2013年6月30日日曜日

韓国の経済自由区域10年:「海外資本ほぼゼロ」という失敗

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/30 09:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/30/2013063000124.html

韓国の経済自由区域10年、実態は「海外資本ほぼゼロ」

 5月19日午後、慶尚南道昌原市鎮海区にある「釜山鎮海経済自由区域」の頭洞地区を訪れた。
 同区域一帯に開かれた田んぼには、田植えのために多くの所で水が引かれていた。
 一部の住民は、トウガラシなどを植えて菜園を作り、貯水池では観光客たちが釣りを楽しんでいた。
 穏やかな田園風景だ。
 説明しなければ、ここが経済自由区域とは誰も気付かないだろう。
 ここは2004年に着工し、15年に完成する予定だった。
 完成すれば、各種の先端部品を製造する外資系企業や大規模な外国人居住区域が造成されるはずだった。
 しかし、現実は事業者だった韓国土地住宅公社(LH)が途中で放棄してしまったことで、これまでのところ工事は一切行われていない。
 近くで菜園を営む住民のクォン・ゴウォンさん(68)は
 「頭洞を開発するという話が出てからすでに10年が過ぎようとしているが、工事は一向に進まず、財産権の行使だけが制約されている」
と話した。
 頭洞地区に隣接するボベ・キャンパス地区。
 2015年の完成予定で海洋や物流に特化した教育機関と最先端の研究機関が入居する予定になっていた。
 しかし、工事が中断してしまったため山を削っただけの土地もあり、醜い景観が痛々しい。

 決定から10年を迎えた経済自由区域が暗礁に乗り上げている。
 全国各道に1カ所ずつ8カ所も指定されたものの、このうちまともに事業が進められている所は1カ所もない。
 約132兆ウォン(約11兆9000億円)を要する事業で、このうち10-15%は政府の予算で支援されるが、無関心のまま忘れ去られている。
 専門家たちは、韓国の経済自由区域が出発さえできないまま、今やまな板に載せられて大規模な構造調整を受けない限り生存できないような状況にまで陥ってしまった、との見方を示している。

 経済自由区域は現在、仁川をはじめとする8区域93地区から構成されている。
 政府はこのうち今年に新たに指定された東海岸と忠北区域の計8地区を除いた6区域85地区について、昨年7月に評価を実施した。
 その結果、11地区が事業不振、18地区が普通、47地区が良好、9地区は(判定)保留と評価された。

 しかし、事態は政府が下した評価よりもはるかに深刻だ。
 経済自由区域がここ10年間で誘致した海外資本は、この期間に韓国に入ってきた海外資本のわずか6%にすぎない。
 海外資本の誘致特区が海外資本から敬遠されているのだ。
 特に仁川(40億ドル=約4050億円)、釜山鎮海(15億5000万ドル=約1570億円)、光陽(8億5000万ドル=約860億円)を除いた残りの5区域は外資誘致が一切行われていない状況だ。

 具体的な状況はさらにひどい。
 例えば2008年に指定されたセマングム・群山の場合、4カ所のうち3カ所が良好との評価を受けたものの、指定から5年が過ぎた今年3月にようやく初の入居業者が決まっただけだ。
 それさえも国内企業のOCIだが、それも当初の計画だった10兆ウォン(約9000億円)規模の太陽光関連の工場から1兆-2兆ウォン(約900億-1800億円)規模の熱併合発電所と新素材工場に大幅縮小された。
 このように実績がないため、無理な投資協約と破棄が繰り返されている。
 全羅北道は、2009年に米国の「オムニガード」という会社から3兆5000億ウォン(約3100億円)規模の外資投資を誘致した、と発表している。
 ところがいざふたを開けてみると、同社は所在地である米国デラウェア州でわずか400ドル(約4万円)程度の法人税を10年以上も滞納しているペーパーカンパニーで、投資協約は結局白紙化されてしまった。
 LG経済研究院のチョン・ソンテ研究員は
 「海外資本の誘致などの実績を考慮せず、敷地造成具合などを見て評価を下すシステムを改善すべきだ」
と指摘した。

■黄海区域は10%しか残らない可能性も

 それでも国内企業が進出した所は幸いだ。
 国内からも無視された揚げ句、ほぼ捨てられたような状態で結局「指定解除」される所が数多いためだ。
 代表的な所が平沢港を囲む「黄海経済自由区域」だ。
 2008年に計5地区55.1平方キロメートル規模で指定されたものの、2011年にヒャンナム、チゴクの2地区が解除され、残った3地区も面積を大幅に縮小、15.8平方キロメートルだけが残った。
 当初の計画に比べて28.7%の水準だ。

 残った3カ所も風前のともしびといった状態だ。
 その代表として「ポスン地区」の場合、地区内の「韓中地域」が今月7日に指定解除された。
 開発事業者の選定にどこも参加しなかったためだ。
 黄海区域は全体がこうした状況であるため、当初の計画に比べて10%しか残らないといった悲観的な観測が飛び交っている。

 このように指定解除される可能性の高い地区は、計6区域85地区のうち11カ所に上る。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/30 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/30/2013063000117.html

韓国の経済自由区域が失敗した理由は?

1).外国人「魅力がない」
 「医療や教育などで規制…生活上の利便性に欠ける、減税も大した効果なし」
(2).地域の機嫌取りで共倒れ
 選挙のたびに得票戦略として利用…地域の特化できず同じような事業が重複
(3).どこもかしこも投資誘致
 外国人「韓国人はなぜ何度も来るのか、この前来たのは北朝鮮か」

 経済自由区域の失敗は初めから予想されていたという指摘がある。
 原因は大きく分けて三つだ。

 まず一つ目は、外国人を呼び込むだけの魅力に欠けるという点だ。
 医療や教育などの面で規制が多く、高所得層の外国人が生活するには利便性に欠ける上、
 韓国市場そのものも小さく、外国人投資家たちに敬遠されているというのだ。
 韓国政府が2009年、国内に投資した外資系企業1000社を対象にアンケート調査を行ったところ、政府によるインセンティブ(優遇措置)の提供が投資に影響を及ぼしたという回答はわずか13.1%にすぎなかった。
 どんなに減税し、最先端の施設を設置してみたところで、
 市場自体の魅力に欠け、生活環境が整備されていなければ、投資しないというわけだ。

 狭い内需市場というもともと内包されていた限界のほか、病院を設立する際の資格制限といったサービス産業での規制、高い労働コストなど、根本的な問題が解決されなければ、外国人による大規模投資を引き出すことは難しい、と専門家たちは指摘する。
 ところが政府は、根本的な問題に手を付けず、自由区域の造成だけに集中し、結局そっぽを向かれてしまった。
 利害団体が規制緩和に反対したことも、外国人投資を阻害する主な要因となった。

 二つ目は、事業のスタートそのものが選挙用だったという点だ。
 経済自由区域はすでに6カ所が存在し、今年2カ所が新たに追加されたことで、全国の八つの道に経済自由区域が一つずつ設立されることになった。
 数回の選挙を通じて、経済自由区域の対象になっていない地域をなだめるための単なる道具として利用されてきたためだ。
 これは、全国8区域がそれぞれの特性を生かすことができないという結果をもたらした。
 対外経済政策研究院が分析したところによると、多くの地区で先端産業や観光レジャー特化などを主張した結果、全地区の53%が他の地区と事業内容が重なってしまったのだ。
 また、同じ地域内でも開発計画がバラバラになっていった。
 大邱・慶北経済自由区域の場合、大邱、浦項、亀尾、永川、慶山の五つの地方自治体が全部で10地区に分けられている。
 選択と集中を通じて力を合わせるべきだったのに、分散したことで全てが失敗してしまったのだ。

 三つ目は、外資を誘致する上で対外的に統一された動きを示すことができなかった。
 合同で投資誘致活動に当たり、外国人の立場から行きたい地域を選ぶことができるようすべきだったが、各区域がばらばらに誘致活動を行ったため、外資系企業を混乱させてしまったのだ。
 地方のある経済自由区域の関係者は
 「最近投資を誘致するために活動したが、参加した外国人から
 『韓国はなぜ何度も来るのか。少し前に来た所はもしかして北朝鮮なのか』
との言葉まで聞かれた」
と吐露した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/30 08:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/30/2013063000107.html

韓国の経済自由区域、外資誘致は10年で68億ドル
シンガポールは1年で640億ドル
至る所で事業中断…8区域全てが稼動せず
外資系企業で70%は埋めるという計画も、93%は韓国企業

 今年で事業スタートから10年を迎えた経済自由区域が、完成を前にその姿を消している。

 最先端の国際複合団地が建設されるべき場所には、苗が植えられ、釣り人たちのための池が今も残されている。
 予定地には、途中で工事がストップしてしまった建物が見受けられる。
 2020年の完成に向け拍車を掛けなければならないが、むしろ1カ所、また1カ所と事業を中止する地区が増えている。
 仁川松島など8区域、101地区のうち、すでに8地区がストップし、11地区が政府から不十分との判定を受けるなど、指定を解除される可能性が高まっている。
 全地区の約20%が、動き出す前から消滅してしまう状況だ。

 導入から10年を迎えた今、経済自由区域はほとんど存在感が感じられなくなっている。
 これまでの10年間で経済自由区域に誘致された海外資本は68億ドル(約6900億円)だ。
 これは経済自由区域が当初モデルとしたシンガポールが2011年の1年間に誘致した海外資本640億ドル(約6兆4800億円)のわずか10分の1にすぎない数値だ。
 外国人の投資を呼び込むために設置された経済自由区域が、全くその役割を果たしていないのだ。

 このように外資系企業に敬遠されてしまったことで、経済自由区域は韓国企業で満たされるなど、全国に散在する一般の工業団地と何ら変わらない様相を呈している。

 産業通商資源部(省に相当)の経済自由区域企画団が調査したところによると、現在経済自由区域に進出している企業の93%が韓国の企業だという。
 70%以上を外資系企業で埋めるとしていた韓国政府の当初の方針とは大きな開きがある。
 さらには、韓国企業からもそっぽを向かれ、指定解除に追い込まれる地域が続出している。

 黄海経済自由区域「ヒョンドク地区」は、開発事業者だった中小企業中央会が今年3月、事業性がないとの理由から手を引いてしまったことで、白紙化される危機に直面している。
 中央会は、全国1万5000社の中小企業に入居を打診したものの、申請の意向を示した企業はわずか5社にとどまったという。

■経済自由区域

 2002年に当時の故・金大中(キム・デジュン)大統領が、韓国を「北東アジアのビジネス中心国」にすると宣言、その実行案の一つとして進められてきた。
 2003年8月に仁川が第1地域として指定された。
 さらに今年2月に江原と忠北が追加指定されたことで、これまでに八つの経済自由区域が生じている。
 政府は2020年までに計132兆ウォン(約11兆9000億円)を投入し、八つの経済自由区域の造成を完了する計画だ。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月29日土曜日

韓中首脳会談:離於島めぐる海上境界問題は:中国地獄に足を踏み込んでしまった?

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/29 10:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/29/2013062900469.html

韓中首脳会談:離於島めぐる海上境界問題の行方は?
境界画定のための実務会談を直ちに開催か

 韓中両国は27日に採択した共同声明の付属文書で
 「双方は海上境界画定のための交渉を速やかに稼働させることとした」
と表明した。
 中国国営メディアは28日、この内容を主なニュースとして取り上げた。

 離於島(中国名:蘇岩礁)を含む海上境界の画定は、韓中いずれにとってもデリケートな問題だ。
 両国は1996年以降、17年間で15回も会談を行ったが、進展は得られなかった。
 北京の外交消息筋は28日
 「韓国は海上境界を早く決めようという立場だが、中国は先延ばしにしている状態。
 しかし今回は、中国側がむしろ積極的な姿勢を取った」
と語った。
 両国首脳が今回の首脳会談で、この問題の解決のためコンセンサスを形成したのではないか、という見方がなされている。
 しかし消息筋は
 「今回、海上境界問題で具体的な進展があったわけではないと思う。
 付属文書に『交渉着手』を明示していることから、すぐに実務者級会談が開かれる可能性が高い」
と語った。

 馬羅島の南149キロに位置する離於島は、中国側の最も近い有人島、蛇山島とは287キロ離れている。離於島の海域は、韓中両国の排他的経済水域(EEZ)が重なる場所だというが、国際法上の等距離原則に従って海上境界を決めた場合、明らかに韓国の管轄権に属する。しかし中国は、自国の面積が韓国より広いことから、等距離原則は適用し難いという立場だ。

 現在中国は、南シナ海や尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐり、東南アジア諸国や日本と対立している。
 外交消息筋は
 「中国も、領有権争いの戦線を韓国にまで拡大したくはないだろう。
 領有権や境界の問題をめぐる中国国内の民族主義が一層激しくなる前に海上境界を確定させることは、韓国にとっても不利ではない」
と語った。


 さあてどうなるか。
 中国の破格の歓待に舞い上がり浮かれている韓国だが。
 利害のからむ問題になると、あきらかにセコクなるのが中国
 なかなか韓国の思惑どおりにはいかないだろう。
 もし、この問題で双方がぶつかると、
 「恋しさ余って憎さ百倍」
ということにもなりかねない。
 血の気の多い韓国だから、一気にどうにかなってしまうかもしれない。
 中国としてはせっかく向こうから擦り寄ってきた唯一の周辺国を無碍に足蹴りするわけにもいかない。
 なんとかウヤムヤで棚上げ先送りにしたいだろうが。
 韓国としてはそれを阻止して、中国から朗報を引き出したいところだろう。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/29 09:18
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/29/2013062900364.html

「中国には統一のよきパートナーになってほしい」
韓中首脳会談:李克強首相とも会談、韓中FTAなど協議
朴大統領、習近平主席との昼食会にも出席

 中国を国賓として訪問している朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は28日、中国の習近平国家主席との特別昼食会に臨み、2日にわたり韓中関係と韓半島(朝鮮半島)問題について意見を交わした。

 習主席は
 「今回の(朴大統領の)訪問は、今後の(韓中関係に)大きな影響を与えるだろう。
 両国で新政権が発足してからの訪中で多くの成果を生み、互いの理解を深めたことで、いいスタートができた」
と述べた。
 これに対し、朴大統領は
 「中国には今後、韓半島の非核化の具現と平和的な統一を実現する上で、よきパートナーになってほしい」
と応じた。
 習主席はこれに共感を示した。

 続いて朴大統領は、中国の序列第2位の李克強首相と会談し、両国の経済協力案や韓半島問題について意見を交わした。

 李首相は
 「(韓中双方は)より積極的に、経済・貿易・投資・金融・新エネルギーなど広範囲の分野で実務的な協力を強化すべき。
 自由貿易地帯(韓中FTA〈自由貿易協定〉)を強く推進することは、両国民にとって利益になるだろう」
と語った。
 中国中央テレビ(CCTV)が報じた。

 李首相は
 「中国は工業化、新興都市化を推進している途中の段階にあり、市場潜在力は巨大だ」
として、中国の経済発展とアップグレードが、中韓の協力にプラスになることを強調した。

 朴大統領は
 「中国中西部への投資を拡大するとともに、迅速に韓中FTAを締結し、両国および地域の人々に利益をもたらすことを望む」
と語ったという。

 韓国と中国は、前日に両首脳が「韓中FTAの進展」で合意したことに伴い、今年中に第1段階の実務交渉を終える方向で努力することにした。
 このため両国は予定を前倒しし、来月にも釜山で6回目の実務会談を開催する予定だ。


 周辺国が中国から離れていく今、擦り寄ってくる国があるとは中国にとってもありがたいことで、ついつい微笑んでしまう。
 韓国は破格の歓迎をうけて「中韓同盟」とまで浮かれているのだが。
 さてさて、中国地獄に足を踏み込んでしまったのか。
 もはや抜けだせなくなってしまうのか?
 危うさがただよう韓国である。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/01 10:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/01/2013070101180.html

【記者手帳】朴大統領に好感の中国、その内心は

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の中国訪問に対する現地の反応を探るため、中国のポータルサイト「新浪(SINA.COM)」にアクセスした。
 新浪は簡易投稿サイト「ツイッター」の中国版として知られる「微博」と同じ企業が運営している。

 新浪の検索窓に「朴槿恵」の中国語の発音表記(ピンイン)の頭文字である「P」を入力するや否や「朴槿恵 訪華(訪中)」という検索ワードが自動的に生成された。
 それだけ、朴大統領について調べるユーザーが多かったのだろう。

 検索結果は概ね肯定的だった。
 朴大統領に対しインタビューを行った中国中央テレビの有名なキャスター、●成綱(●は草かんむりに内)氏は
 「彼女の要望は温柔似水(水のように温かく柔らかい)だが、内面は堅定強大(毅然〈きぜん〉として強い)だ」
と評した。

 だが、幾つかのウェブサイトを見てみると、心配の種も見つかった。
 中国最大の検索サイト「百度」の人物情報は、朴大統領が属する民族を「朝鮮族」と表記していた。
 また「漢語(中国語)に精通し、中国哲学を好む」との説明もあった。

 中国で「朝鮮族」とは、中国国籍を有する56の民族の一つだ。
 韓国人は朴大統領について、あくまでも「中国通の韓国人」と考えている。
 だが、一部の中国人の間では「中国語に精通する少数民族」と思われているのではなかろうか。

 また、中国の多くのインターネットユーザーは、
 朴大統領を盛大にもてなす理由を二つ
挙げた。
①.韓国の大統領としては初めて、就任後に日本より先に中国を訪問した点、
②.そして訪米したとき(51人)よりも多くの経済使節団(71人)を率いて訪中したという点
だ。
 ネットユーザーたちが歓迎するのは結局「中国語を話す朴槿恵氏」を通じて発見した
①.「日本を抑えた中国」
②.「米国をも抑えられる中国」
のありさまのように思える。

 朴大統領に対し好意的な姿勢を見せていた中国メディアの報道にも、警戒心を抱かざるを得ない面があった。
 朴大統領の任期中に、
 韓中両国の利害がぶつかる出来事が起こったらどうなるだろうか。
 西海(黄海)での漁業をめぐる争いや、北朝鮮の挑発、大陸棚の境界画定など、火種はいくらでもある。
 また万が一、
 日本や米国と中国の間で、韓国が一方の肩を持たなければならない出来事が起こったら
どうするのだろうか。

