2013年6月29日土曜日

韓中首脳会談:離於島めぐる海上境界問題は:中国地獄に足を踏み込んでしまった?

_



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/29 10:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/29/2013062900469.html

韓中首脳会談:離於島めぐる海上境界問題の行方は?
境界画定のための実務会談を直ちに開催か

 韓中両国は27日に採択した共同声明の付属文書で
 「双方は海上境界画定のための交渉を速やかに稼働させることとした」
と表明した。
 中国国営メディアは28日、この内容を主なニュースとして取り上げた。

 離於島(中国名:蘇岩礁)を含む海上境界の画定は、韓中いずれにとってもデリケートな問題だ。
 両国は1996年以降、17年間で15回も会談を行ったが、進展は得られなかった。
 北京の外交消息筋は28日
 「韓国は海上境界を早く決めようという立場だが、中国は先延ばしにしている状態。
 しかし今回は、中国側がむしろ積極的な姿勢を取った」
と語った。
 両国首脳が今回の首脳会談で、この問題の解決のためコンセンサスを形成したのではないか、という見方がなされている。
 しかし消息筋は
 「今回、海上境界問題で具体的な進展があったわけではないと思う。
 付属文書に『交渉着手』を明示していることから、すぐに実務者級会談が開かれる可能性が高い」
と語った。

 馬羅島の南149キロに位置する離於島は、中国側の最も近い有人島、蛇山島とは287キロ離れている。離於島の海域は、韓中両国の排他的経済水域(EEZ)が重なる場所だというが、国際法上の等距離原則に従って海上境界を決めた場合、明らかに韓国の管轄権に属する。しかし中国は、自国の面積が韓国より広いことから、等距離原則は適用し難いという立場だ。

 現在中国は、南シナ海や尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐり、東南アジア諸国や日本と対立している。
 外交消息筋は
 「中国も、領有権争いの戦線を韓国にまで拡大したくはないだろう。
 領有権や境界の問題をめぐる中国国内の民族主義が一層激しくなる前に海上境界を確定させることは、韓国にとっても不利ではない」
と語った。


 さあてどうなるか。
 中国の破格の歓待に舞い上がり浮かれている韓国だが。
 利害のからむ問題になると、あきらかにセコクなるのが中国
 なかなか韓国の思惑どおりにはいかないだろう。
 もし、この問題で双方がぶつかると、
 「恋しさ余って憎さ百倍」
ということにもなりかねない。
 血の気の多い韓国だから、一気にどうにかなってしまうかもしれない。
 中国としてはせっかく向こうから擦り寄ってきた唯一の周辺国を無碍に足蹴りするわけにもいかない。
 なんとかウヤムヤで棚上げ先送りにしたいだろうが。
 韓国としてはそれを阻止して、中国から朗報を引き出したいところだろう。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/29 09:18
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/29/2013062900364.html

「中国には統一のよきパートナーになってほしい」
韓中首脳会談:李克強首相とも会談、韓中FTAなど協議
朴大統領、習近平主席との昼食会にも出席

 中国を国賓として訪問している朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は28日、中国の習近平国家主席との特別昼食会に臨み、2日にわたり韓中関係と韓半島(朝鮮半島)問題について意見を交わした。

 習主席は
 「今回の(朴大統領の)訪問は、今後の(韓中関係に)大きな影響を与えるだろう。
 両国で新政権が発足してからの訪中で多くの成果を生み、互いの理解を深めたことで、いいスタートができた」
と述べた。
 これに対し、朴大統領は
 「中国には今後、韓半島の非核化の具現と平和的な統一を実現する上で、よきパートナーになってほしい」
と応じた。
 習主席はこれに共感を示した。

 続いて朴大統領は、中国の序列第2位の李克強首相と会談し、両国の経済協力案や韓半島問題について意見を交わした。

 李首相は
 「(韓中双方は)より積極的に、経済・貿易・投資・金融・新エネルギーなど広範囲の分野で実務的な協力を強化すべき。
 自由貿易地帯(韓中FTA〈自由貿易協定〉)を強く推進することは、両国民にとって利益になるだろう」
と語った。
 中国中央テレビ(CCTV)が報じた。

