2013年6月24日月曜日

中国経済の成長低迷:翻弄される韓国経済

_

●朝鮮日報から


 「中国を唯一の選択肢」としている韓国にとって中国経済の成長降下はすこぶるの痛手になる。
 中国は「これから悪夢へ突入する」、と言う人もいる今日、韓国の「中国ベッタリズム」は果たしてどういう結果をもたらすのだろうか。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/24 09:26
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/24/2013062400843.html

中国の経済成長調整、韓国経済に悪材料

 中国の金融市場は先週、パニックに陥った。
 銀行間で資金を融通する翌日物金利は一時、年13.85%に達した。
 先月までは3-4%で推移していたが、一気に2桁台に跳ね上がった。
 中国の10大銀行のうち数行では、経営破綻説もささやかれた。
 北京の金融業界関係者は23日
 「銀行間金利を見る限り、2008年の金融危機並みの水準だった」
と述べた。

 中国経済は今年3月に正式に発足した習近平政権の転換期リスクに苦しんでいる。
 中国の新政権は発足と同時に、
 中国経済をこれまでの高速成長から中速成長に、経済の中心軸を輸出ではなく内需に転換することを宣言した。
 世界的な金融危機の中で、中国経済がはらんでいるバブルを取り除き、経済構造を改革する姿勢を示した格好だ。
 その直撃を受けたのが金融市場だった。

■ホットマネー断絶で銀行危機

 中国の銀行で信用収縮が起きているのは、中国政府が信用バブルを抑制するため、資金供給を抑制したことが原因だ。
 08年に金融危機が起きて以降、経済成長を維持するため、融資を増やした結果、中国の企業、家計、政府の負債は雪だるま式に膨らんだ。
 中国の融資残高の対国内総生産(GDP)比は、08年の153%から昨年半ばに183%まで増えた。
 問題は供給された資金が不動産などに流入し、バブルが発生して、物価上昇を招くという悪循環が生じたことだ。

 中国政府は信用バブルを取り除くため、まず香港から流入するホットマネーをシャットアウトしようとした。
 例えば、中国のノンバンクは輸出額を水増し申告するて手口で、輸出代金としてホットマネーを中国本土に持ち込み、投機資金に充ててきた。
 香港からのホットマネー流入が止まった結果、銀行は流動性不足に直面している。
 大手銀行の中国光大銀行と興業銀行が決済不能に陥ったといううわさが流れ、銀行の危機感はさらに増幅された。

 中国の銀行が悲鳴を上げているものの、中国政府は金融機関に向けた矛を収めていない。
 22日付の中国共産党機関紙・人民日報によると、李克強首相は
 「中国は通貨供給増大に依存し、
 大規模な資金供給で経済を活性化する
という過去のような道は歩まない
と述べたという。

■実体経済の低迷リスク

 中国の転換期リスクは、実体経済の面に強く反映される可能性が高い。
 輸出よりも内需を刺激するというのが、中国の新政権の基本的立場だが、腐敗撲滅を同時に掲げているため、輸出と内需が同時に低迷する可能性もある。
 中国の百貨店で衣料品売り場を展開する先進グループの張竜煥(チャン・ヨンファン)社長は23日
 「年初来の売上高が前年比約25%減少した」
と述べた。

 さまざまな統計指標にも中国経済の低迷が見て取れる。
 6月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)は48.3で、9カ月ぶりの低水準となった。
 PMIが50以下になると、景気が後退していることを示す。
 先月の輸出増加率は1%台にとどまった。
 中国の経済専門家は、今年第1四半期(1-3月)に7.7%まで低下した中国の経済成長率が、第2四半期(4-6月)にはさらに低下すると予測している。

 しかし、中国政府指導部は「経済再生」よりも反腐敗運動などに力を入れている。
 閣僚級を除く公務員の食事代を1食150元(約2400円)以下にする規定が設けられたとのうわさも流れた。
 年80億元(約1280億円)に達する中国の公務員の事務費が抑制され、消費の伸び率が年14%から12%台に低下するとの見方もある。

■中国経済の低迷、韓国には深刻な悪材料

 中国の景気低迷は韓国経済には深刻な悪材料となる可能性が高い。
 韓国の昨年の対中輸出は1343億ドルで、米国(585億ドル)、日本(387億ドル)の合計を上回る規模だった。
 全国経済人連合会(全経連)が韓国の製造業で売上高上位400社の中国法人を対象に実施した今年下半期の企業景気実査指数は、基準値(100)を大きく下回る90.7にとどまった。
 中国の景気動向を否定的に捉える韓国企業が多いことを示している。

 中国の中速成長の影響を既に受けている企業も少なくない。
 機械設備メーカーの斗山インフラコアは、今年第1四半期に建設重機部門で約100億ウォン(約8億円)の赤字を出した。
 前年同期の1420億ウォン(約120億円)の黒字と比べれば天と地の差だ。
 中国の山東省、浙江省にある掘削機工場の第1四半期の稼働率は23%で、事実上の休業状態に陥っている。
 中国経済金融研究所の全炳瑞(チョン・ビョンソ)所長は
 「中国の新政権は中国の体質を完全に変えようとしているが、韓国企業は新たなムードに適応できずにいる」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/24 10:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/24/2013062401082.html

韓国の対中輸出、累計1兆ドルを突破

 全国経済人連合会(全経連)は23日、1992年の韓中国交正常化以降、今年4月までの韓国の対中輸出が1兆41億ドルとなり、1兆ドルの大台を超えたと発表した。
 韓日国交正常化(65年)以降48年間の対日輸入額(1兆21億ドル)を上回る数字だ。

 韓国の対中輸出は増加を続けている。
 国交正常化以降21年間の年平均伸び率は22.94%で、同じ期間の輸出全体の伸び率(10.35%)の2倍以上に達する。
 中国への輸出が最も多かったのは半導体で1006億8000万ドル。
 中国からの輸入が最も多かったのはコンピューターで470億5000万ドルだった。

 対中貿易黒字は累計で3445億7000万ドルに達した。
 昨年の平均為替水準(1ドル=1126.80ウォン)でウォン換算すると388兆ウォンとなり、昨年の韓国政府の予算規模(342兆ウォン)を上回る。

 また、国交正常化以降の韓国の対中投資は565億ドルで、中国の対韓投資(44兆6000億ドル)の12.7倍に上った。

 過去21年間に中国を訪れた韓国人は延べ3986万人で、韓国を訪れた中国人(1617万人)の2.5倍を数えた。
 このため、昨年までの累計観光収支は110億ドルの大幅な赤字だった。

 全経連のチョン・ボンホ・アジアチーム長は
 「国交正常化から21年で輸出が1兆ドルを超えたのは、韓国の貿易相手国で最速だが、
 2010年以降は対中輸出の伸び率が低下しており、対策が必要だ」
と述べた。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



_