●.「中国寄り」と信じられていた朴大統領に対し失望を抱いた場合、中国の韓国に対する態度は急速に冷たくなるかもしれない。
 朴大統領が
 「中国通の大統領」
 「朝鮮族の大統領」
などと認識されていることを常に念頭に置かなければならない理由もそこにある。


 韓国のなかにもこの事態に浮かれているだけではない人もいるようである。
 どう考えても中国に乗せられてしまった韓国といった匂いが濃厚であり、そのため目先が見えなくなっているというのが常識的な判断だろう。
 目の前の雲が晴れてきて、気がついたときにことを考察できるようなら、まだ韓国は大丈夫かも。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月27日木曜日

「抗日の歴史、中韓の貴重な財産」:何としても中国にすがりつきたい韓国

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●25日、韓国・京郷新聞は、「抗日の歴史は中韓の貴重な財産だ」とする記事を掲載した。写真は中国山東省で開かれた愛国主義教育イベント。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月27日 0時7分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73733&type=0

「抗日の歴史、中韓の貴重な財産」
=首脳会談で友好関係深化へ―韓国紙

 2013年6月25日、韓国・京郷新聞は、
 「抗日の歴史は中韓の貴重な財産だ」
とする記事を掲載した。
 環球時報(電子版)が伝えた。以下はその概要。

 韓国独立運動の闘士は20世紀初め、中国の上海、柳州、重慶などに韓国の臨時政府を樹立した。
 その後、臨時政府の遺構は中国に引き継がれ、復元されて公開された。
 上海市中心部にある「韓国臨時政府記念館」には、毎年30万人が訪れる。うち中国人が半数を占めるという。

 中国には韓国の独立運動に関する各種記念館、展示館などが20カ所以上ある。こ
 れらの施設は毎年例会を開いており、筆者も参加する機会を得た。
 現場にいた中国人と韓国人は、独立運動を通じて心がつながり、深く共鳴した。

 中国人の中には、韓国の独立運動と中国の抗日運動はともに歴史的感情で共通しており、両国の友好拡大に寄与すると主張する者もいる。
 朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪中により、友好関係は一層深まるだろう。
 両国の歴史的共通は貴重な財産になると考える。


 韓国が中国に摺り寄れば、アメリカは韓国の重要度の比重を下げる。
 その分、アメリカは日本を重視せざるを得ない。
 アメリカが韓国との関係を希薄化させ、中国との関係を濃厚にすると朝鮮半島への中国の意見は強く反映されることになる。
 いくら反発しても北朝鮮は中国にコントロールされており、それに韓国が中国に近接すれば、朝鮮半島は自ずと中国支配の郊外地になる。
 ということは、朝鮮半島全体が米中のぶつかり合いのリングになっていく。
 アメリカは韓国を中国の意思反映する属国モドキと見てしまう。
 アメリカとしては韓国との関係が薄くなれば朝鮮半島でドンパチやることにためらいを持たなくなる。
 その辺のところは韓国もよく理解している。
 それでも中国に寄っていくしか道がないということである。
 危険なカケであるが、カケなければならなくなっている、ということでもある。
 日本にその時、アメリカが韓国をあきらめた分だけ、利得を受け取る立場に立つことになる。
 よって韓国の中国接近は、日本にとっては利益になってくる。
 韓国が中国の抑えの一つでなくなれば、その仕事はすべて日本の肩にかかってくる。
 アメリカは日本を粗略に扱うことができなくなる。
 中国は韓国を歓待すればするほど、韓国はアメリカ離れをする
であろうと読んで、
 意図的に大掛かりな歓迎を実行している。
 実際、韓国がその気ではなくても、周囲はそのように判断してしまう。
 とくにアメリカが韓国に対してそのように感じ始めてきているとしたらどうだろう。
 日本もそう動いてくれることでプラスになると踏んでいる。
 破格の歓待を受けるであろうが、それにうかうかのせられて舞い上がっているようでは、自国を危うくすることになるということである。
 外交はもっと冷徹にバランスで動かないとせっかくの実をもぎ取れない。
 あるのからあるものへ乗り換えるときは慎重に、できれば分からないように密かにやったほうがいい。
 気がついたら乗り換えていた、くらいが一番いい。
 それが外交の基本である。
 スタンドプレイでやると国を危うくする。
 



【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月26日水曜日

揺らぐ韓国のドル箱輸出産業 上半期の輸出伸び率0%台か:スマホと自動車では限界



●韓国の「ドル箱」だった造船業が揺らぎ、今年上半期の輸出伸び率は0%台にとどまるとみられる。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/26 09:27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/26/2013062600667.html

上半期の輸出増加率0%台に、経済成長に黄信号

 韓国政府の関係者は25日、6月の輸出増加率が前年同月比でマイナスを記録する見通しだと発表した。
 年初から5月までの輸出増加率は1.0%で、上半期(1-6月)の増加率は0%台にとどまることが確実だという。

 韓国は国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が56.5%と、主要20カ国・地域(G20)のうちで最も高い。
 輸出が昨年のマイナス成長(マイナス1.4%)に続き今年上半期も停滞し、経済成長に黄信号がともっている。

 輸出増加率が0%台ということは、これに連動する経済成長率も低調が続く可能性が高いということだ。
 輸出の経済成長への寄与率は2011年には「72.8%」に達した。
 例えば、成長率が3%ならこのうち2.2ポイントは輸出が担っていることになる。
 輸出が横ばいを続けているため、輸出主導型の経済成長が期待できない状況になっているというわけだ。

 専門家たちは輸出の停滞について、韓国の輸出を支えてきた造船、鉄鋼、石油化学などの重化学工業の成長に陰りが見えるためと分析している。
 6月の輸出見通しが暗いのも、船舶輸出が前年同月の43億ドル(現在のレートで約4220億円)から20億ドル(約1960億円)ほどに半減すると見込まれるためだ。

 LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は
 「石油類、半導体、自動車、船舶、石油化学という韓国の輸出品目トップ5はここ10年以上にわたり順位さえ変動していない」
と指摘。
 その上で「輸出上位10位、20位以内に入る新たな輸出産業を模索すべきだ」と助言した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/26 09:28
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/26/2013062600676.html

揺らぐ韓国のドル箱輸出産業
上半期の輸出伸び率0%台か

 輸出主導型の成長モデルが限界に来ている
ことは、韓国の主力輸出品目である造船、石油製品、鉄鋼など重化学分野の輸出がマイナスに転じたことから見て取れる。
 これら品目は常に輸出品目5位以内に入り、過去20年余りにわたり、韓国経済の高度成長をリードしてきた。
 これら業種は世界的に景気が好転すれば、一時的に業績が改善する可能性がある。
 ただし、問題は中長期的な見通しが立たないことだ。

■市況が急変した造船業

 最もドラマチックな変化があったのは造船業だ。
 造船業は1990年に韓国の輸出品目5位に浮上して以降、常に上位5品目以内を守ってきた。
 しかし、もはや過去のような「ドル箱」であり続けることは難しくなった。
 輸出がピークを迎えた11年の船舶輸出は565億8800万ドル(現在のレートで約5兆5500億円、以下同)で、韓国の輸出全体の10%以上を占めた。
 しかし、昨年は前年比29.8%減の397億5300万ドル(約3兆9000億円)に低迷し、今年1-5月も前年同期比32.5%減で推移している。
 今年上半期の輸出全体の伸び率が0%台にとどまるとみられる決定的な理由も船舶輸出の低迷だ。

 韓国貿易協会のシン・スングァン分析室長は
 「韓国の輸出は船舶によって揺らいだ」
と指摘した。
 船舶の輸出が増えたか減ったかで、輸出全体の実績が左右されているとの説明だ。

 船舶業界からは
 「今後船舶輸出が輸出全体に占める割合は、過去の半分にまで低下するのではないか」
との声が聞かれる。
 産業研究院のホン・ソンイン研究委員は
 「韓国の造船産業が競争力を維持したとしても、2014年から20年までの造船部門の輸出は年平均300億ドル(約2兆9400億円)台になる」
と予測した。
 ピーク時の輸出実績は、04年から07年までの造船業界のスーパーサイクル(大好況)のおかげで、多量の船舶発注があったために可能だった。
 しかし、今後はそういう状況が生まれる可能性は低い。

 韓国の造船企業は、海洋プラント、大型コンテナ船、液化天然ガス(LNG)タンカーなど特殊船舶で世界最高の競争力を備えているが、
 一般の商船は既に中国に押され、将来性がない
との見方が有力となっている。

 石油化学と石油類は、09-11年に「中国特需」で潤った。
 業界関係者は「特需が再び起きるとは考えにくい」と話した。
 中国政府が10年を最後に2桁成長から転落したのに続き、
 今年は7.5%の成長率を達成するのも困難
とみられている。
 これまで中国と中東では、石油化学分野で設備拡張ブームが起きた。
 鉄鋼も同様だ。
 昨年末現在で全世界の鉄鋼生産能力は年20億トン前後だ。
 このうち供給過剰が5億4000万トンに達し、過剰分の60%に当たる3億3000万トンが韓中日の3カ国に集中している。

スマホと自動車では限界

 それでも情報技術(IT)と自動車は韓国の輸出を何とかけん引している。
 しかし、これら分野も継続的に「保険」の役割を果たせるとは限らない。
 ITと自動車のメーカー各社は、韓国での生産コストと物流コストの上昇などを理由に、 
 韓国にはほとんど工場を置かず、海外で生産を行っている。

 現代・起亜自動車の例を見れば明らかだ。
 11年までは両社の韓国での生産台数は海外での生産台数を上回っていたが、昨年は国内49に対し、海外が51と初めて逆転した。
 起亜自よりも急激に海外進出を図ってきた現代自は、脱韓国のペースがさらに速い。
 現代自の今年1-5月の生産台数に占める国内生産の割合は38%にすぎない。
 昨年の45%から一気に低下した。
 韓国の自動車輸出台数は、金融危機直前の07年の285万台から昨年には318万台へと11.6%増加した。
 しかし、同じ期間に現代・起亜自の海外生産台数は116万台から363万台へと3倍以上に増えた。
 自動車輸出の大幅な伸びが期待できない時代が到来したといえる。

 サムスン電子の最大の収入源である携帯電話端末の生産基地もベトナムなど海外へと急速にシフトしている。
 昨年ベトナム・ハノイ工場では、韓国・亀尾工場の3倍の1億2000万台を生産した。
 その大半が高級スマートフォン(多機能携帯電話端末)だった。




朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/27 17:30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/27/2013062703041.html?ent_rank_news

世界上位500社ランキング 韓中勢が大幅に後退

【ソウル聯合ニュース】
 株式時価総額を基準にした世界企業上位500社ランキングで、
 韓中の企業が大幅に後退した。
 一方、日米の企業は順位を上げたことが27日、分かった。

 米通信社のブルームバーグが集計したランキングによると、時価総額1位はエクソンモービルで、次いでアップル、グーグル、マイクロソフト、バークシャー・ハサウェイと続いた。
 1~10位を米企業が独占している。

 年初には中国企業3社が10位以内に入っていたが、中国株式市場の低迷を受け時価総額が大幅に減少し、いずれもランクを大きく下げた。
 中国石油天然気(ペトロチャイナ)は年初の3位から12位、中国工商銀行は4位から13位、中国移動通信(チャイナモバイル)は5位から19位にそれぞれ後退している。

 韓国企業も
 サムスン電子が年初の17位から27位と10ランク下がり、
 現代自動車も168位から216位と48ランク後退した。
 ポスコは328位から445位、
 現代モービスは364位から452位、
 起亜自動車は444位から482位にそれぞれ下がり、
 年初に473位だったLG化学は500位圏外となった。

 一方、米企業は
 グーグルが6位から3位、
 ウォルマートが7位から5位、
 マイクロソフトが8位から4位、
 バークシャー・ハサウェイが10位から5位
にそれぞれ上昇した。

 また、日本企業も
 トヨタ自動車が11ランク上昇し18位となったほか、
 三菱東京UFJ銀行が90位から70位、
 日本たばこ産業が137位から110位、
 三井住友フィナンシャルグループが151位から128位
にそれぞれランクを上げた。
 先ごろ米携帯電話3位スプリント・ネクステルの買収を決めたソフトバンクは、197位から114位に83ランク躍進した。

 500位以内に入った企業の数は、
 中国・香港が38社で年初から5社減り、
 韓国も1社減の5社となった。
 これに対し、米国は190社で22社、
 日本は33社で2社、それぞれ増加した。

聯合ニュース



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/29 08:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/29/2013062900303.html

韓国の設備投資、13カ月連続でマイナス

 韓国統計庁が28日発表した5月の産業動向によると、韓国企業の設備投資指数の伸び率は前年同月比で11.6%減で、13カ月連続でマイナスとなった。
 アジア通貨危機当時の1997年7月から18カ月連続でマイナスとなったのに次ぐ記録で、企業の投資心理がなかなか回復しないことを物語っている。

 設備投資指数は、今年第1四半期(1-3月)には前年同期比15.4%減少した。
 同指数は電子機器、機械など62業種を対象に企業の投資動向を数値化したものだ。

 設備投資が減少している原因は、輸出比率が高い大規模製造業が投資を増やさないためだ。

 現代経済研究院のチュ・ウォン首席研究委員は
 「世界経済がいつ回復するか不透明なので、企業は相当の手持ち現金を貯めこんでいても、リスク管理の側面で、投資に踏み切れないでいる」
と指摘した。

 投資減少だけでなく、生産も低迷している。
 製造業の生産指数は、年初来減少し、4月に前年同月比で0.5%増えたが、5月は0.4%減と再びマイナスに転じた。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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「中国ベッタリズム」の韓国の悪夢:中韓首脳会談、両国関係は蜜月期に



●24日、韓国大統領が中国を訪問することで中韓の経済関係がさらに強化され、両国関係がかつてない蜜月期に入ると予測されている。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月26日 0時48分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73671&type=0

中韓首脳会談、両国関係は蜜月期に―中国メディア

 2013年6月24日、環球時報(電子版)によると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領がまもなく中国を訪問することについて、ロイターが「中韓の経済関係がさらに強化される」と指摘しているほか、韓国の専門家は
 「首脳会談により両国関係は蜜月期に入る」
と予測している。

 首脳会談で中韓は北朝鮮に核兵器を放棄させることについてコンセンサスを得ることになるとされ、両国の経済関係も会談の焦点になるとみられている。
 すでに中韓の貿易は年2150億ドルもの規模に達しているが、今回の訪中に朴大統領はサムスンやヒュンダイなども含めた過去最大規模の経済使節団を随行させるとみられ、両国の自由貿易協定(FTA)について議論することも期待されている。

 中国は韓国にとって最大の貿易パートナー国であり、韓国も対中貿易で黒字を実現している数少ない先進国となっている。
 韓国は中国に自動車やスマートフォン、薄型テレビ、半導体、石油化学製品などを輸出しており、特にヒュンダイとその傘下にあるキア自動車は中国で日本のメーカー以上の売り上げを達成している。

 上海東華大学の韓国人教授は
 「今回の首脳会談により中国と韓国はかつてない蜜月関係を築くことになると確信している」
と話しており、ロイターも
 「中韓は1992年に国交を樹立したばかりだが、経済だけでなく流行や芸能、ドラマなども中国で人気となっており、その関係は急速に深まっている」
と指摘している。

 また、朴大統領は独学で中国語を学んでおり、中国への関心も高く、中国の現代哲学者・馮友蘭(フォン・ヨウラン)氏の「中国哲学史」を愛読していたことも明かしている。
 4日間の中国滞在中は熱烈な歓迎を受けるとみられ、中国のメディアも朴大統領に好意的な記事を掲載している。



サーチナニュース 記事入力 : 2013/06/26 10:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/26/2013062600950.html

訪中随行団に単独行動禁止、事実上の禁酒令

 今月27-30日に予定されている朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の中国国賓訪問を前に、大統領府が綱紀の粛正に乗り出した。
 訪中随行団に配布された指針書には
 「随行員の単独行動禁止」
 「『足マッサージ』を含む各種風俗業への出入り禁止」
など、さまざまな内容が記載されている。

 韓中首脳会談を2日後に控えた25日午後、大統領府所属の訪中随行団およそ40人が集まり、綱紀の粛正や品位の維持などに関する指導を受けた。

 まず、大統領府の朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席が今回の訪中の趣旨について15分ほどかけて説明。
 朱首席は
 「習近平国家首席は『魚和熊掌不能兼得(サメのうろことクマの手を同時に所持することはできない=欲しい物を両方手に入れることはできない)』という言葉を、政府の役人として生活するに当たっての信条としてきたそうだ。
 この言葉は『政府の担当者は常に個人の欲望を捨て、与えられた任務だけを忠実に果たさなければならない』ということを意味している。
 われわれもこのように、常に緊張感を持って与えられた使命を果たすべきだ」
と述べた。
 習近平首席の言葉は『孟子』から引用されたもので、習首席は福建省の党書記時代から、常に自らを戒めるため
 「政府の役人として仕事をするのなら、個人の利益は忘れなければならない」
という思いで公務に励んできたという。

 続いて「綱紀粛正秘書官室」による品位維持教育とセクハラ防止教育が25分間にわたり行われた。
 この席では
 「常に報告の仕組みを維持せよ」
 「業務がないときは、たとえビール1杯飲む場合にも、一行の行き先、戻る時間などをあらかじめ本部に知らせなければならない」
などの指針が伝えられた。
 事実上の禁酒令とも取れる指示だ。

 中国は北朝鮮と隣接していることから、セキュリティー関連の教育も行われた。
 高級官僚が美女に惑わされ、重要な資料やデータを紛失するといった不祥事など、海外で実際に起こったケースについても説明されたという。
 また、性的暴力予防教育は女性警察官が担当した。
 ある出席者は教育内容について
 「壁に耳あり障子に目ありという考えを持ち、一人でいるときでも行動に注意するよう促すというレベルだった」
と語った。

