2013年6月20日木曜日
乾いたハンカチも絞れ!:税収不足の苦肉の策、アアー「底知らず不況!」
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/20 11:06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/20/2013062001144.html
今年1-4月の税収11%減、税務調査を強化
企画財政部(省に相当)と国税庁は19日、今年1-4月の税収実績を明らかにし、関税を含む総税収は73兆6437億ウォン(約6兆2400億円)で、前年同期を9兆3521億ウォン(約7900億円)、率にして11.3%下回った。
今年の税収目標は210兆3981億ウォン(約17兆8300億円)で、税収達成率は前年(40%)を下回る35%にとどまっている。
1-4月の税制不足分からみて、年末までこの状態が続けば、税収が目標を28兆ウォン(約2兆3700億円)以上下回ることになる。
朴槿恵(パク・クンヘ)政権は5年間に年間27兆ウォン(約2兆2800億円)、総額135兆ウォン(約11兆4400億円)を福祉財源に充てると公約しているが、当てにしていた税収が増えるどころか激減している状況だ。
税収が最も減少したのは法人税だった。
景気低迷で企業の昨年の収益が急激に減り、法人税収は前年同期を3兆7717億ウォン(約3200億円)下回った。
不況で庶民も富裕層も財布のひもを締めたため、付加価値税、個別消費税などの税収も減少した。
税収を増やす最も確実な方法は、経済成長率を引き上げることだが、
政府は当面の税収を確保するため、企業の税務調査に力を入れている。
しかし、税務調査による税収増には限界がある。
2011年の法人税収44兆8728億ウォン(約3兆8000億円)のうち、税務調査で追徴した税金は4兆4437億ウォン(約3800億円)で、全体の10%に満たなかった。
専門家は、国税庁の税務調査が長期化すれば、企業活動が委縮し、経済活動に悪影響が及ぶことを懸念する。
西江大の趙潤済(チョ・ユンジェ)教授は
「不足した税収を税務調査で埋め合わせようとすれば無理が伴い、企業の不安感だけが高まるのではないか」
と指摘した。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/20 11:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/20/2013062001150.html
税収パンク危機、税務調査に総力
大邱市で自動車部品を生産している中堅メーカーA社は、今月初めに税務調査に訪れた係官を見て驚いた。
管轄の税務署や大邱地方国税庁の職員ではなく、首都圏を管轄する中部地方国税庁の係官が現れたからだ。
いわゆる「交差調査」と呼ばれるもので、厳正な税務調査が必要な場合、他地域の係官を派遣する異例の調査方式だった。
2年前にはサムスン電子への税務調査に管轄の中部地方国税庁ではなく、ソウル地方国税庁が動員され、注目を集めたことがある。
首都圏にある物流会社B社は、税務調査を終えた国税庁が多額の追徴課税を行おうとしたため、釈明資料を提出したが、ほとんど受け入れられなかった。
それで抗議すると、国税庁の係官に
「まずは納税してください。不満があれば提訴して取り戻してください」
と告げられた。
景気低迷で税収確保が難しくなった国税庁は、税務調査で総力戦を展開している。
今年1-4月の税収が前年を約9兆3500億ウォン(約7900億円)下回ったため、最も容易な税収源として、企業への圧力を強化した格好だ。
首都圏の税務署長は
「今年計画していた税務調査を9-10月までに全て終えるようにと上からせかされている。
計画していた調査が終わった後に、予定になかった調査もやれという意味だ」
と話した。
■不況で税収に穴
不況は税収全体に悪影響を与えている。全14税目のうち法人税を含む12税目で税収が前年を下回った。
8四半期連続で前期比の経済成長率が0%台にとどまるなど、景気低迷が長期化しているためだ。
景気悪化による直撃を受け、企業が大幅減益となった結果、法人税収の減少幅が最も大きかった。
韓国取引所によると、12月決算の上場企業624社の営業利益は合計58兆8411億ウォン(約4兆9900億円)で、前年を2兆3041億ウォン(約1950億円)下回った。
サムスン電子を除く減益幅は11兆ウォン(約9300億円)を超える。
このため、1-4月の法人税収は前年に比べ約3兆7000億ウォン(約3100億円)減少した。
個人所得税は前年より166億ウォン(約14億円)の税収減だった。
就業者の伸びが昨年の月平均40万人台(前年同月比)から今年は20万-30万人台に落ち込み、源泉徴収による税収が減少したためだ。
消費低迷も税収減少の一因だ。
全ての商品とサービスにかかる付加価値税の税収は前年を1兆555億ウォン(約890億円)下回った。
さらに、世界的な景気低迷で貿易が伸び悩んだことから、関税が6000億ウォン(約510億円)減少、株価低迷で株式取引に課税される証券取引税も7516億ウォン(約640億円)減少した。
■税金搾り取り、デメリットに懸念
政府は税収不足を企業に対する税務調査でかき集めている。
しかし、税務調査を通じた搾り取り式の税収上積みには限界がある。
巨額の追徴課税を行うためには、大企業の税務調査を行う必要があるが、主な大企業は昨年既に定期税務調査を終えており、今年も調査を行うのは困難だ。
例えば、サムスン電子は昨年、定期税務調査を受け、5000億ウォン(約420億円)近い税金を追徴された。
現代・起亜自は今年の定期調査対象ではない。
このため、今年定期税務調査の対象となる中堅企業が思わぬ犠牲になっている。
中堅企業に対する調査が強化され、末端税務署が管轄する比較的小規模の企業にも調査が拡大されているためだ。
言い換えれば、網の目を小さくして、底引き網漁のような税務調査を行い、税金を集めているようなものだ。
さらに政界では、公正取引法による集団訴訟制度、通常賃金体系の見直し、整理解雇の条件強化など、企業に対する規制強化が検討されており、企業の経営環境は厳しさを増している。
しかし、法人税は他の税目よりも景気の流れに左右されるため、国税庁が底引き網式の税務調査を行うことには問題点も多い。
韓国租税研究院は、経済成長率が1ポイント低下すると、韓国の法人税収の伸びが1.4ポイント低下すると試算している。
租税研究院長期財政展望センターのチェ・ソンウン・センター長は
「法人税と個人所得税は景気に特に敏感で、無理に徴収しようとしても効果が上がらない」
と指摘。
延世大の李斗遠(イ・ドゥウォン)教授(経済学)は
「脱税根絶のための税務調査は必須だが、無理な税務調査は税収確保に少しは役立つとしても、企業の不安感をかき立て、経済活力を低下させる副作用を生みかねない」
と警告した。
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【「底知らず不況」へ向かう韓国】
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