 李首相は
 「中国は工業化、新興都市化を推進している途中の段階にあり、市場潜在力は巨大だ」
として、中国の経済発展とアップグレードが、中韓の協力にプラスになることを強調した。

 朴大統領は
 「中国中西部への投資を拡大するとともに、迅速に韓中FTAを締結し、両国および地域の人々に利益をもたらすことを望む」
と語ったという。

 韓国と中国は、前日に両首脳が「韓中FTAの進展」で合意したことに伴い、今年中に第1段階の実務交渉を終える方向で努力することにした。
 このため両国は予定を前倒しし、来月にも釜山で6回目の実務会談を開催する予定だ。


 周辺国が中国から離れていく今、擦り寄ってくる国があるとは中国にとってもありがたいことで、ついつい微笑んでしまう。
 韓国は破格の歓迎をうけて「中韓同盟」とまで浮かれているのだが。
 さてさて、中国地獄に足を踏み込んでしまったのか。
 もはや抜けだせなくなってしまうのか?
 危うさがただよう韓国である。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/01 10:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/01/2013070101180.html

【記者手帳】朴大統領に好感の中国、その内心は

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の中国訪問に対する現地の反応を探るため、中国のポータルサイト「新浪(SINA.COM)」にアクセスした。
 新浪は簡易投稿サイト「ツイッター」の中国版として知られる「微博」と同じ企業が運営している。

 新浪の検索窓に「朴槿恵」の中国語の発音表記(ピンイン)の頭文字である「P」を入力するや否や「朴槿恵 訪華(訪中)」という検索ワードが自動的に生成された。
 それだけ、朴大統領について調べるユーザーが多かったのだろう。

 検索結果は概ね肯定的だった。
 朴大統領に対しインタビューを行った中国中央テレビの有名なキャスター、●成綱(●は草かんむりに内)氏は
 「彼女の要望は温柔似水(水のように温かく柔らかい)だが、内面は堅定強大(毅然〈きぜん〉として強い)だ」
と評した。

 だが、幾つかのウェブサイトを見てみると、心配の種も見つかった。
 中国最大の検索サイト「百度」の人物情報は、朴大統領が属する民族を「朝鮮族」と表記していた。
 また「漢語(中国語)に精通し、中国哲学を好む」との説明もあった。

 中国で「朝鮮族」とは、中国国籍を有する56の民族の一つだ。
 韓国人は朴大統領について、あくまでも「中国通の韓国人」と考えている。
 だが、一部の中国人の間では「中国語に精通する少数民族」と思われているのではなかろうか。

 また、中国の多くのインターネットユーザーは、
 朴大統領を盛大にもてなす理由を二つ
挙げた。
①.韓国の大統領としては初めて、就任後に日本より先に中国を訪問した点、
②.そして訪米したとき(51人)よりも多くの経済使節団(71人)を率いて訪中したという点
だ。
 ネットユーザーたちが歓迎するのは結局「中国語を話す朴槿恵氏」を通じて発見した
①.「日本を抑えた中国」
②.「米国をも抑えられる中国」
のありさまのように思える。

 朴大統領に対し好意的な姿勢を見せていた中国メディアの報道にも、警戒心を抱かざるを得ない面があった。
 朴大統領の任期中に、
 韓中両国の利害がぶつかる出来事が起こったらどうなるだろうか。
 西海(黄海)での漁業をめぐる争いや、北朝鮮の挑発、大陸棚の境界画定など、火種はいくらでもある。
 また万が一、
 日本や米国と中国の間で、韓国が一方の肩を持たなければならない出来事が起こったら
どうするのだろうか。

●.「中国寄り」と信じられていた朴大統領に対し失望を抱いた場合、中国の韓国に対する態度は急速に冷たくなるかもしれない。
 朴大統領が
 「中国通の大統領」
 「朝鮮族の大統領」
などと認識されていることを常に念頭に置かなければならない理由もそこにある。


 韓国のなかにもこの事態に浮かれているだけではない人もいるようである。
 どう考えても中国に乗せられてしまった韓国といった匂いが濃厚であり、そのため目先が見えなくなっているというのが常識的な判断だろう。
 目の前の雲が晴れてきて、気がついたときにことを考察できるようなら、まだ韓国は大丈夫かも。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



_