 また、在中国大使館は朴大統領の訪中に向けた準備のため、現地で17人のインターン職員を新たに採用した。
 同大使館は先月の韓米首脳会談で尹昶重(ユン・チャンジュン)元大統領府報道官が女性インターン職員にセクハラを行った不祥事を考慮。
 男性随行員には男性のインターン職員を、女性随行員には女性のインターン職員を配置し、業務を支援させることにした。


 なにか、
 中国というヘビににらまれた韓国というカエル
といった雰囲気である。
 中国お代官様に絶対に粗相のないないように
といったことを至上命令にしているような朴政権である。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月26日 15時35分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73716&type=0

朴大統領、「史上最大」の経済代表団を率いて訪中
=韓国世論7割が期待―中国メディア

 2013年6月25日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の初訪中は近づくにつれて、韓国国内でも関心が空前の高まりを見せている。
 最新の世論調査によると7割以上の韓国人が今回の訪問に期待し、83%が中韓関係は日韓関係よりも重要だと考えている。
 韓国・聯合ニュースによると朴大統領は27日、「史上最大」の経済貿易代表団を率いて訪中する。
 朴大統領は「重要な時期に行なわれる中韓首脳会談には重大な意義がある」と公に表明した。環球時報が伝えた。

 韓国KBSテレビが24日に報じた、韓半島未来財団が専門機関に委託して行なった世論調査によると、韓国国民のうち中韓関係は日韓関係よりも重要だと考える人は83%に上り、日韓関係の方が重要だと考える人は11.7%に過ぎなかった。
 中韓関係の将来については肯定的な見方の人が85.1%を占め、否定的な見方をする人は8.6%に過ぎなかった。
 間もなく行なわれる中韓首脳会談については、74.4%の人が期待を表明した。
 中韓自由貿易協定(FTA)については賛成が63.6%に上り、反対の24.1%を大幅に上回った。

 韓国MBCテレビによると朴大統領は韓国史上最大の経済貿易代表団を率いて訪中。
 韓国の主な大企業の会長を含む企業界の巨頭が
 「大挙して西進」
する。
 現時点の発表によると経済貿易代表団の規模は71人で、李明博前大統領の初訪中時のほぼ2倍で、朴大統領の先月の訪米時の52人も上回る。
 大韓商工会議所はこれについて、韓国の新内閣が中韓関係を非常に重視していることの現れであり、中小企業の代表も数多く参加しており、彼らによる中国市場の一層の開拓を後押しすると考えている。
 中央日報は
 「朴大統領と韓国経済界は中国に西進する方法について頭を絞ってきた。
 中国経済はすでに以前のような急成長を示すことはないし、2012年の経済成長率上位10都市中7都市が西部の省・市であることから、韓国企業界は経済的に比較的立ち後れた中国西部地域への攻勢に着手した」
と指摘した。

 韓国SBSテレビの24日の報道によると、朴大統領は同日大統領府首席秘書官会議で、朝鮮半島の非核化を実現するため、誠意を示して国際対話の舞台に復帰するよう中国との協力を通じて北朝鮮を説得すべく努力すると表明した。
 朴大統領は同時に
 「中韓両国共に今年新政権が発足した。
 現在は朝鮮半島情勢を含め、政治・経済各方面共に重要な時期にある。
 こうした状況下で行なわれる中韓首脳会談には、なおさらに特別な意義がある」
と表明した。

 「朴大統領の対中魅力攻勢」、ロイター通信は23日この見出しで「東アジア情勢はただならぬ時期にあり、中国や韓国と北朝鮮、日本との関係はいずれも試練を受けている。
 今回の中韓首脳会談は両国にかつてない蜜月期を開く」と分析。
 そして「中国では韓国のファッション、ロックスター、人気ドラマの俳優に夢中になる若者が少なくない」と指摘。
 さらに「中韓首脳会談では朝鮮核問題が重点となる」と報じた。

(提供/人民網日本語版・翻訳/ NA・編集/武藤)


 周辺諸国が中国と距離を置きつつある昨今、
 どちらかというと全体的に下降局面に入ってきている中国にラブコールを送る唯一の国が韓国である。
 中国としては、最高の歓待をしなければならないはめとなっている。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/27 09:30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/27/2013062700806.html

【萬物相】中国の歓待外交




 2000年代初め、中国・北京駐在の韓国特派員たちが釣魚台の国賓館に招待された。
 武装警察が警護する正門を過ぎ、うっそうとした木々の間を抜けると、「四季庁」とも呼ばれる第18号楼に到着した。
 廊下には真っ赤なカーペットが敷き詰められ、高級な紅の木の家具や陶磁器、書画などが並べられていた。
 最高の調理師たちによる10品ほどの料理は、満腹になっても「もっと食べたい」と感じさせるようなものばかりだった。
 深いスリットの入ったチャイナ・ドレス姿の女性たちは、器に入った茶や酒が飲み干される前から次々と注いできた。
 その場にいた韓国人記者たちは「自分たちは丁重な接待を受けている」と誰もが自然に感じていた。

 北京の北西部にある釣魚台には、42万平方メートルの森の中に5万平方メートルの玉淵潭と呼ばれる湖がある。
 釣魚台という名称は、およそ900年前に金の皇帝の章宗(1168-1208)が土台を築き、釣りを楽しんだことに由来する。
 清の乾隆帝は玉泉山(現在の湖北省)の池の水を釣魚台にまで持ってこさせて湖を作り、行宮(皇帝の一時的な滞在場所)を建設して「釣魚台」という文字を扁額(へんがく)に直接書いた。
 その後しばらくは歴代皇帝の別荘の釣り堀として使用されていたが、1949年の共産革命で現在の政府が成立してからは、海外の元首たちが滞在する迎賓館として使用されるようになった。

 釣魚台にある16の建物はいずれも深い森の中にあり、ほかの建物に誰が滞在しているのか分からないようになっている。
 現場で働く職員たちも、滞在客を「○○号のお客さま」としか呼ばない。
 これらの別荘のうち最も景色が見事なのが第18号楼の「総統楼」だ。
 いわゆる「ピンポン外交」と呼ばれる卓球での交流をきっかけに中国を訪問した米国のニクソン大統領をはじめ、レーガン大統領、ブッシュ大統領、クリントン大統領といった歴代の米国大統領、英国のエリザベス女王にサッチャー首相、日本の今上天皇も宿泊したことがある。
 さらに韓国からは盧泰愚(ノ・テウ)大統領、金泳三(キム・ヨンサム)大統領、金大中(キム・デジュン)大統領、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領、李明博(イ・ミョンバク)大統領も宿泊した。
 北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席がトウ小平氏と会談し、金正日(キム・ジョンイル)総書記が1日宿泊したのもこの第18号楼だ。
 韓中国交正常化に向けた極秘接触もここで行われた。

 中国が海外の首脳をかつての皇帝の別荘に宿泊させ、最高の料理とサービスで歓迎する理由は、古くから伝わる外交手法の一つだ。
 かつての王朝時代、東アジアの中心的な国家だった中国は、周辺国から貢ぎ物を受け取り、それに対して恩賜を与え、その国の王に対して王になることを命じる「冊封」によって周辺国を管理してきた。
 中国の皇帝は各国からの使臣を常に手厚くもてなし、持ってきた貢ぎ物よりも多くの恩賜を持たせて帰らせた。
 これは使臣たちに自国に戻ってから中国を称賛するよう促す狙いがあったわけだ。
 唐の太宗は娘の文成公主を吐蕃(チベット)のソンツェン・ガンポ王のきさきとし、吐蕃を婿の国として扱った。

 韓中首脳会談のためきょう中国に向けて出発する朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の宿泊先は、釣魚台の18号楼だ。
 朴大統領は2008年に大統領特使として中国を訪問したときもここに宿泊した。
 朴大統領を迎える中国も歓迎の熱気に包まれている。
 環球時報は「朴大統領は中国語を話すことができ、中国の歌『甜蜜蜜』を歌うこともできる」と紹介した。
 ただし、大きな歓迎を受けるのは確かに気分がよくありがたいことだが、外交の本質は歓迎を受けることとは別問題だ。
 どこに宿泊しどのような歓迎を受けたとしても、首脳外交で何らかの実質的な成果を手にしなければならないことは何も変わらない。

 


【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月24日月曜日

中国経済の成長低迷:翻弄される韓国経済

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●朝鮮日報から


 「中国を唯一の選択肢」としている韓国にとって中国経済の成長降下はすこぶるの痛手になる。
 中国は「これから悪夢へ突入する」、と言う人もいる今日、韓国の「中国ベッタリズム」は果たしてどういう結果をもたらすのだろうか。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/24 09:26
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/24/2013062400843.html

中国の経済成長調整、韓国経済に悪材料

 中国の金融市場は先週、パニックに陥った。
 銀行間で資金を融通する翌日物金利は一時、年13.85%に達した。
 先月までは3-4%で推移していたが、一気に2桁台に跳ね上がった。
 中国の10大銀行のうち数行では、経営破綻説もささやかれた。
 北京の金融業界関係者は23日
 「銀行間金利を見る限り、2008年の金融危機並みの水準だった」
と述べた。

 中国経済は今年3月に正式に発足した習近平政権の転換期リスクに苦しんでいる。
 中国の新政権は発足と同時に、
 中国経済をこれまでの高速成長から中速成長に、経済の中心軸を輸出ではなく内需に転換することを宣言した。
 世界的な金融危機の中で、中国経済がはらんでいるバブルを取り除き、経済構造を改革する姿勢を示した格好だ。
 その直撃を受けたのが金融市場だった。

■ホットマネー断絶で銀行危機

 中国の銀行で信用収縮が起きているのは、中国政府が信用バブルを抑制するため、資金供給を抑制したことが原因だ。
 08年に金融危機が起きて以降、経済成長を維持するため、融資を増やした結果、中国の企業、家計、政府の負債は雪だるま式に膨らんだ。
 中国の融資残高の対国内総生産(GDP)比は、08年の153%から昨年半ばに183%まで増えた。
 問題は供給された資金が不動産などに流入し、バブルが発生して、物価上昇を招くという悪循環が生じたことだ。

 中国政府は信用バブルを取り除くため、まず香港から流入するホットマネーをシャットアウトしようとした。
 例えば、中国のノンバンクは輸出額を水増し申告するて手口で、輸出代金としてホットマネーを中国本土に持ち込み、投機資金に充ててきた。
 香港からのホットマネー流入が止まった結果、銀行は流動性不足に直面している。
 大手銀行の中国光大銀行と興業銀行が決済不能に陥ったといううわさが流れ、銀行の危機感はさらに増幅された。

 中国の銀行が悲鳴を上げているものの、中国政府は金融機関に向けた矛を収めていない。
 22日付の中国共産党機関紙・人民日報によると、李克強首相は
 「中国は通貨供給増大に依存し、
 大規模な資金供給で経済を活性化する
という過去のような道は歩まない
と述べたという。

■実体経済の低迷リスク

 中国の転換期リスクは、実体経済の面に強く反映される可能性が高い。
 輸出よりも内需を刺激するというのが、中国の新政権の基本的立場だが、腐敗撲滅を同時に掲げているため、輸出と内需が同時に低迷する可能性もある。
 中国の百貨店で衣料品売り場を展開する先進グループの張竜煥(チャン・ヨンファン)社長は23日
 「年初来の売上高が前年比約25%減少した」
と述べた。

 さまざまな統計指標にも中国経済の低迷が見て取れる。
 6月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)は48.3で、9カ月ぶりの低水準となった。
 PMIが50以下になると、景気が後退していることを示す。
 先月の輸出増加率は1%台にとどまった。
 中国の経済専門家は、今年第1四半期(1-3月)に7.7%まで低下した中国の経済成長率が、第2四半期(4-6月)にはさらに低下すると予測している。

 しかし、中国政府指導部は「経済再生」よりも反腐敗運動などに力を入れている。
 閣僚級を除く公務員の食事代を1食150元(約2400円)以下にする規定が設けられたとのうわさも流れた。
 年80億元(約1280億円)に達する中国の公務員の事務費が抑制され、消費の伸び率が年14%から12%台に低下するとの見方もある。

■中国経済の低迷、韓国には深刻な悪材料

 中国の景気低迷は韓国経済には深刻な悪材料となる可能性が高い。
 韓国の昨年の対中輸出は1343億ドルで、米国(585億ドル)、日本(387億ドル)の合計を上回る規模だった。
 全国経済人連合会(全経連)が韓国の製造業で売上高上位400社の中国法人を対象に実施した今年下半期の企業景気実査指数は、基準値(100)を大きく下回る90.7にとどまった。
 中国の景気動向を否定的に捉える韓国企業が多いことを示している。

 中国の中速成長の影響を既に受けている企業も少なくない。
 機械設備メーカーの斗山インフラコアは、今年第1四半期に建設重機部門で約100億ウォン(約8億円)の赤字を出した。
 前年同期の1420億ウォン(約120億円)の黒字と比べれば天と地の差だ。
 中国の山東省、浙江省にある掘削機工場の第1四半期の稼働率は23%で、事実上の休業状態に陥っている。
 中国経済金融研究所の全炳瑞(チョン・ビョンソ)所長は
 「中国の新政権は中国の体質を完全に変えようとしているが、韓国企業は新たなムードに適応できずにいる」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/24 10:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/24/2013062401082.html

韓国の対中輸出、累計1兆ドルを突破

 全国経済人連合会(全経連)は23日、1992年の韓中国交正常化以降、今年4月までの韓国の対中輸出が1兆41億ドルとなり、1兆ドルの大台を超えたと発表した。
 韓日国交正常化(65年)以降48年間の対日輸入額(1兆21億ドル)を上回る数字だ。

 韓国の対中輸出は増加を続けている。
 国交正常化以降21年間の年平均伸び率は22.94%で、同じ期間の輸出全体の伸び率(10.35%)の2倍以上に達する。
 中国への輸出が最も多かったのは半導体で1006億8000万ドル。
 中国からの輸入が最も多かったのはコンピューターで470億5000万ドルだった。

 対中貿易黒字は累計で3445億7000万ドルに達した。
 昨年の平均為替水準(1ドル=1126.80ウォン)でウォン換算すると388兆ウォンとなり、昨年の韓国政府の予算規模(342兆ウォン)を上回る。

 また、国交正常化以降の韓国の対中投資は565億ドルで、中国の対韓投資(44兆6000億ドル)の12.7倍に上った。

 過去21年間に中国を訪れた韓国人は延べ3986万人で、韓国を訪れた中国人(1617万人)の2.5倍を数えた。
 このため、昨年までの累計観光収支は110億ドルの大幅な赤字だった。

 全経連のチョン・ボンホ・アジアチーム長は
 「国交正常化から21年で輸出が1兆ドルを超えたのは、韓国の貿易相手国で最速だが、
 2010年以降は対中輸出の伸び率が低下しており、対策が必要だ」
と述べた。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月21日金曜日

中韓二国間FTAの未来:中国に韓国が飲み込まれていくプロセス

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●2日、中国が韓国の産業界とすでに形成している堅固な経済・貿易関係をよりどころとし、中韓二国間自由貿易区の協議を適時推進する。中国はこうすることで日米韓同盟に亀裂を生じさせ、日米に警告を与えることが可能だ。資料写真。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/21 01:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/21/2013062100270.html

韓国・EUのFTA 発効から2年で赤字に転換

【ソウル聯合ニュース】
 韓国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)発効(2011年7月1日)から2年で、対EU貿易収支が赤字に転落した。

 韓国産業通商資源部によると昨年7月から先月までの対EU輸出額は437億ドル(約4兆2620億円)で前年同期比6.5%減少した。一方、輸入は7.7%増加の486億ドルを記録し、49億ドルの赤字となった。

 FTA発効1年目(2011年7月~2012年5月)は輸出が467億ドル、輸入が451ドルで16億ドルの黒字だった。
 同部は「欧州債務危機の影響で現地の輸入需要が減少したことが赤字の原因」と説明した。

 輸出の場合、最も比重が高い船舶が世界的な景気低迷で輸出価格と物量がともに下落し、全体の輸出減少につながった。
 だが、FTAで関税引き下げの恩恵を受けた品目は1.5%の減少にとどまり、関税引き下げ対象外の品目(マイナス12.2%)に比べ相対的に善戦したと同部は説明した。

 輸入は関税引き下げのほかイランに対する貿易制裁で北海産原油の輸入が急増したことを受け、高い増加率を見せた。
 原油、自動車などFTAの恩恵を受ける品目(14.1%)が上昇をけん引した。

 また、中小企業の輸出はFTA発効直前の2年に比べ発効後2年間で1.7%増え、全般的に善戦したと評価された。
 FTAの恩恵を受けた品目のうち、実際にFTAを活用した比率を表すFTA活用率は1年目の79.4%から2年目は80.1%とわずかに上昇した。
 2年目の欧州から韓国への海外直接投資(FDI)は32億7000万ドルで、1年目に比べ13.3%減少し、FTAのメリットを十分に生かしきれていないと分析された。

聯合ニュース


 朴政権が両手で進めている「中韓FTA」の未来の姿は今の「EU韓FTA」に現れている。
 その結果として、韓国は利益を手にする僅かな時を経て、徐々に中国に飲み込まれていく。
 そして後年には
 「朴政権は韓国を中国に売リ渡した」政権
の汚名を被る可能性も高いだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年6月22日 11時29分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73530&type=0

日中韓自由貿易圏、実現すれば世界3位の経済ブロック成立―中国メディア

 2013年6月20日、日中韓の自由貿易協定(FTA)をめぐる交渉は、今年3月に第1回会合が行われたのに続き、今月18日には山東省威海市で自由貿易圏建設の関連問題について話し合いが行われた。
 話し合いでは主に自由貿易圏の意義、貨物貿易、サービス貿易、投資の問題が話し合われた。
 3カ国協力秘書処(事務局)の申鳳吉(シェン・フォンジー)秘書長(事務局長)によると、日中韓自由貿易圏が成立すれば、15億人の人口と15兆ドル(約1458兆円)の国内総生産(GDP)を擁する共同市場が形成され、世界3位の経済ブロックが誕生する。
 それは地域経済の一体化を促し、3カ国の協力を進めるための着実な基礎固めになるという。
 新華社が伝えた。

