら簡単ではなかった」
と語った。
 キムさんは昨年7月にようやく、専門大学(短大に相当)卒業以上なら応募できるIT(情報技術)関連企業に就職した。

 満足できる就職口を探すのが困難な韓国で、若年層の求職者が、自分の学歴よりも下の学歴しか要求されない仕事に就職するケースが増えている。
 それでも仕事が見つからないため、就職を諦める人も増え、大卒の無職は300万人を超えた。

■学歴を下げて就職する割合、OECD主要加盟国で最高

 大卒者が大半を占める青年層(15-29歳)は、深刻な就職難に直面している。
 20代の就職者数は、昨年5月以降14カ月連続で減っている。
 青年層の失業率も今年2月には9.1%となり、およそ2年ぶりに最高値を記録した。
 その後はやや下がったが、先月には7.9%となり、わずか4カ月で上昇に転じた。

 こうした状況から、大卒者が高卒と偽って就職するケースも増えている。
 職業能力開発院によると、大卒者の24%が「高卒採用」の仕事に就いているという。この割合は経済協力開発機構(OECD)に加盟する主な先進12カ国と比べると、韓国が最も高い。
 英国(18%)、フランス(15%)、日本(14%)なども高い方だが、韓国とは大きな隔たりがある。OECDの平均は9%だ。

 韓国で大卒者が「高卒採用」の仕事に就くケースが多いのは、雇用主が要求する学歴水準より高い学歴を有しているからだ。
 2011年基準で見ると、韓国の25-34歳人口のうち、大学またはそれ以上の教育を受けた人の割合は64%に達し、OECD加盟各国の中では最も高い。
 OECDの平均は39%だ。

大卒無職者300万人時代

 高卒と偽っても仕事が見つからない大卒者は、そもそも労働市場の外に押し出されてしまっている。
 現代経済研究院が統計庁の資料を分析した結果、今年の第1四半期の時点で、大卒以上の非経済活動人口は309万人に達し、過去最高を記録した。
 非経済活動人口とは、求職活動をしていなかったり、就職準備中だったり、そもそも就職に関心がない人のことを意味する。

 大卒の無職者が増える現象は、今後も続くとみられる。
 雇用労働部(省に相当)の推定では、2020年までに高卒の人材は32万人不足する一方、大卒以上の人材は50万人が供給過剰になる。

 現代経済研究院のキム・グァンソク先任研究員は
 「学歴と仕事の不一致現象を解決するためには、無条件に大学へ進学している現実を変えねばならず、また大卒者向けの雇用を多く創出すべき」
と語った。


 韓国は日本と比べて遥かに高い比率で大学へいく。
 とすれば、この不景気当然のこととして大卒者の就職は狭き門になる。
 これは産業構造の奇形化と同じような、「教育の奇形化」といっていいだろう。
 この対策は産業構造の奇形化対策と同じように難しい。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/09/05 11:12
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/05/2013090501299.html

韓国の大学進学率、4年連続で下落
高卒者の就職率は2年連続上昇

 高校を卒業後、大学に進学する人が少しずつ減少していることが分かった。
 最近、韓国社会に「まず就職、後で進学」という空気が広がり、明確な目的意識もないまま、高校卒業後に大学進学ではなく就職を選択する若者たちが、以前に比べ増えているというわけだ。

 教育部(省に相当)が4日公開した「2013年教育基本統計」によると、今年2月に高校を卒業した63万1197人のうち、大学(専門大学〈短大に相当〉を含む)に進学した人は44万6474人で、高校卒業者全体に占める大学進学率は70.7%となった。
 教育部が現在用いている大学進学率の集計方法は、毎年2月に高校を卒業する人のうち、入試に合格し大学に入学金を払った人を基準としている。
 その数を基準とした場合、1990年には27.1%にすぎなかった韓国の大学進学率は2000年に62%、05年には73.4%へと上昇の一途をたどり、09年にはピークの77.8%に達した。
 ところが、10年からは大学進学率が下落に転じ、同年には75.4%、11年には72.5%、昨年は71.3%、そして今年は70.7%と推移した。

 一方、高校卒業者の就職率は2年連続で上昇している。
 2011年に23.3%だった高校卒業者の就職率は、昨年には29.2%、今年は30.2%と推移した。韓国職業能力開発院のキム・ソンテ室長は
 「つい2-3年前まで、高校卒業後は無条件で大学に行くというのが一種の公式だったが、企業や金融機関が高卒者の採用を増やしたことで、このようなパターンが徐々に変化している。
 今は就職した後でも大学に進学できるため、高卒者の就職が以前に比べ増えている」
と指摘した。

 だがそれでも、韓国の大学進学率は今なお、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も高い。
 OECDによる今年度の教育に関する統計を見ると、
 25-34歳の人口に占める大卒者の比率は、韓国が65%で、加盟国・加盟候補国の中では最も高く、以下、
日本、カナダ、ロシア、アイルランド、英国
の順となった。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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