 ある統計によると、2012年の3カ国のGDP合計は15兆ドルに達し、アジア全体の70%、世界全体の20%を占めた。
 また、3カ国はいずれも世界の貿易大国で、12年の輸出総額は3兆4000億ドル(約330兆4460億円)に達し、世界全体の19%を占めた。

 中国商務部(商務省)国際貿易交渉の兪建華(ユー・ジエンホア)副代表によると、日中韓3カ国は東アジア地域で経済力が最も強く、貿易と生産の連携が最も密接な3つの経済体であり、日中韓自由貿易圏を建設することは東アジア経済の一体化プロセスにとって、ひとつの指標となる一大事件だ。
 中国政府は日韓政府とともに、自由貿易圏の建設を積極的かつ着実に進めていきたい考えだという。

 話し合いでは参加者から、日中韓自由貿易圏交渉は内容が広範囲にわたるもので、関税の軽減だけでなく、産業協力、貿易の利便化、基準の制定なども含めるべきとの意見が寄せられた。
 農業などの「敏感」な分野、交渉の進め方といった具体的な問題について、詳細に検討し、妥当な解決をはかるべきとの意見も出された。
 兪副代表は、交渉では開放レベルが高く、ルールや基準のレベルも高く、利益がおおよそ均衡する貿易の自由化・利便化合意の締結に向けて努力すると話す。
 また、未来の3カ国の自由貿易圏をめぐる合意は、平等で相互利益の合意になると述べた。

 日中韓自由貿易圏交渉は2012年11月に正式にスタートし、今年3月には韓国・ソウルで初会合が行われた。第
 2回会合は今年7月に上海市で、
 第3回会合は年末に日本で行われる予定だ。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)


 日中韓の自由貿易協定(FTA)が結ばれることはほとんどない
というのが見通しだろう。
 反日の強い中国・韓国と手を結ぶ利益性に日本は価値を見出すことはないからだ。
 日本は韓国を見限っているし、中国とはすべてにわたってギクシャクしてしまっている。
 日中関係が少なくとも1年半前のレベルに戻ることはもはやないだろう。
 また、ほとんどドロ沼の韓国、あるいは減速成長で「悪夢の時代へ突入」しつつある中国と協定したところで日本にとっては足かせになるだけとみてよい。
これまで条件がよかった時代ですら、遅々として進まなかった交渉が、
 相手側の環境がどんどん暗さを増している昨今では、ほとんど難しくなってきている。

とすると、日本を外した『中韓自由貿易協定(FTA)』といった二国間協定になる可能性が大きい。
 そして結果として、トップの記事のように、中国の一方的な利益、そして韓国に不利に働く可能性が高くなる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月3日 10時29分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73937&type=0

中韓が自由貿易協定の交渉を推進、日米に対する「警告」に―中国メディア

 2013年7月2日、中国が韓国の産業界とすでに形成している堅固な経済・貿易関係をよりどころとし、中韓二国間自由貿易区の協議を適時推進する。
 中国はこうすることで日米韓同盟に亀裂を生じさせ、日米に警告を与えることが可能だ。
 国際金融報が伝えた。

 韓国初の女性大統領、朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪中の旅は「完璧」だったと言える。
 中韓の交流・提携の枠組み、北朝鮮の核問題の他に、朴大統領の最大の収穫は、習近平(シー・ジンピン)国家主席と以下の2点で認識を一致させたことだ。

①.・両国は経済・貿易、環境保護、サービス貿易、ハイテク技術など幅広い分野で提携を深化させ、相互利益となるハイレベル自由貿易協定を早期締結し、両国の貿易額を2015年までに3000億ドル(約30兆円)とする目標を期限通りに実現する。

②.・両国の通貨スワップ協定を延長し、本国通貨の両替規模の拡大を目指し、金融提携を深化し、国際金融リスクに共同対応する。

 中韓の経済・貿易提携の深化は、相互利益につながる。
 中韓は国交樹立から21年間で、貿易額を当初の約50倍に拡大した。
 中国は長年に渡り韓国にとって最大の貿易相手国・輸出市場・輸入相手国であり、韓国も中国にとって第3の貿易相手国となった。
 中韓の2012年の貿易額は、前年比4.4%増の2563億ドル(約25兆6300億円)で過去最多を記録した。
 韓国経済の中国経済に対する依存度が高まっており、中国経済の持続的・安定的な成長は韓国経済の安定につながっている。
 中韓自由貿易協定が締結されれば、韓国企業は世界最大の市場を獲得し、日増しに海外進出を加速する中国の資本を受け入れ、韓国経済の新たな原動力とすることができる。
 また二国間貿易の面から見ると、中韓自由貿易協定は中国経済にとっても重要な意義を持つ。
 韓国のハイエンド科学技術製品は、日本や欧米と比べコストパフォーマンスが高い。
 中国製品は韓国という「飛び板」により、日米欧の市場進出の際に多くの差別や厄介事を回避し、さらにコストを大幅に削減できるようになる。

 喜ぶ人がいれば、不満を抱く人もいる。
 中韓自由貿易協定は、米国と日本の神経を尖らせるだろう。
 米国は世界唯一の超大国であり、群雄を見下すことが可能であった。
 しかし中国経済の持続的な成長により、米国は大きなプレッシャーを感じている。
 米国は中国を仮想敵とし、内政から外交に到るまで中国の発展を極力妨害し、さらにはアジア太平洋回帰の重大な戦略を開始した。
 経済・貿易面で、中国は複数の自由貿易協定によるアジア自由貿易体を主導しようとしている。
 中国ASEAN(東南アジア諸国連合)自由貿易区は2010年より全面的にスタートされ、2012年5月には中韓の自由貿易協定の交渉が始まり、2012年11月には日中韓自由貿易協定の交渉が始まった。
 米国がこれに介入しないはずがなく、TPP(環太平洋連携協定)加入を宣言した。
 米国は日本をTPP交渉に巻き込み、東アジア経済一体化の進捗(しんちょく)に全面的に介入し、これを主導しようとしている。
 米国はさらに裏から圧力をかけ、日中韓自由貿易区の交渉を妨害している。

日本は常に米国についており、米国のアジア太平洋回帰に積極的に協力し、自らその先鋒を務めている。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題の発生後、日中関係はかつての「政冷経熱」から「政冷経冷」になり、日中韓自由貿易協定は何度も棚上げになった。
 3カ国が正式に交渉を開始してからも、日本政府は米国がこれを好ましく思っていないことから、おざなりにしている。
 朴大統領は今回の訪中で、中国との自然な親しさを示し、両国は自由貿易協定の交渉で認識を一致させた。
 これは日本にとって好ましくないことだ。
 米国人の従者を長年務めている日本も、心の中ではよく分かっているはずだ。
 軍事面で米国の核兵器の保護に依存することは、日本の利益にかなうので大きな問題ではない。
 しかし日本は経済面で、日米同盟から何らかの利益を得たことはなく、プラザ合意がその一例だ。
 安倍首相は再任後、無制限の金融緩和を推進し、一時的に一定の成長を実現した。
 しかしこの経済モデルは持続性が欠けており、中国を含めたアジア諸国との経済・貿易協力の発展が、避けては通れない道となっている。
 日韓が対中貿易で競い合っているとするならば、日本はすでに出遅れたと言える。
 戦略を調整し対応に当たらなければ、日本は「失われた20年」を繰り返すかもしれない。

 米国の包囲強化、韓国との経済・貿易の連携強化に対して、中国は実務的かつ知性あふれる措置をとっている。
 TPP交渉で、中国は相手の裏をかくことができる。
 中国はTPPをアジア太平洋の経済統合の契機とし、交渉の扉を開き、交渉の中で米国主導の目論見に対して警戒を維持する。
 中国はその一方で、韓国などの国との実質的な自由貿易協定の交渉を実務的に進める。
 韓国の産業界とすでに形成している堅固な経済・貿易関係により、中韓二国間自由貿易区の協議をタイムリーに推進することで、日米韓同盟に亀裂を生じさせ、日米に警告を与えることが可能だ。

(提供/人民網日本語版・翻訳/ YF・編集/武藤)


 なぜ、こういう論理が導き出されてくるのか、ちょっとわかりにくいが、当事者はそう思い込んでいるのだろう。
 というより、そう思い込もうとしているのだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年9月5日 13時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76398&type=0

韓国の農民2500人がソウルで抗議活動=中韓FTAに反対し―米メディア

 2013年9月3日、韓国の農民約2500人がソウル駅前広場に集まり、中国と韓国の間で話し合いが進められている自由貿易協定(FTA)に反対する抗議活動を行った。
 米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語版が伝えた。

 中韓両国は現在、中国山東省[シ維]坊市で7回目のFTAに関する協議を行っている。
 韓国の農民たちは
 「FTAが結ばれることで、将来的に中国から大量の農産物が輸入され、韓国の農業が大打撃を受ける」
と主張。
 彼らは韓国政府に対し、米をはじめとする農作物の最低価格を保証するよう強く求めている。

 韓国農民連盟の李(イ)会長は農産物の価格について
 「政府は農民が十分に暮らせる適正な価格に設定してほしい」
とし、中国とのFTAについては「政府は中国から輸入を予定している農産物を、韓国側でまかなえるようにすべきだ」と語った。

 2012年5月から、韓国政府は最大の貿易相手国である中国とFTAの協議を重ねている。


 中国から安い農産物が韓国に入ってくることはない、と思うのだが。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月20日木曜日

乾いたハンカチも絞れ!:税収不足の苦肉の策、アアー「底知らず不況!」





朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/20 11:06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/20/2013062001144.html

今年1-4月の税収11%減、税務調査を強化

 企画財政部(省に相当)と国税庁は19日、今年1-4月の税収実績を明らかにし、関税を含む総税収は73兆6437億ウォン(約6兆2400億円)で、前年同期を9兆3521億ウォン(約7900億円)、率にして11.3%下回った。
 今年の税収目標は210兆3981億ウォン(約17兆8300億円)で、税収達成率は前年(40%)を下回る35%にとどまっている。

 1-4月の税制不足分からみて、年末までこの状態が続けば、税収が目標を28兆ウォン(約2兆3700億円)以上下回ることになる。
 朴槿恵(パク・クンヘ)政権は5年間に年間27兆ウォン(約2兆2800億円)、総額135兆ウォン(約11兆4400億円)を福祉財源に充てると公約しているが、当てにしていた税収が増えるどころか激減している状況だ。

 税収が最も減少したのは法人税だった。
 景気低迷で企業の昨年の収益が急激に減り、法人税収は前年同期を3兆7717億ウォン(約3200億円)下回った。
 不況で庶民も富裕層も財布のひもを締めたため、付加価値税、個別消費税などの税収も減少した。



 税収を増やす最も確実な方法は、経済成長率を引き上げることだが、
 政府は当面の税収を確保するため、企業の税務調査に力を入れている。
 しかし、税務調査による税収増には限界がある。
 2011年の法人税収44兆8728億ウォン(約3兆8000億円)のうち、税務調査で追徴した税金は4兆4437億ウォン(約3800億円)で、全体の10%に満たなかった。

 専門家は、国税庁の税務調査が長期化すれば、企業活動が委縮し、経済活動に悪影響が及ぶことを懸念する。
 西江大の趙潤済(チョ・ユンジェ)教授は
 「不足した税収を税務調査で埋め合わせようとすれば無理が伴い、企業の不安感だけが高まるのではないか」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/20 11:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/20/2013062001150.html

税収パンク危機、税務調査に総力

 大邱市で自動車部品を生産している中堅メーカーA社は、今月初めに税務調査に訪れた係官を見て驚いた。
 管轄の税務署や大邱地方国税庁の職員ではなく、首都圏を管轄する中部地方国税庁の係官が現れたからだ。
 いわゆる「交差調査」と呼ばれるもので、厳正な税務調査が必要な場合、他地域の係官を派遣する異例の調査方式だった。
 2年前にはサムスン電子への税務調査に管轄の中部地方国税庁ではなく、ソウル地方国税庁が動員され、注目を集めたことがある。

 首都圏にある物流会社B社は、税務調査を終えた国税庁が多額の追徴課税を行おうとしたため、釈明資料を提出したが、ほとんど受け入れられなかった。
 それで抗議すると、国税庁の係官に
 「まずは納税してください。不満があれば提訴して取り戻してください」
と告げられた。

 景気低迷で税収確保が難しくなった国税庁は、税務調査で総力戦を展開している。
 今年1-4月の税収が前年を約9兆3500億ウォン(約7900億円)下回ったため、最も容易な税収源として、企業への圧力を強化した格好だ。
 首都圏の税務署長は
 「今年計画していた税務調査を9-10月までに全て終えるようにと上からせかされている。
 計画していた調査が終わった後に、予定になかった調査もやれという意味だ」
と話した。

■不況で税収に穴

 不況は税収全体に悪影響を与えている。全14税目のうち法人税を含む12税目で税収が前年を下回った。
 8四半期連続で前期比の経済成長率が0%台にとどまるなど、景気低迷が長期化しているためだ。

 景気悪化による直撃を受け、企業が大幅減益となった結果、法人税収の減少幅が最も大きかった。
 韓国取引所によると、12月決算の上場企業624社の営業利益は合計58兆8411億ウォン(約4兆9900億円)で、前年を2兆3041億ウォン(約1950億円)下回った。
 サムスン電子を除く減益幅は11兆ウォン(約9300億円)を超える。
 このため、1-4月の法人税収は前年に比べ約3兆7000億ウォン(約3100億円)減少した。

 個人所得税は前年より166億ウォン(約14億円)の税収減だった。
 就業者の伸びが昨年の月平均40万人台(前年同月比)から今年は20万-30万人台に落ち込み、源泉徴収による税収が減少したためだ。

 消費低迷も税収減少の一因だ。
 全ての商品とサービスにかかる付加価値税の税収は前年を1兆555億ウォン(約890億円)下回った。
 さらに、世界的な景気低迷で貿易が伸び悩んだことから、関税が6000億ウォン(約510億円)減少、株価低迷で株式取引に課税される証券取引税も7516億ウォン(約640億円)減少した。

■税金搾り取り、デメリットに懸念

  政府は税収不足を企業に対する税務調査でかき集めている。
 しかし、税務調査を通じた搾り取り式の税収上積みには限界がある。
 巨額の追徴課税を行うためには、大企業の税務調査を行う必要があるが、主な大企業は昨年既に定期税務調査を終えており、今年も調査を行うのは困難だ。

 例えば、サムスン電子は昨年、定期税務調査を受け、5000億ウォン(約420億円)近い税金を追徴された。
 現代・起亜自は今年の定期調査対象ではない。
 このため、今年定期税務調査の対象となる中堅企業が思わぬ犠牲になっている。
 中堅企業に対する調査が強化され、末端税務署が管轄する比較的小規模の企業にも調査が拡大されているためだ。
 言い換えれば、網の目を小さくして、底引き網漁のような税務調査を行い、税金を集めているようなものだ。

 さらに政界では、公正取引法による集団訴訟制度、通常賃金体系の見直し、整理解雇の条件強化など、企業に対する規制強化が検討されており、企業の経営環境は厳しさを増している。

 しかし、法人税は他の税目よりも景気の流れに左右されるため、国税庁が底引き網式の税務調査を行うことには問題点も多い。
 韓国租税研究院は、経済成長率が1ポイント低下すると、韓国の法人税収の伸びが1.4ポイント低下すると試算している。

 租税研究院長期財政展望センターのチェ・ソンウン・センター長は
 「法人税と個人所得税は景気に特に敏感で、無理に徴収しようとしても効果が上がらない」
と指摘。
 延世大の李斗遠(イ・ドゥウォン)教授(経済学)は
 「脱税根絶のための税務調査は必須だが、無理な税務調査は税収確保に少しは役立つとしても、企業の不安感をかき立て、経済活力を低下させる副作用を生みかねない」
と警告した。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月17日月曜日

迷走、迷走、また迷走:韓国型ロケットと宇宙開発




朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/17 11:17
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/17/2013061701221.html

【社説】宇宙ロケット開発、急ぐことが重要なのか

 韓国政府が、初の韓国製宇宙ロケットの打ち上げ時期を、当初の目標の2021年から2年前倒ししようとしたが、原点に戻って検討し直す意向を固めた。
 見込んでいた1兆5000億ウォン(約1260億円)の予算があまりにも少なく、また技術開発に要する時間も足りないと判断したためだ。

 韓国製ロケットは、15トン程度の実用衛星を地上600-800キロ上空に打ち上げるのに用い、3段式ロケットとする計画だ。
 2021年に打ち上げに成功した場合、25年には月面着陸機を打ち上げるというのが政府の当初の計画だった。
 だが昨年末の大統領選挙で、朴槿恵(パク・クンヘ)候補(当時)が
 「2020年に月に太極旗(韓国国旗)をはためかせる」
と主張したため、時期を前倒ししたものの、結局本来の計画に戻ったというわけだ。
 予算が不足したためだというが、仮に予算の問題がなかったとしても、宇宙ロケットは土木工事の工期を短縮するように、無条件で早く作ることが決していいことだとはいえない。

 韓国は1990年代にも、宇宙ロケットを独自に開発しようとした。
 だが、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「テポドン」発射(北朝鮮は人工衛星の打ち上げと主張)に刺激を受けた韓国政府が2002年、技術の中核となる1段目ロケットをロシアから購入し打ち上げるという方針に転換した。
 これが「羅老号」の打ち上げプロジェクトだ。
 だがロシアは韓国に対し、1段目ロケットに関する技術を全く提供しなかった。
 2回にわたる羅老号の打ち上げ失敗を受け設置された調査委員会の韓国側の専門家たちも、ロシア製のエンジンには近付くことさえできなかった。
 完成品の導入という容易な方法に期待する余り、ロケットの開発に必要な燃焼実験を行う場所も建設できなかった。
 一過性のイベントにすぎないロケットの打ち上げ
のために、韓国の宇宙産業は事実上10年もの歳月を無駄にしたことになる。

 宇宙ロケットは、精密機械や電子部品、通信、コンピューター、新素材、人間工学など、最先端の技術を基にする、総合的な産業によって生み出される製品だ。
 宇宙技術を発展させるためには、航空技術の基盤も強固にする必要がある。
 十分な設備も経験もない韓国が、宇宙ロケットの開発を2-3年も前倒しするというのは、誰が見ても無理があった。
 当初、2021年に計画していた韓国製ロケットの開発目標も設計や製作、実験など数千もの段階が全てうまくいくという楽観的な見通しが根拠になっている。

 すでに1960年代、人間が月面に降り立った状況の中、ロケットの打ち上げは何年か早く実施するのではなく、丹念に技術力を蓄積させていくことが重要だ。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/15 09:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/15/2013061500485.html?ent_rank_news

韓国独自開発ロケットの足引っ張る資金
打ち上げ時期2年繰り上げならさらに7000億ウォン
従来の日程通りでも予算大幅不足

 韓国の独自技術で作られた初の宇宙ロケットとなる「韓国型発射体(韓国型ロケット)」打ち上げ時期
は政治的な理由で2年繰り上げられたが、再び本来予定されていた時期に戻る可能性が高まった。
 専門家は
 「(韓国初の人工衛星搭載ロケット)『羅老号』(KSLV-1)開発失敗の前轍(ぜんてつ)を踏まないよう、宇宙ロケット開発は科学的な論議だけで進められるべきだ」
と口をそろえる。

 韓国型ロケットは重さ15トンの実用衛星を地上600-800キロの上空に打ち上げることができる3段宇宙ロケットで、当初は2021年に打ち上げられる予定だった。

 ところが、昨年12月6日に当時の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領候補(現大統領)がテレビ討論会で「2020年に月に太極旗(韓国国旗)を掲げる」と公約、打ち上げ時期繰り上げを打ち出した。
 このため未来創造科学部(省に相当、以下、未来部)は今年4月の大統領業務報告で、公約実践のため韓国型ロケットの開発計画を21年から19年に繰り上げると発表した。

 それにもかかわらず開発時期が元に戻ることになったのは予算不足のためだ。
 未来部は打ち上げ時期を2年繰り上げるのに7000億ウォン(約584億円)程度の追加予算がかかると見込んでいる。
 しかし、現在のところ追加の予算どころか従来の時期通りに打ち上げるための予算も大幅に不足している。

 パク・テハク韓国型発射体事業団長は14日
 「昨年まで支援されたロケットの開発予算は当初計画の47%にとどまっている。
 今年は補正予算で大幅に増えたが、それでも確保しているのは必要予算の70%程度だ」
と述べた。

 未来部のイ・サンモク第1次官も
 「このほど発刊された『国政課題』資料からロケット開発の時期が除外されたのは、予算確保の面で大統領公約の実現が可能かどうか再検討する必要があったから」
としている。

 専門家たちは
 「ロケット開発時期を無理に繰り上げれば、韓国型ロケットは『第2の羅老号』になりかねない」
と懸念していた。
 羅老号が10年以上も足踏み状態にあったのも、金大中(キム・デジュン)政権時に大統領府が打ち上げ時期繰り上げを指示したためだった。
 北朝鮮のテポドン・ミサイル発射に刺激され、大統領府の圧力で政府は02年、時間がかかる独自開発ではなくロシアの技術導入に方向転換した。
 今回も昨年12月に北朝鮮の「銀河3号」が発射されたことからロケット開発時期繰り上げ論が取りざたされるようになった。

 韓国型発射体事業団は現在、エンジン試験施設の構築やエンジン予備設計を進めている。
 来年8月の予備設計が終わり次第、実際の製作図面設計に入る。
 事業団職員約190人とサムスン・テックウィン、現代ロテムなどの企業側人材約50人が初期設計から共に開発に当たっている。



 ロケット開発の一方に戦闘機(KFX)開発がある。
 自前でロケットすら開発できないのに戦闘機(KFX)を開発できるのであろうか。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/23 08:42
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/23/2013062300060.html

【コラム】先端兵器の国産化は「創造経済」のエンジン

 今月11日午後、ソウル市竜山の戦争記念館にユニークな兵器が登場し、通りすがりの人々の注目を集めた。
 昼用・夜用の映像装備や機関銃などで武装した無人ロボット車両、重さ数十キロの荷物を背負っても軽々と動ける「スーパーマン」になれる「筋力増強ロボット」、鳥そっくりの小型無人偵察機MAVなどが展示されていた。

 これらのロボットは、朴槿恵(パク・クンヘ)政権が国防無人・ロボット技術を創造経済の成長エンジンに選んだことを受け、防衛事業庁や国防科学研究所などがコンセンサス形成のため開催したシンポジウムで展示されたものだ。

 これに先立ち、朴槿恵大統領は先月22日、初の韓国製機動ヘリ「スリオン」の戦力化記念行事に出席し
 「今こそ韓国の防衛産業が、民間のクリエーティビティーと結合し、創造経済の花を咲かせる中心動力になるべき
と強調した。
 韓国軍や防衛産業界、学界では、こうした動きに大きな期待を抱き、前向きに考えている。
 これまで、兵器を作る防衛産業は、民間分野への寄与がない消耗的な存在だと誤解されるケースが多かったからだ。

 しかし同時に、一部の事業に対する現政権の態度を根拠として
 「創造経済と国防を結び付けようという意志を韓国政府がどれだけ強く持っているかはまだ分からない」
という疑念も一部で浮上している。

 代表例が、韓国型戦闘機(KFX)開発事業の問題だ。
 KFX事業は、F4・F5など老朽化した戦闘機を代替するため、
 F16よりやや性能が高い中間クラスの戦闘機を独自に開発し
120機配備するという計画だ。
 2001年に本格的な検討が始まって以来、これまで約10年かけて、韓国開発研究院(KDI)などで5回にわたり妥当性の検討が行われた。
 本格開発前の先行開発を意味する
 「探索開発」には、昨年までに韓国440億ウォン(現在のレートで約37億円、以下同じ)、
インドネシア110億ウォン(約9億円)の「計約550億ウォン(約46億円)」が投じられた。
 ところが李明博(イ・ミョンバク)政権は昨年末、事業の妥当性評価が再度必要だとして開発予算を大幅に削減、研究機関に検討を依頼した。
 現政権になっても、韓国政府当局のあいまいな態度には大きな変化がないらしい。

 これに対して国防科学研究所(ADD)などは、
 「6兆ウォン(約5000億円)」を投資して韓国型戦闘機を開発すれば、海外から直接購入する場合に比べ5兆ウォン(約4200億円)節約でき、19兆ウォン(約1兆6000億円)の産業波及効果、4万-9万人の雇用創出効果があると主張している。
 しかし反対派は、
 韓国の技術力や輸出の可能性などを総合的に考慮すると、韓国製戦闘機の開発は失敗する危険性が大きい、
と反論している。

 こうした中で興味深いのは、戦闘機を使用する韓国空軍の態度の変化だ。
 韓国空軍は当初、韓国型戦闘機の開発に否定的だった。
 ところが1-2年前から、正反対の流れに変わった。
 韓国空軍のある将官は
 「F15K、F16など輸入戦闘機を使っているため、海外の業者が修理用パーツの価格を釣り上げてくる上、軍の希望時期に合わせた速やかなパーツ供給がなされないケースが多く、韓国製戦闘機の開発を望むようになった」
と語った。

 戦闘機開発には天文学的な額の資金が必要なだけに、慎重にアプローチする姿勢が重要だ。
 しかし、韓国政府が創造経済と国防の中心事業になり得る韓国型戦闘機に対し、これ以上あいまいな態度を示すことは望ましくないと指摘されている。
 韓国政府が強調する創造経済とは「ファストフォロワー(素早い追撃者)」から「ファーストムーバー(市場の開拓者)」に変身するということだと思う。
 韓国政府が、ファーストムーバーとして合理的決定を下すことを期待する。


 民間の産業開発が頭打ちになった今、韓国は創造エンジンとやらで軍事への傾斜を強めている。
 軍事開発ははっきりいって金食い虫である。
 リターンが非常にわずかしかない。
 余裕がないかぎりやるべきことではない。
 過去にたった「46億円」の研究開発しかしてこなかったものに、「5,000億円」もの資金を投下してまともな開発のプロセスを組めるのであろうか。
 ちょっと考えればすぐにわかることである。
 奇形構造によって民生部門が失速しつつある今、国を引っ張るエンジンとして軍事に目をつけ、それを「創造エンジン」と名付けたのはいいが、あまりにも金がかかりすぎ、また成果が暗中にあって見通しがつかないとなると、ふんだり蹴ったりになる。
 新たなエンジンを自らの手で作るには韓国には荷が重すぎる。
 思いつきで「創造エンジン」なる用語を作ったが、それ以上には進めない。
 日本と距離を置くようになったいま、為すべきことがわからなくなり、どこへ向かうべきか、迷いに迷っているのが今の韓国であろう。
 



【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月16日日曜日

韓国の漢字教育が「失敗」した理由:韓国語での意思疎通が不可能になりつつある

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/16 05:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/16/2013061600044.html

【コラム】韓国の漢字教育が「失敗」した理由

 「パパ、『旅館』というのは女性だけしか泊まれない所なの?」(「旅」という字と「女」という字は共に「ヨ」と発音)

 「旅館ってなあに」という子どもの質問に、ある大学教授が「泊まる所」と答えたところ、子どもから返ってきた質問だ。
 次のように説明すれば、答えはもう少し簡単だった。
 「旅人の『旅』に客舎という意味の『館』を使うことから、旅館とは旅行中に泊まる家のことだ」。
 子どもは漢字が分からず、ただハングルで「ヨグァン」と書かれていたため、そもそも正しい答えを望むこと自体、最初から無理だったのだ。

 「尹昶重(ユン・チャンジュン)元大統領府報道官を更迭する」
との速報が流れたとき、ネット上では「更迭」という言葉が検索語の1位に浮上した。
 「ある地位にある人を入れ替え(迭)、他の人に変える(更)」
という更迭の意味を調べるためにアクセスが集中したわけだ。
 最近では、「弊害」「カード決済」「類例のない」などのハングルのつづりを誤って使っているケースが多く、ネット上でも多数見掛ける。
 この中には学術論文やメディアの記事も少なくない。
 これらは全て、音をそのままハングルに置き換えてしまったところから生じた過ちだ。

 「漢字教育を強化してほしい」と主張する人々の大多数は
●.「韓国の古典を解読できなくなった」
●.「人格教育に問題が生じる」
●.「北東アジアを中心とした時代に移り変わっていく中で、隣の中国や日本との交流が困難になる」
と心配する。
全て間違いではないが、もっと大切な理由がある。
 漢字が分からないために、現在われわれが使っている韓国語での意思疎通がうまくいかなくなってきているという点だ。

 「体罰禁止」の範囲は一体どこまでかという問題をめぐり、政府と一部の教育庁(教育委員会に相当)、現場である学校の解釈には、それぞれ開きがある。
 もし「体罰」の意味が「体に直接苦痛を与える罰」だということをもう少し多くの教師や生徒・児童たちが知っていれば、こうしたことにはならなかっただろう。
 ある高齢の医者は「『妊婦』が陣痛を訴えている」という際の
○.「陣痛(チントン)」と
○.「痛みを和らげるために鎮痛剤を打つ」という際の「鎮痛(チントン)」
の区別ができない若い医者が増えている」と嘆いた。

 「私の子どもだけはこんな目に遭わせたくない」という人々の思いが見え隠れする。
 2009年に教育部(省に相当)が行ったアンケート調査の結果、保護者の中で小学校の漢字教育に賛成と回答した人は89.1%だった。
 「今からでもいいから中学で漢字を教えてみてはどうか」という人もいる。
 漢字を教える場合、古文を用いて教えるケースが多いため、現代韓国語で必要とされている漢字語の勉強にはつながりにくい。
 「漢文」という教科は、大学修学能力試験(修能=日本の大学入試センター試験に相当)で「第2外国語」に分類される。
 子どもたちにとって漢字とは、まさに「不慣れな外国語」そのものなのだ。

 最近「漢字教育の活性化に向けた政策シンポジウム」(4月16日)や「語文政策正常化を促す国民大会」(5月10日)が相次いで開催されているが、観客席を埋めたのは、ほとんどが60代以上の高齢者だった。
 30代以下は片手で数えられるほどしかいなかった。
 ハングル専用化政策により、漢字が小学校の教科書から姿を消してはや43年が過ぎようとしている。
 今では漢字が若い世代から忌み嫌われる対象となってしまった。
 厳格な祖父が古書を片手にむちで叱りつけながら孫たちを教えるという古いイメージから脱しない限り「夢は恋愛人(発音が同じ『芸能人』の誤記)になること」というような誤った言葉が堂々とまかり通る社会になってしまうだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/30 09:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/30/2013063000156.html

【萬物相】韓国人の語彙力と漢字教育

 ある中学校の歴史担当教諭から、こんな話を聞いたことがある。
 「最近の子どもたちの中には、安重根(アン・ジュングン)を医師だと思っている子もいる」。
 韓国で安重根を呼ぶときの敬称「義士」と「医師」の発音が同じためだ。
 記者は半信半疑だったが、実際にそのようなことがあるようだ。
 数日前、あるテレビ局のリポーターが、通り過ぎる子どもたちに
 「靖国神社について知っているか」
と尋ねたが、子どもたちは日本の戦犯を合祀(ごうし)している神社と「紳士」を勘違いしていた。
 「神社」と「紳士」も韓国語の発音は同じだ。

 昨年、KBSテレビの高校生対象のクイズ番組『ゴールデンベル』で
 「耳鼻咽喉科とは、体のどの部分の具合が悪い人が行く所か」
という問題が出た。
 易しい問題が10問ほど続いていたので、番組の制作スタッフたちもそれほど難しくはないと考えたようだ。
 ところが、この問題では間違えた生徒が続出した。
 「耳鼻咽喉科」の文字をばらし、それぞれ「耳」「鼻」「喉」を意味するということを知っていれば、簡単に解ける問題だった。

 もっとも、これは最近の子どもたちに限ったことではない。
 記者も小学校で仮分数や帯分数、中学校では積集合や因数分解といった数学用語を習ったが、それらの名称に込められた意味を知ったのは、大人になってからのことだ。
 最初に習った時、教師が用語の意味について、漢字の意味からきちんと説明してくれていれば、数学で苦しめられることもなかったと思う。
 理科の時間には、爬虫(はちゅう)類や両生類、甲殻類、火成岩、変成岩、堆積岩といった用語の意味、またそれらがどのような形をしているかを思い浮かべるのが困難だった。
 しかし、これらの用語に使われる漢字を知っていれば、もっと簡単に理解できたことだろう。

 国語辞典に掲載されている韓国語の語彙(ごい)のうち、70%は漢字語だ。
 子どもたちに知識を与える教科書では、漢字語の単語や用語が90%に及ぶ。
 漢字語を、誰でも簡単に理解できる簡単な純韓国語(漢字で表記できない)に変えることができればよいが、現実はそうたやすくない。
 このため、漢字を知らない子どもたちが、ハングルだけで書かれた漢字語の単語だらけの教科書で勉強するということは、暗号の解読並みに難しいことだ。
 勉強に対する興味を持てないだけでなく、内容を全く理解できないという事態にもつながる。
 これは何も、国語だけに限ったことではない。

 ソウル市教育庁(教育委員会に相当)が今秋から、小・中学校で教科書の語彙を中心とした漢字教育を行う方針を打ち出した。
 まずは希望する児童・生徒を対象に、放課後に国語や数学、理科、社会科の教科書に登場する漢字語を教えるという。
 語彙力がないまま勉強するということは、れんがを使わずに家を建てたり、銃弾を装填(そうてん)せずに戦場に行くのと同じことだ。
 漢字教育を学校の正規の科目とする必要があるが、すぐにそれができないなら、このような方法で一歩を踏み出すのがベターだ。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月1日 16時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73870&type=0

朴槿恵大統領の中国語と朝鮮半島の“脱漢字化”
=「歴史は切っても切れない」―香港メディア

 2013年6月30日、中国人女性ジャーナリスト・閭丘露薇(ルーチュー・ルーウェイ)は香港フェニックステレビのニュース番組に出演、
 「韓国が文字を変えようともその歴史は中国とは切っても切れない」
と発言した。

 世代的に見ても、また家柄から見ても朴槿恵大統領は小学校、中学校で間違いなく漢字教育を受けていたでしょう。
 朝鮮半島の「脱漢字化」はかなり長い時間をかけて進められてきたものです。
 2005年、ソウルの中国語表記は私たちのなじみがある「漢城」から「首爾」に変わりました。
 ですがそれよりもずっと前、1446年の訓民正音の公布から韓国の脱漢字化は始まっているのです。

 二次大戦後、脱漢字化はさらに徹底されました。
 脱中国化が主要な目的だったのではなく、識字率の向上が目的でした。
 日本の植民地統治が終わった時点で、非識字率は78%と高かったので、難しい漢字ではなくハングルを普及させたのです。
 ただどのように文字を変えたとしても、その歴史は中国とは切っても切れない関係にあります。
 韓国の国家博物館を参観すると、面白い事実に気づくでしょう。
 韓国人が読めない彼らの歴史史料を私たち中国人は読めるのです。

 ただ近年、とりわけ今年に入ってから気になる動きが出ています。
 学校での漢字教育の促進を禁止すべきだと提案されているのです。
 韓国では中国語習得者に大きなニーズがあるにもかかわらずです。
 現在、韓国企業の多くが1000文字程度の基本的な漢字の読み書きができることを雇用の条件としています。

 中国語を学んだ朴槿恵大統領がその能力を披露されましたが、これは韓国社会にもう一度考える機会を与えるものでしょう。
 教育において中国語をどのように役割とするべきか?
 単なる外国語とみなすのか、それとも韓国語の補助的な言語とみなすのか?
考えるべきです。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月11日 14時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74190&type=0

日中韓の共通常用漢字800字、選定草案が発表―中国メディア


●10日、日中韓の経済、政治、学術分野の協力関係を話し合う「第8回日中韓賢人会議」がこのほど北海道・洞爺湖町で開催され、日中韓3カ国共通の常用漢字800字の選定草案が発表された。写真は浙江省杭州市の中学生による書道。

 2013年7月10日、日中韓の経済、政治、学術分野の協力関係を話し合う「第8回日中韓賢人会議」がこのほど北海道・洞爺湖町で開催され、日中韓3カ国共通の常用漢字800字の選定草案が発表された。
 これは、日中韓が漢字文明の歴史に向けて新たな一歩を踏み出したことを示している。
 新華網報道を引用して10日付の人民日報が伝えた。

 8日、北海道洞爺湖町で開催された賢人会議「文化教育と民間交流」フォーラムの中で、日中韓3カ国の専門家が共通常用漢字800字を選定し、その草案を採択することに基本的に合意したことが本会議の重要な成果となった。

 「文化教育と民間交流」フォーラムの発起人である京都大学の松本紘総長が会議を総括するあいさつの中で
 「会議が発表した常用漢字800字は日中韓が共通の漢字文化を持つことの象徴であり、この文化協力プロジェクトは未来志向の関係づくりに向けた原動力の一つとなるとの認識で一致した」
と述べた。

 日中韓の共通常用漢字800字を編成した中心人物は、賢人会議の中国代表団メンバー、中国人民大学前学長の紀宝成(ジー・バオチョン)氏だ。
 紀宝成氏は
 「漢字は3000年余りの歴史を持ち、日本や韓国が漢字を使用した歴史もすでに1000年を超える。
 漢字は日中韓3カ国の共通する歴史文化遺産であり、3カ国文化交流の重要な絆でもある。
 本会議は原則として常用漢字表による草稿を採択した後、中国側は日本や韓国の関連する専門家とさらに討論と解釈を進め、2014年の賢人会議で最終的に選択する共通常用漢字を正式に発表するつもりだ」
と語った。

 賢人会議がこのたび発表した漢字草案800字の編成上のコンセプトは3カ国共通の常用漢字を選ぶことであり、中国の「現代漢語常用字表」や日本の「常用漢字表」、韓国の「教育用基礎漢字」を参考にしている。

 賢人会議は中国新華社、日本経済新聞社、韓国中央日報社の呼びかけで始まった3カ国の有識者によるフォーラムで、2006年から毎年3カ国交代で開催されている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)



聨合ニュース 2013年 10月 09日(水)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2013/10/09/0900000000AJP20131009001300882.HTML

韓国首相「言語純化運動」提案 「ハングルの日」式典で

【ソウル聯合ニュース】
 韓国の鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相は9日、ソウルの世宗文化会館で開かれた「ハングルの日」記念式典で祝辞を述べ、青少年の言葉の乱れや言葉の暴力などが社会問題になっていることに対して「全国民的な言語純化運動が必要だ」と語った。 

 鄭首相は
 「私たちは日常生活の中で卑語や俗語はもちろん、言葉の暴力までもが溢れているのを目にしている。
 時には暴力的な言葉が貴い命を奪う場合もある。
 特に成長期にある青少年に対する言語による暴力は物理的暴力に劣らない大きい傷を与えることもある」
と語り、これを正すための運動が必要だと述べた。

 鄭首相は
 「私たち皆が韓国語の使い手であり主人公であり、韓国の言葉をさらに美しく発展させるためには国民皆の努力が何より重要だ」
と繰り返し強調した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/10 11:31
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/10/2013101001617.html

【社説】科学的で美しいハングルに発展させるために

 ハングルの日が23年ぶりに公休日となった9日、世宗大王の銅像が設置されているソウル市中心部の光化門広場では、終日ハングル関連の行事が行われた。
 もちろんハングルを制定した世宗大王をたたえ、ハングルの優秀さを誇るイベント自体は非常に有意義なことだ。
 しかし567年前に制定されたハングルをいかに正しく使い、また言葉に豊かな意味を持たせて深化させてきたかを振り返ると、われわれは自省の念を抱かざるを得ない。

 ハングルの科学的な原理については世界の学者が認め、驚いているが、それほどまでに優秀な文字をさらに発展させること、つまり科学的思考がよりやりやすく、なおかつ論理的な言語に作り替えていくのは後代のわれわれに課せられた使命だ。
 ところが韓国人の多くは、ハングルで書かれた哲学の書籍を開くだけで目まいを感じるのが実情だろう。
 例えば「現存在」「即時的」「対自的」などの単語を目にしたとき、これはいったいどこの国の言葉なのかと疑問に思うだろう。
 これらは日本人がドイツの哲学を自分たちなりに消化して作り上げた言葉であり、およそ100年前に土壌が完全に異なる韓国に伝わったものだが、
 それ以来わが国ではこれらの言葉を自分たちなりに改良することも、また作り替えることもできなかった。
 これがまさにわれわれの現状なのだ。
 自然科学や社会科学の分野で使われる数々の概念を表現する言葉も事情は同じだ。

 オックスフォード英語辞典を開くと、数十種類の異なった意味を持つ単語が数多くわれわれの目に飛び込んでくる。
 それらは科学、哲学、文学はもちろん、あらゆる分野で使用されるうちに意味内容が豊かになっていったものだ。
 しかしハングル辞典にはそのようなケースはほとんど見当たらない。

 本紙と国立国語院が共同で企画した「ハングルは痛がっている」を読むと、インターネットはもちろん日常生活においても、本来とは異なった意味で使われている言葉や、完全におかしな文章があふれている。
 また若者たちは相手の親を侮辱する言葉や、身体障害者を侮辱する言葉を、ちょっと聞くだけでは何のことか分からないような形でごく普通に、時には標準語のように使っている。
 これでは美しく科学的なハングルを作り上げた先人たちに対してあまりにも恥ずかしいことではないか。

 ドイツが哲学の宗主国となった背景には、哲学者たちがドイツ語の意味や文脈を整理し、そのドイツ語を駆使して歴史に残る偉大な業績を残してきたという事実があった。
 英語が世界の言語となったのも、シェークスピアのような偉大な作家たちが英語を洗練させ、言葉の意味を豊かなものにしてきたからに他ならない。
 われわれもハングルの極端な転用や混用に伴う混乱と対立を一日も早く解消すると同時に、ハングルと韓国語を美しく正確に駆使し、なおかつ豊かな言葉に作り上げていく方向へと知恵を結集していかねばならない。





【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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朴政権の5年とは「驕慢な韓国が暴慢な中国に吸い取られていく歴史」かも

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/16 05:28
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/16/2013061600052.html

【コラム】韓中首脳が構想すべき「ビジョン」

 中国の習近平国家主席は先週、米国のランチョミラージュで、オバマ大統領に中国外交の中心概念である「新型大国関係」を学習させると決心していたらしい。
 習近平主席は、二つの論理を持ち出した。
 まず最初に、覇権国(米国)と挑戦国(中国)間で力の転移が起こる時に戦争の危険が高まるという、米国の政治学者オーガンスキーの理論を覆した。
 習近平主席は
 「超大国間の衝突と対抗の歴史から抜け出し、相互尊重と平和共存、共同協力の新たな道を進むことが、両国はもちろん世界にとっても有益」
と主張した。

 続いて習近平主席は
 「米中は国際社会や地域の問題、(環境保護のような)地球的な挑戦を処理する上で『利益の合致点』があるため、交流協力を強化すべき」
と語った。
 国際問題を米国が単独で処理せず、中国と協力せよというわけだ。
 両首脳は、両国の「利益が合致」する第1の問題に北朝鮮の核問題を選び、「北朝鮮の核開発を受け入れず、核保有国と認めない」ことで完全に合意した。

 習近平主席のランチョミラージュ発言が、今後10年間の中国外交の基本原則になるのは間違いない。
 幸いにも、習近平主席が掲げた
 「新型大国関係」の概念は、韓半島(朝鮮半島)問題を解決する上で前向きに作用する可能性が高い。
 まず、両大国が「対決より協力」
の道を選んだことは、北朝鮮の挑発を抑制し南北協力を促進する国際環境をつくり上げるのに有利だ。
 最近の北東アジア情勢は、米国の「アジア回帰」をめぐる米中間の不信や、尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる日中の対立により、「協力より対決」に向かう様相を見せていた。
 「新型大国関係」論は、こうした対立の流れを協力の流れに変えることに寄与するだろう。

 米中が韓半島非核化を「利益の合致点」と規定したことは、北朝鮮問題をめぐる韓中の協力空間を広げるのにも役立つ。
 これまで北朝鮮問題は、韓中の立場の差が大きかったが、習近平主席のランチョミラージュ宣言で状況は変わった。
 北朝鮮の非核化に向けた中国の意志は明確になり、韓米と協力していくという姿勢も確認された。
 今こそ韓国は中国と、北朝鮮の非核化に向けた具体的な協力案を模索していくべきだ。
 北朝鮮問題で韓中の利益が合致する目標は「北朝鮮が非核化し、正常な国家になること」だ。
 こうした点から、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の対北朝鮮信頼プロセスと習近平主席の対北朝鮮外交は、協力できる部分がかなりある。

 韓国はまず、中国が北朝鮮制裁の手綱を放さないよう、緊密に協力すべきだ。
 中国を含む国際社会の一致した制裁によって、北朝鮮が「核ではこれ以上得るものがなく、むしろ体制の危機が訪れかねない」と感じたときに、非核化の話し合いは始まるだろう。
 最近北朝鮮が南北対話に応じたのも、制裁の効果と見るべきだ。
 北朝鮮が正常な国家になるためには、対外開放と経済改革が欠かせない。
 韓中は「北朝鮮非核化」の原則にのっとった上で、経済・医療・教育・文化など非軍事分野の包括的協力案を共同で取りまとめ、北朝鮮を誘導する必要がある。
 韓中主導で「多国籍対北朝鮮投資基金」を作るのも、一つの方法だ。
 この基金は、羅津・先峰地区や黄金坪・威化島の経済開発を促進し、北朝鮮が勝手に工業団地を閉鎖する危険性を減らす。
 経済特区が活性化し、住民の生活水準が上がって、国際社会との関係が深まれば、北朝鮮が軍事的挑発を行う可能性は低くなる。

 今月27日から30日にかけて行われる朴大統領の訪中を前にして、韓国政府が考えるべきことは、韓米同盟を基盤として平和的に統一された未来の韓半島のビジョンを描くに当たり、中国とどのように協力すべきかという問題だ。
 韓国が習近平外交を正確に理解し、主導的に「絵」を描くことが、その出発点となる。


 オバマは習近平の口車に乗るほど人は良くない。
 初めてのアフリカ系大統領をなるために馬の目を抜くほどのアメリカの大統領選挙を戦い勝ち抜いてきた百戦錬磨の強者である。
 習近平の提案など鼻先であしらっていることだろう。
 彼は空論に傾注するほど柔い感覚などもっていない。
 習近平の説得など、顔で笑って、腹で蔑んでいるといったところが本音だろう。
 韓国としては、そうであることは重々分かっているが、それを口に出しては言えないところが辛いところだ。
 なんとか習近平に花をもたせないと、今後の韓国が危うくなってくる。
 中国という隣人を選択してしまった以上、嫌われないようにすることが韓国を維持するためのベストな道でもある。
 「韓国が習近平外交を正確に理解し、主導的に「絵」を描くことが、その出発点となる
とまで言わねばならない韓国の辛さであろう。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/16 05:11
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/16/2013061600047.html

【萬物相】北海艦隊

 東学革命(甲午農民戦争)が激しさを増していた1894年7月25日朝。朝鮮王朝第26代国王・高宗の要請を受けて朝鮮に派遣された清の北洋艦隊の巡洋艦「済遠号」は、西海(黄海)に浮かぶ豊島(現・京畿道安山市)の付近で、日本の連合艦隊から奇襲攻撃を受けた。
 朝鮮での権益を拡大しようとしていた日本の巡洋艦は、宣戦布告もなく清の艦隊に対し速射砲で攻撃した。
 済遠号は日本の圧倒的な火力に勝てず、逃げ出した。こうして日清戦争が始まった。

 北洋艦隊は「西洋に倣い富国強兵を実現しよう」という洋務運動を推進していたグループが、海軍を近代化するため1881年に創設した。
 中国の東の海(黄海と東シナ海)を3等分し、北洋艦隊は山東省以北を、東洋艦隊は江蘇省・浙江省沿岸を、南洋艦隊は広東省・福建省沿岸を管轄した。
 軍艦は清の実力者の李鴻章が英国やドイツの造船会社から購入した。
 北洋艦隊は当時、アジア最強といわれた巡洋艦「定遠号」や「済遠号」「鎮遠号」をはじめ、18隻の軍艦を保有していた。

 李鴻章は山東省威海の沖にある劉公島に訓練所を設け、英国やドイツの軍事専門家を招いて、海軍を育成した。
 ところが、訓練はおろそかになり、複数の国から購入した装備も規格が合わなかった。
 清末期の権力者・西太后は海軍の防衛費を還暦祝いの宴や頤和園の大理石の遊覧船などに流用した。
 北洋艦隊は豊島沖海戦から2カ月後の黄海海戦で、14隻の軍艦のうち5隻を失った。
 一方、日本の軍艦12隻の中で撃沈されたものはなかった。
 翌年2月には威海衛の艦隊基地まで攻撃された。

 北洋艦隊の惨敗は、中国人にとって屈辱の記憶として残った。
 日本に制海権を奪われ、大陸への上陸までも許す結果となった。
 中国はこのつらい記憶を脳裏に刻み、改革・解放後は海軍力の増強に力を入れた。
 昨年、旧ソ連の航空母艦(空母)を改造した「遼寧号」をデビューさせたのもその一環だ。
 遼寧号が所属しているのは中国の北海艦隊だ。
 1960年、ソ連(当時)の支援を受けて発足した北海艦隊は、北洋艦隊から名称や作戦海域を受け継いだ。
 首都・北京の防衛や、韓半島(朝鮮半島)の有事の際に動員される精鋭艦隊という点も同じだ。

 中国で韓中軍事会談に臨んだチョン・スンジョ合同参謀議長が今月5日、山東省青島市にある北海艦隊の司令部を訪問した。
 チョン議長は作戦部の当直室にあるホットラインから韓国の第2艦隊の司令官に電話をかけ
 「今後、韓中両国軍が緊密に協力し、西海で共に作戦を繰り広げなければならない」
と呼び掛けた。
 一方、北海艦隊の田中司令官は
 「韓中両国海軍の関係をより進展させ、黄海を友情の海、協力の海、平和の海にしよう」
と述べた。
 1世紀前、なすすべもなく制海権を明け渡した韓中両国軍が、海を守るべく誓い合ったというわけだ。


 韓国は軍事的にもアメリカから離れようとしている。
 この結果のもたらす意味がわからないと少々危ういことになる。
 朝鮮半島はアメリカと中国がやりあうリングになりかねないということである。
 アメリカとしては韓国から手をひくことによって朝鮮半島を戦場にすることにためらいがなくなる。
 中国としては本土ではなく朝鮮半島をアメリカとの舞台にすることができる。
 どちらも、冷静に
 「では、朝鮮半島でお手合わせを」
といった軽い気持ちで戦争ができるようになる。
 米中どちらも本国へ戦争を持ち込まないで、ジャブの打ち合いで手締ができる。
 大国とはその程度の非情さを持っている。
 韓国の動きは危険を意図的に加速させているように思える。 


WEDGE Infinity 2013年06月21日(Fri)  勝股秀通 (読売新聞調査研究本部主任研究員)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2908

仮想敵は日本
韓国軍が狂わせる日米韓の歯車


●竹島。韓国は、昨年末に公表した『国防白書』で竹島の領有を強調した (提供:The Blue House/ロイター/アフロ)

これまでいくら日韓の国民感情が悪化しても、自衛隊と韓国軍の関係は維持されてきた。
 ミリタリーの関係は、両国間の政治的な対立を軍事的な緊張にまで至らせない「安全装置」だったのだ。
 しかし今、仮想敵を日本に置いたとしか思えない韓国軍の行動が相次ぐ。
 米国を基軸とした同盟の原点を見失えば、地域の平和と安定は崩壊するだろう。

 シンガポールで開かれたアジア安全保障会議。
 日米韓の3カ国は6月1日、北朝鮮に核開発計画の放棄を強く求める共同声明を発表したものの、日本が求めていた韓国との防衛相会談は、韓国から拒否され開けなかった。
 日米韓が5月中旬に日本海で捜索救難訓練を実施したときも、韓国海軍は訓練の非公開を条件に参加していた。
 自衛隊幹部は
 「海上自衛隊との連携場面が報道されれば、韓国世論から反発を受けるという判断だろう」
と説明する。
 だが、日韓の軍事面での関係悪化が表面化したのは氷山の一角にすぎない。

■相次ぐ軍事交流の一方的なキャンセル

 5月の連休後半に韓国海軍の高官らとの会談を予定していた海上自衛隊トップの河野克俊海上幕僚長の訪韓が4月下旬、日程調整の最終段階になって突然取りやめとなった。
 靖国神社の春の例大祭に、多くの国会議員が参拝したため、韓国軍側から「不都合になった。
 訪問は受け入れられない」との連絡があったという。

 実はその1カ月前にも、陸上幕僚監部の2人の部長(陸将補)が計画していた韓国陸軍との軍事対話が、相次いでキャンセルされていた。
 今年に入って、韓国陸軍は陸上自衛隊に対し、「陸将以上の訪問は遠慮願いたい」と、一方的に通告してきた。
 このため、陸幕では「陸将より下位の陸将補であれば、韓国側も受け入れるはず」(陸自幹部)と判断、装備部長と運用支援部長の2人を訪韓させ、北朝鮮の核やミサイル開発など朝鮮半島情勢について意見交換するつもりだった。

 防衛省にすれば、自衛隊幹部が訪韓することによって、韓国の李明博大統領(当時)が竹島に強行上陸した昨年8月以降、北朝鮮のミサイル発射や核実験などの場面で連携が希薄となっていた韓国軍との関係を正常化させる狙いがあった。
 しかし、相次ぐ受け入れ拒否に、自衛隊幹部は
 「青瓦台(韓国政府)の指示で、軍のエリート将校養成課程が取りつぶされたように、ここ数年、軍のステータスは著しく低下している。
 軍も政府の了解がなければ自衛隊との関係を強化できない」
と分析する。

 これまで、日本海に浮かぶ竹島の領有権をめぐって日韓両政府が対立したときも、従軍慰安婦など歴史認識の問題で双方の国民感情が悪化したときも、自衛隊と韓国軍の関係が損なわれることはなかった。

 ミリタリー同士の良好な関係による「安全装置」が壊れ始めていることは、昨年12月に公表された韓国の『2012年版国防白書』が裏付けている。
 ある自衛隊幹部は「目を疑いたくなるような内容だった」と評している。

 韓国が独島と呼ぶ竹島をめぐっては、日韓両国とも領有権を主張しているが、白書には、韓国海軍のイージス艦「世宗大王」を先頭に、艦隊による島の警備活動の模様が大きな写真で強調されていた。
 前回の『10年版国防白書』では、わずか1枚ずつだった竹島の写真と領有を示す地図が、今回は計4枚も掲載されている。

 日本との防衛交流や防衛協力に関する記述では、
 「独島は疑いもなく、地理的にも歴史的にも、そして国際法的にも韓国の領土である」
と明記した上で、
 「日韓の将来の防衛交流や協力を発展させるためには、独島に対する日本の誤った認識や不当な主張を打破しなければならない」
とまで記述している。

 腹立たしい限りだが、今必要なことは、居丈高な韓国の振る舞いに対し、感情的になって憤ることではなく、冷静な視点で、自衛隊と韓国軍との連携が、韓国の平和と安全にとって何よりも重要であるということを指摘し、韓国軍、そして青瓦台の目を覚まさせることだ。

■韓国防衛支える自衛隊


 沖縄・尖閣諸島の領有権をめぐる日中対立が激化し、今でこそ、
 日米同盟や在日米軍が存在する意義は、中国に対する抑止力を維持することのように思われがちだが、戦後一貫して、
 その主目的は朝鮮半島有事への備えである。
 自衛隊や在日米軍の体制は、安保条約に基づく日米同盟という枠組みの中で、米国の同盟国である韓国を防衛するために、強力な半島有事シフトを維持している。

 具体的には、航空自衛隊は福岡県の築城と芦屋、山口県の防府北の3カ所に、1500~2000メートル級の滑走路を保有しており、海上自衛隊の大村(長崎)、陸上自衛隊の目達原(佐賀)、高遊原(熊本)、在日米空軍が使う板付基地(福岡空港)とあわせれば、北部九州という極めて限定されたエリアに7カ所もの航空基地が点在している。
 これは万一、第2次朝鮮戦争が発生すれば、米軍の戦闘機や輸送機が発進する拠点として活用されるのはもとより、日本人や米国人だけでなく、韓国から避難してくる多くの民間人の受け入れ基地としても活用されるはずだ。

 さらに、北部九州地区には、福岡病院、大分・別府病院、長崎・佐世保病院、熊本病院という4つの自衛隊病院が集中している。
 これも韓国防衛のために傷ついた米軍や多国籍軍の兵士らの治療を前提に整備、維持されてきたのは紛れもない事実だ。
 このほか、朝鮮半島と向き合う長崎県の佐世保基地は、米海軍第7艦隊の戦略拠点であり、広大な佐世保湾の大半は、半島有事に緊急展開する米軍が占有したままだ。

 そもそも戦後、北朝鮮の侵攻で始まった朝鮮戦争を機に、自衛隊は警察予備隊として発足し、日本各地の空港や港湾は、韓国防衛のために出撃する米軍などの拠点となった。
 それだけではなく、開戦当初、北朝鮮の攻勢を食い止めるため、米軍などによる仁川・元山への上陸作戦を前に、連合国軍総司令部(GHQ)の命令によって、日本は特別掃海部隊を編成、朝鮮半島の周辺で北朝鮮が敷設した高性能ソ連製機雷の除去作業に従事した。
 不幸にも活動中、1隻が触雷して沈没、乗組員1人が死亡、18人が負傷している。朝鮮戦争では日本人も戦死しているのだ。

 にもかかわらず、休戦後も、日米同盟に基づいて、自衛隊が韓国の平和と安全を支え続けてきたという認識が、韓国はあまりに希薄過ぎるのではないだろうか。
 それが証拠に、『12年版国防白書』の中で韓国は、「朝鮮戦争で韓国を支援した国々」を特集しているが、日本は5万ドル相当の資材を提供した国として、わずか1行だけ取り上げられているに過ぎない。

 今年7月27日は、朝鮮戦争の休戦協定締結から60年という節目にあたる。
 もちろん、朝鮮半島の混乱は日本の平和と安全に直結する事態であり、自衛隊と在日米軍の半島有事シフトは日本のためでもある。
 しかし、韓国防衛に対する日本の献身的な貢献がきちんと伝わっていないのだとすれば、それをしっかりと認識させることは、日本政府にとって対韓外交の柱であっていい。

■戦力増強する韓国軍と新たな基地建設

 自衛隊と韓国軍の間で狂い始めた歯車を、早急に元に戻さなければならない理由はほかにもある。そ
 れは近年の韓国軍の増強ぶりと新たな基地建設の動きに対し、自衛隊が不信感を募らせているからだ。

 かつて韓国は、『08年版国防白書』まで、外部の軍事的脅威である北朝鮮を「主敵」と位置づけていた。
 だが、10年版白書から主敵の表現が姿を消し、「北朝鮮政権と北朝鮮軍は韓国の敵」という表現に弱められている。
 呼応するように、100万を超す陸上兵力を持つ北朝鮮軍と、38度線を挟んで対峙しているにもかかわらず、韓国では現在、陸軍と海兵隊あわせて約55万人の陸上戦力を、22年には40万人程度にまで大幅削減する方向で検討しており、それに代わって増強しているのが海軍力だ。

 08年以降、韓国海軍はイージス艦2隻を相次いで就役(現在、3隻目が試験運用中)させたほか、外洋航行に適した攻撃型潜水艦9隻を整備。駆逐艦6隻を含めた初の機動部隊を創設している。
 編成の目的は「国家の対外政策の支援、海上交通路の防衛、北朝鮮に対する抑止」を掲げているが、海上自衛隊幹部は「韓国は日本に負けたくないという思いが強い。
 あれだけの数のイージス艦と潜水艦をどこで使うのか。
 韓国がリムパック(環太平洋合同演習)以外で、太平洋で訓練したことなど見たこともない」といぶかる。
 対潜水艦作戦を念頭に置いたP3Cなどの哨戒機も16機保有しているが、搭載する対艦ミサイル「ハープーン」で攻撃するような水上艦は、北朝鮮軍には見当たらない。

 不可解なのはそれだけではない。
 1つは佐世保の西方約200キロに位置する済州島に大規模な海軍基地を建設していることだ。
 数年以内には、P3Cの航空基地も併設され、大型揚陸艦も含め、韓国海軍は機動部隊を配備する計画を打ち出す。
 防衛省幹部は
 「済州島は日本海と東シナ海をにらんだ前線拠点であり、
 将来、中国海軍が寄港するようになるとやっかいだ」
と打ち明ける。

 また、これまで韓国は、米国との取り決めで弾道ミサイルの射程を300キロに制限してきたが、昨年10月、これを800キロに延長した。
 韓国南端から北朝鮮北端までの距離と説明するが、大阪など西日本は完全に射程圏内に入る。
 弾道ミサイルの射程延長に併せ、韓国は陸上発射型の巡航ミサイル(射程1500キロ)を配備し、駆逐艦や潜水艦には射程400キロの巡航ミサイルを搭載していることを公表した。
 北朝鮮を攻撃するためとしているが、「仮想敵は日本だ」とみる自衛官は少なくない。

 日米同盟と米韓同盟。日韓は互いに米国を介して朝鮮半島の安定に力を注いできた。
 在日米軍やその基地施設をめぐって国内が二分することがあっても、日本は戦後、多くの資材と資金を投入し、半島有事シフトを維持してきた。
 しかし、韓国には日本の努力への理解が乏しく、日本も自らが果たしてきた役割の重要性を認識していない。

 その間隙を突くように今、北朝鮮は核とミサイル開発を推し進め、中国は韓国を取り込みながら海洋進出を活発化させ、米国を基軸とする同盟に揺さぶりをかけている。
 何のために、日本と韓国は米国と同盟を組み、互いの同盟を基盤にしながら連携と信頼を築き上げてきたのか。
 その原点を見失ったとき、この地域の平和と安定は崩壊するだろう。

◆WEDGE2013年7月号より



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/16 05:24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/16/2013061600051.html

【萬物相】中国の宇宙開発と「80後」世代

 日中戦争当時の1938年、中国・雲南省昆明に「西南連合大学」が設立された。
 北京大、清華大、南開大という中国の名門大学3校が戦乱を避け、共同で設置したものだった。
 学生らは粗末な建物で講義を受け、日本軍の攻撃で空襲警報が鳴るたびに裏山に逃げた。
 物理学科の教授だった趙忠尭氏は、生活に困窮し、せっけんを作って街頭で売ることもあった。

 趙氏は米カリフォルニア工科大で核物理学者として注目を浴びる存在だった。
 しかし、祖国のために働きたいと決心し、1932年に帰国して、清華大の教壇に立った。
 趙氏はまともな実験設備もない環境で研究を行い、未来の中国の科学界をリードする人材を育成した。
 57年に中国人で初めてノーベル物理学賞を受賞した楊振寧、李政道の両氏、中国で原子爆弾開発の中心となった銭三強氏は趙氏の弟子だ。

 中国の科学技術の礎を築いたもう一人の人物として銭学森博士に触れないわけにはいかない。
 銭博士は米国防総省で科学顧問を務め、ロケットの権威に数えられていたが、中国に帰国しようとしたところ、スパイ容疑で5年間拘束された。
 米中は水面下の交渉の末、銭博士と韓国戦争(朝鮮戦争)で捕虜になった米軍操縦士の身柄を交換した。
 55年に帰国した銭博士は中国初のミサイル「東風」から最近の有人宇宙船に至るまで、宇宙開発に生涯をささげた。

 米国での最高の待遇を捨て、祖国のために結集した科学者に対し、中国の歴代指導部は誠意を尽くした。
 1960年代後半、殺伐とした文化大革命のさなかでも、周恩来首相は銭博士をはじめとする科学者のリストを軍に送り「(紅衛兵から)保護するように」と命じた。
 江沢民、胡錦濤両国家主席も2009年に銭博士が亡くなるまで、毎年尋ねて丁重にあいさつした。

 中国指導部が科学技術に関心と愛情を注ぎ、中国の理工系の人材は爆発的に成長した。
 有人宇宙船を打ち上げた長征ロケット、宇宙ステーション「天宮」の設計者をはじめ、現在の中国の宇宙開発をリードしているのは、1980年代生まれを指す「80後(パーリンホウ)」世代だ。
 15万人に達するとされる中国の宇宙航空分野の研究員のうち、「80後」世代は10万人以上を占める。第1世代の科学者の愛国心と国家による全面的支援、10万人の研究員の若い覇気が相まって、中国が宇宙大国に浮上している。


 韓国の「中国持ち上げ」は今後どんどん膨れていくだろう。
 マスコミがこぞって迎合していくだろう。
 中国が「韓国の救いの神」であるかのように。
 そして、中国は韓国をしのだとき、
 韓国は中国にとって属国の一つに過ぎなくなっている可能性が大きい。
 朴政権の5年とは
 「驕慢な韓国が暴慢な中国に吸い取られていく歴史」
なのかもしれない。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月15日土曜日

「翼があっても飛べない韓国経済」:翼を切り捨てた、という自覚がない奇形構造

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●奇形構造の旗手 SAMUSUNG


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/15 12:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/15/2013061500826.html

【コラム】翼があっても飛べない韓国経済

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領がしばしば使う「経済復興」という単語には、韓国経済を再生させたいという意欲が込められている。
 現在は好ましい状況ではないが、過去のある時代を想定し、その時代を取り戻そうという意味だろう。
 だとすれば、どの時代の経済へと回復させるつもりなのか。
 いったい韓国経済がどういう位置に立っていると考え、復興を口にしたのか。

 大統領就任100日を過ぎ、多くの疑問点が解決されようとしている。
 閣僚・次官に就任した政権幹部の発言を総合すると、復興という言葉は、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領時代が最高の繁栄期だったという前提で使われていると解釈可能だ。
 大統領自らが輸出振興会議を開き、セマウル運動(韓国の農村改革運動)を盛んに取り上げることを見ても、官僚出身の人選を見ても、他の解釈は正しくない。

 とはいえ、1人当たり国民所得100ドル、物価上昇率25%という時代に戻ろうというわけではないらしい。
 経済が高度成長を遂げながら、夢と希望を抱き、楽しく働いていたあの雰囲気を取り戻そうという趣旨ではなかろうか。

 朴大統領は政権を握る過程で、世界的な金融危機が追い風になったといえる。
 その理由として、二つの点が挙げられる。

 最近5年間は経済に対する国民の期待がとりわけ大きかった時期だ。
 国全体が危機を経験し、朴大統領が父親のように経済を再生するのではないかというイメージがつくられ、ついには国家指導者になることができた。

 金融危機は全世界につらい試練を与え、資本主義社会の恥ずべき欠陥が次々と浮上した。
 しかし、20世紀初めの世界大恐慌前後のように、共産主義革命が起きた国はなかった。
 社会主義的な政策を取った国は多かったが、どの先進国も新興国も社会主義がブームとはならなかった。
 1%の持つ者と99%の持たざる者の問題が浮上しても、正面衝突で国家指導勢力が覆される逆転劇は起きなかった。

 共産革命や社会主義の熱風が吹き荒れ、その波乱が国内に押し寄せ、階層間の対立が大爆発を起こしていれば、朴槿恵大統領の誕生は不可能だったはずだ。
 多くの欠点を抱えつつも、資本主義市場経済が今でも人間に幸福をもたらす上で競争力を持つ体制だという合意が形成されていたからこそ、朴大統領の勢力が政権をつかむことができた。

 そうした時代背景で生まれた現政権は、韓国経済の立ち位置もしっかり把握しており、経済が行くべき方向も知っている。
 それでも「経済はいったいどうなってしまうのか」という不安げな対話が周囲から多く聞かれる。
 今年の成長率予測値を2.3%から2.6-2.8%に引き上げるといっても反応はいまひとつで、来年は4%前後の成長が見込まれるといっても信じない。

 企業であれ、家計であれ、壁の中に閉じ込められているような雰囲気に抑え込まれている。
 専門家の中には「このまま5年間を過ごすことになるのか」と不安を口にする人も少なくない。
 浮かれるどころか、何か機会をつかめそうだという希望の言葉もなかなか聞かれない。

 朴槿恵政権の経済担当者は、余裕が感じられない国民が多いのは、一時的な景気低迷のせいだと判断しているようだ。
 打ち出された景気対策はいずれも単発の浮揚策ばかりだ。
 経済復興という大きな目標に見合う抜本的な対策は見えない。

 現在の韓国経済は、翼があっても飛べないニワトリに等しい。
 韓国経済というニワトリは、利下げを行い、財政支出を増やせば、はばたいて止まり木の上までは飛ぶが、餌がなくなると再び地面に下りてしまう。
 過去10年間の韓国経済はそうだった。

 二つの翼のうち、製造業・輸出企業が率い、力強く大空を飛んだ朴正熙製の翼は退化して力を失った。
 もう一方の内需とサービスを担う翼は、行政による規制、既得権を握る勢力の利害に縛られ、使い物にならない。
 新たな翼が体から生えることもない。
 ベンチャー企業に数十兆ウォン(数兆円)をつぎ込んで支援を行っても、細い羽根が生えるだけで、巨大な胴体を浮き上がらせるエンジンにはならない。
 狩りを行うために長距離を飛ばない鳥は、地面に散らばった餌に満足し、家の周辺数十メートル以内を飛び回るだけの存在となる。

 成長ペースが落ちれば、国の経済が翼を広げることができる活動半径も小さくなる。
 市場経済体制が金融危機を乗り切って生き残ったからといって、朴正熙時代に通じた処方が全て有効だとはいえない。
 金融・労働など重要分野で大きく方向転換すべき時期が来ている。
 朴槿恵大統領は経済が鉄格子の中に閉じ込められているような息苦しさを解決することで復興を目指すべきだ。


 客観的にみて韓国経済は奇形構造になっている。
 その奇形とは「翼を失って」、まるまる肥えてしまった姿であろう。
 そして今、その肥えた姿が痩せ細りつつあるということである。
 肥えるために「翼を切り取った」ために、痩せつつあるのに「飛ぶことができない」状態になってしまった。
 飛べずにドロ沼でもがいている鳥のように見える。
 羽があると思ってバタバタさせるが、羽はすでに自分で切り取ってしまい、いまはない。
 ということは、肥えて中国のブロイラーとなるのが残された道のようにも思える。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/16 05:22
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/16/2013061600050.html

国家・社会貢献度の高い韓国企業は?
1位はサムスン電子、2位は現代自
朝鮮日報・企業貢献評価院、1800社の事業報告書を調査

 2008年9月に米国発の金融危機が発生して以降、「雇用なき成長」は韓国経済の問題として浮上した。
 企業は着実に成長を繰り返すが、雇用はさほど増えないというものだ。
 しかし実際は金融危機以降、売り上げの成長率に比べて相対的に雇用が増えていたことが分かった。
 金融危機以前の2001-07年には売上高が100億ウォン(現在のレートで約8億4500万円、以下同じ)増えるたびに雇用が0.4人増えていたが、金融危機以降の2008-12年には5.3人にまで伸びたことが分かった。

 朝鮮日報と韓国企業貢献評価院が、有価証券市場やコスダックに上場している1800社の2001-12年にかけての事業報告書を全て調査した結果、「雇用なき成長が続いている」といった通念とは違い、働き口を新たに創出することが結局企業の成長につながっていたことが分かった。
 調査には、韓国会計学会のイ・ジョンチョン会長をはじめとする会計学や経営学の教授9人が参加した。
 また、1800社の国家と社会に対する貢献度を分析した結果、1位はサムスン電子、2位は現代自動車だったことが分かった。
 調査結果をベースに朝鮮日報公益セクション「より良い未来」は13日、ソウル市中区のプレスセンターで韓国公認会計士会・韓国企業貢献評価院と共に「2013年韓国企業国家・社会貢献度」カンファレンスを開催した。

■企業成長が働き口の創出に

 調査では、国内経済で高い割合を占める10大産業が雇用創出面で寄与率が高いことが分かった。
 建設、自動車、電子、通信、化学などの10大産業は金融危機以降、売上高が100億ウォン増加するたびに6.2人を追加で雇用していた。
 金融危機以前は雇用増加が1.4人にとどまっていた。

 特に今回の調査では、研究・開発(R&D)投資の方が設備投資よりも雇用や売上高の拡大により効果的だとの結果が出た。
 2001年から12年にかけて、企業が設備投資を1億ウォン(約845万円)増やすたびに、雇用は0.4人増にとどまった一方、同期間にR&Dの投資額が1億ウォン増加すると、雇用は1.3人増加していた。
 また設備投資額が1億ウォン増えた場合、売上高は約2億ウォン(約1700万円)の増加にとどまったが、R&D投資額が1億ウォン増えると、売上高は15億ウォン(約1億2700万円)以上、増えることが分かった。

 韓国企業貢献評価院のイ・ジョンチョン理事長は「何かと雇用なき成長が話題になるが、実際のデータは成長が雇用を新たに創出していたことを物語っている。特にR&Dに対する積極的な投資によって第2の電子、自動車、造船産業を育てれば、経済成長はもちろんのこと、働き口の創出も可能となる」と話した。

■10大企業の法人税納付額は40%以上

 国家と社会に対する貢献度が高い上位10社には、サムスン電子や現代自のほかに起亜自、現代重工業、KT、LG電子、LGディスプレー、ポスコ、韓国電力、サムスン重工業が入った。
 価値創出と外貨獲得、国民所得と国家財政、働き口の創出、国家競争力、社会・環境の計5部門を基準とした調査結果だ。

 サムスン電子は製品生産・輸出額、国民所得・国家財政寄与額、雇用人員、設備・R&D投資額、寄付額の5部門全てで1位となった。
 しかし、昨年1万5000人が勤務していたLCD(液晶画面)事業を分社したことで、国民所得への寄与額、法人税、雇用人数はやや減少した。

 また、国家・社会貢献度が高い上位10社の昨年の分野別集中度は平均30%以上であることが分かった。
 上位10社が製品・サービスの生産額(446兆ウォン=約37兆6700億円)分野に占める割合は34.5%だったほか、国民所得への寄与額(27兆ウォン=約2兆2800億円)の割合は36.5%だった。
 上位10社が昨年納めた法人税(6兆5790億ウォン=約5500億円)は1800社が納めた納税総額の41.5%を占めた。


  「翼がない韓国経済」、そんな形容が当てはまる下の記事。
 「行き詰まる主力事業…新規産業を開拓できぬまま高齢化」
 飛び立つ翼を失っているという自覚がないという悲劇。
 ドロ沼でもがくしかないのだろう。 

朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/17 08:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/17/2013061700428.html

韓国の10大業種トップ企業、平均で設立54年

 全国経済人連合会(全経連)の調査によると、過去50年間に韓国の10大産業で売上高トップだった企業の設立後の存続期間を比較したところ、平均が54年となり、産業の「高齢化」が深刻なことが分かった。

 各社の設立からの存続年数は、サムスン電子(半導体)が45年、LG電子(家電)が56年、現代自動車(自動車)が47年、ポスコ(鉄鋼)が47年、現代重工業(造船)が41年、SKエナジー(石油精製)が52年、LG化学(化学)が67年、サムスン電機(電子部品)が41年、新世界(流通)が84年、CJ(食品・飲料)が61年となっている。

 全経連のユ・ファンイク産業本部長は
 「新たに1位に浮上する企業が少ないのは、企業のチャレンジ精神が不足しており、中小企業が大企業に成長する生態系が働いていないことを示している」
と指摘した。

 主力の輸出産業も高齢化が進んでいる。
 昨年10月現在、韓国の10大輸出品目は、10位圏内に入ってから平均23年が経過していることが分かった。
 半導体、船舶海洋構造物、鋼板は35年、石油製品は28年、自動車、コンピューターは26年、合成樹脂は17年、それぞれ連続で10位圏内となっている。これは新たな産業が主力産業に成長できずにいることを示している。

 1970年代に国家的に集中育成した重化学工業と電子産業が数十年も韓国経済を支えていることになる。
 10大輸出品目のうち、2000年代に入り、新たに浮上したのは、自動車部品(03年)と平面ディスプレー(06年)だけだ。

 全経連は外国と韓国を比較すると、新たに育成すべき産業が多いと指摘した。
 米誌フォーチュンが選んだ世界500大企業には、航空宇宙が13社、製薬が12社、ヘルスケアが6社、飲料が5社、エンターテインメントが5社、ソフトウエアが3社入っているが、韓国の100大企業にはこうした業種の企業が1社もない。

 ユ本部長は
 「ヘルスケアなどサービス産業の場合、参入規制が厳しすぎ、成功企業が現れない。
 規制を思い切って緩和しなければ、外国のようにサービス産業やクリエーティブ産業で大企業は生まれない」
と指摘した。






【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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2013年6月12日水曜日

途方もない奇形構造:サムスンがソウル株式市場の20%、というバカバカしさ

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/12 08:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/12/2013061200552.html

サムスン電子の株価急落、外国人の売り攻勢で

 11日のソウル株式市場で、サムスン電子の株価が4カ月ぶりに140万ウォンを割り込んだ。

 同社株価は前日比3万6000ウォン(2.5%)安の138万9000ウォンで引け、今年1月28日以来の安値を付けた。
 外国人投資家が3000億ウォン以上を売り越したことが原因だ。

 外国人投資家は、今月7日に投資銀行大手のJPモルガンがサムスン電子のスマートフォン(多機能携帯電話端末)「ギャラクシーS4」の販売台数が急速に減少すると予測するリポートを発表して以降、サムスン電子株の売りを加速している。
 サムスン電子の時価総額は今月7日以降で19兆4000億ウォン(約1兆6500億円)減少した。

 サムスン電子は、ソウル株式市場の時価総額の約20%を占めており、
 韓国総合株価指数(KOSPI)の推移にも大きな影響を与える。KOSPIは11日、前日比0.6%安の1920.68ポイントで引けた。

 大宇証券のキム・ハッキュン投資戦略チーム長は
 「米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和縮小に対する懸念が依然存在し、外国人が韓国など新興市場で株式を売却している。
 韓国ではサムスン電子の株式が市場に占める割合が大きいため、外国人の集中的な売りを浴びている」
と指摘した。

 外国人が株式を売却した資金をドルに換えようとして、ドル需要が高まったことから、外国為替市場でウォン相場は前日比6.7ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1134.00ウォンを付けた。

 アジア通貨も軒並み下落しており、インドルピーは過去最安値を更新。
 5月以降でタイバーツは5.1%、フィリピンペソは4%それぞれ下落した。


 株式は売り買いである。
 よって株は上がったり下がったりするのがあたりまえ。
 一方的に上がりっぱなしということはない。
 常にウエーブを描いて推移する。
 上昇のときもあれば、下降に転じるときもある。
 そして情勢によって大きく上がる時もあるし、過激に落下することもある。
 それが株である。
 そんなことは誰でも知っている。
 サムスン電子の株が上下するのは株式であるかぎりあたりまえ。
 問題はサムスン電子の株式が、ソウルの株式市場の20%を占めているということだ。
 たった1社が市場の2割を占めるという、とんでもない奇形構造。
 そういう形に政府が誘導したというバカバカしさ。
 調子のいいときはいい。
 だが、一度蹴つまずいたら、救いようがなくなる。
 たった1社の民間会社のために国家経済がマヒ状態に近くなる。
 なんとも合点がいかない。



JB Press 2013.06.13(木)  玉置 直司
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37996

証券会社のリポート1本でサムスン電子株急落
韓国総合株価指数も下落、サムスンの大きさ示す


●サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーS4」

 サムスン電子の最新型スマートフォンの販売先行きに不安――。
 こうした内容の証券会社のリポートが出たとたんに、最高値をうかがっていたサムスン電子の株価が急落した。
 時価総額で上場企業全体の20%を占める巨人企業の株価異変に、総合株価指数(KOSPI)も下落することになり、サムスン電子の大きさを改めて示すことになった。

 2013年6月11日、韓国の証券市場でサムスン電子の株価は前日比3万6000ウォン(1円=11ウォン)下落して138万9000ウォンになった。
 下げ幅は2.5%。サムスン電子の株価が140万ウォンを下回ったのは1月28日以来のことだ。
 
 ■JPモルガンのリポート契機、1週間で時価総額22兆ウォン吹き飛ぶ

 この日の終値ベースの時価総額は204兆5980億ウォン。
 6月4日の終値ベースと比べると、わずか1週間で時価総額が22兆ウォン以上も「蒸発」したことになる。

 ことの発端は2013年6月7日金曜日に明らかになった大手証券会社JPモルガンのリポートだ。

 韓国メディアによると、「最新型スマートフォン『ギャラクシーS4』の販売鈍化の速度が『ギャラクシー3』よりも速い」としてサムスン電子の目標株価を210万ウォンから190万ウォンに引き下げたという。

 これをきっかけにこの日だけで、サムスン電子の株価が6%急落した。
 業績絶好調のサムスン電子の株価が急落したのは、米アップルとの知的財産権訴訟(の1つ)で負けた2012年8月の7.5%に次ぐことだった。

 結局、この日、サムスン電子の株価は前営業日と比べ9万4000ウォン安の142万7000ウォンで取引を終えた。
 この日1日で時価総額が14兆ウォン以上も減少した。

 このリポートは、2013年のギャラクシーS4の販売台数も7900万台から5900万台に下方修正し、7~9月期以降営業利益が伸び悩むとしている。

 サムスン電子だけではなく、スマホ関連の部品・材料メーカーなどの株価も急落した。
 それだけではなく、サムスン電子株が急落したことで、総合株価指数も1.8%下落し、1923ポイントとなった。

 サムスン電子の株価が急落した6月7日は、李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長にとって忙しい1日だった。

 午前8時半には、5日に死去した義母の弔問のためソウル南部にあるサムスン病院を訪れた。
 故人の夫は、法相などを歴任したあとサムスングループ入りし、メディア事業の総責任者となった。

 李健熙会長は、ここで経営者としての修業を積んだ。
 故人の長男は、韓国の大手紙、中央日報のオーナー会長でもある。

■「新経営宣言」から丸20年、次は「事業の品格と価値」を追求

 この日、李健熙会長には、もう1つ、大きな仕事があった。
 世界中の40万人以上の従業員に対してメッセージを送ったのだ。

 李健熙会長がグループ全体の経営革新を唱えた「新経営宣言」から20周年を記念したもので、
 「これまで20年間、量から質への大転換を進めたが、これからは質を超えて事業の品格と価値をさらに高めなければならない」
などと語った。

 1993年の「新経営」を機に、サムスングループの売上高は29兆ウォンから380兆ウォン、税引き前利益は8000億ウォンから38兆ウォンへと飛躍的に拡大した。
 この「新経営」から20年目のメッセージを送ったまさにその日にサムスン電子の株価は証券会社のリポートをきっかけに急落してしまったのだ。

 サムスン電子の株価は、好調な業績を背景にじりじりと上昇していた。
 5月30日には終値ベースで154万4000ウォンに達していた。
 証券市場では2013年1月2日につけた157万6000ウォンの高値更新は時間の問題と見られていた。
 アナリストの間でも、当面の目標株価を200万ウォン超とする見方が大勢だった。

 2013年1~3月期に8兆7800億ウォンだった営業利益についても、スマホの販売が好調なことに加え半導体市況の回復などで4~6月期には10兆ウォンを超えるとの予測が相次いでいた。

 そこへいきなりのJPモルガンのリポートだった。

 市場関係者の間では
 「JPモルガンのリポートはギャラクシーS4の販売が鈍化していると指摘したが、部品メーカーなどの間ではそういう声は聞こえない」
として引き続き強気の見通しを崩さない向きも多い。

 だが、6月11日には、モルガン・スタンレーもスマホの販売目標を引き下げるリポートを発表した。

 一体、何が起きているのか。

 サムスン電子は、韓国メディアに対して「スマホの販売に異変は起きていない」と説明している。

 韓国の業界内でも、
 「ギャラクシーS4の販売が伸び悩んでいるという目立った兆候はない」
という見方が支配的だ。

 「実際に、販売に変調があるのかどうかは7月半ばと見られるサムスン電子の4~6月期決算発表まで分からず、株価は不安定に推移する可能性もある」(韓国紙デスク)

■「勝ち過ぎ」と「スマホ依存度が高すぎる」ことへの懸念

 短期的な株価の推移がどうなるのかは分からないが、中長期的に見ると、サムスン電子に対する漠然とした不安感が高まっていたことも確かだ。

 「勝ち過ぎ」と「スマホ依存度が高すぎる」ことへの懸念だ。

 サムスン電子は2012年にスマホを含む携帯電話機を世界市場で4億台以上販売した。
 フィンランドのノキアを抜いて携帯電話機市場で首位に、アップルを抜いてスマホ市場で首位に躍り出た。

 スマホは、サムスン電子にとって、図抜けた収益源となっている。
 2012年の年間決算で携帯電話機事業などを担当する「IM部門」の営業利益は19兆4408億ウォン。
 全社の営業利益の67%を占めた。
 2013年1~3月期では、この比率が74%にまで上昇してしまった。
 利益の4分の3をスマホを含む携帯電話機で稼いでいるのだ。

 一体この成長はいつまで続くのか。
 そもそも世界の人口は70億人だ。
 1社で年間に携帯電話機を4億台も販売するという「快進撃」がいつまでも続くはずがない。
 先進国ではスマホの普及率も70~80%に達しており、これまで通りに1台数百ドルもするスマホが飛ぶように売れるはずもないのだ。

 快進撃を続けるスマホの販売と歩調を合わせて上昇してきた株価に対して、特に外国人投資家も警戒感を持ち始めていた。
 だから、少しでも先行きに不安なリポートが出ると、過剰なほどに反応したのだろう。

 もちろん、今のままの高成長がずっと続くことはないことをサムスン電子も十分に分かっている。

 2013年6月10日、サムスン電子は新しい総合研究所「R5」を開設した。
 同社にとって初めての「モバイル分野専門の研究所」だという。
 1万人の研究者などが次世代の携帯電話機やモバイル関連の新技術、商品の研究開発にあたる。
 「携帯電話機事業での第2の躍進」を実現するための拠点だという。

■株価急落で李健熙会長の警告に重み?

 「危機感」を最も強く持っているのは、李健熙会長も同じだ。
 6月7日のメッセージで李健熙会長は
 「これからはナンバーワンがもたらす危機、慢心との戦いをしなければならない」
と呼びかけた。

 そういう意味では、「新経営20年」のメッセージを送った日に株価が急落したことで、李健熙会長の「警告」がさらにメッセージ性を持ったことになるかもしれない。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/06/13 08:24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/13/2013061300532.html

韓国でも債券価格急落、量的緩和中断懸念で



 韓国債券市場では、外国人が今月初め以降、韓国債を4兆7000億ウォン(約3990億円)売り越し、外国人が保有する債券は総額が約5%減少した。

 12日には3年物国債利回りが前日比0.08%上昇し、2.88%となった。
 また、10年物国債の利回りは0.11%上昇し、3.31%を付けた。
 外国人投資家の新興市場離れが加速し、利回り上昇を懸念した投資家が債券先物を大量売却したためとみられる。
 株式市場でも今月初めから12日までに外国人が2兆700億ウォン(約1760億円)の資金を引き揚げた。

 韓国だけでなく、大半の新興国の債券市場で同じ現象が起きている。
 最近1カ月で主要新興国の国債利回りは軒並み上昇。
 トルコで1.68%、ロシアで1.07%、ブラジルで0.92%それぞれ上昇した。
 利回りが上昇すれば、債券価格が下落するため、債券に投資するファンドの運用実績が悪化する。
 ファンド情報会社のモーニングスターが、新興国の債券に投資するファンド284本の収益率を集計した結果、先月収益を上げたファンドは皆無だった。
 損失率は最高で10%を超えた。

 世界経済の新たなエンジンとして期待された新興市場から資金が急速に引き揚げられている。
 08年の金融危機以降、世界経済を下支えしてきたBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)や東南アジアなどの新興市場は、株価、債券、通貨のトリプル安に見舞われている。
 中国、ブラジル、インドなど新興国の成長率が低下した上、米連邦準備制度理事会(FRB)が先月の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和のペースを調節することを示唆し、新興市場からの資金流出が加速している。新興国市場の低迷が年末まで続くとの分析も示されている。

■通貨安、株式・債券は売り加速

 インドネシア中央銀行は12日、翌日物銀行間取引金利を0.25%引き上げ4.25%とした。
 同金利の引き上げは、通貨ルピア安の進行を抑える狙いがある。
 インドネシア中銀は13日の政策金利決定会合の前日に翌日物銀行間取引金利を引き上げた形で、緊迫した対処だったことが分かる。

 インドの金融市場も同日、終日混乱した。通貨ルピーは1ドル=58.98ルピーまで下落し、2日連続で過去最安値を記録した。
 今週だけでルピーは3%以上下落した。
 市場関係者はルピー相場が60ルピーを目指す展開になるとみている。
 南アフリカランド、ブラジルレアルも11日に4年ぶり安値を付けた。
 新興国の株式動向を示すFTSE新興市場指数は12日、1.7%下落し、5月のピーク時に比べ10%以上も急落した。

 一時過熱懸念もあった新興国の金融市場が急速に冷え込んだのは、先進国の量的緩和による恩恵がこれまで大きかったことを示している。
 米FRBをはじめ、主要国の中央銀行は、2008年の世界的な金融危機以降、量的緩和で12兆ドル(約1150兆円)に上る資金を供給した。その相当部分は新興国の金融市場に流れ、資産価格を押し上げた。

 ソシエテ・ジェネラルのシニア投資ストラテジスト、ベヌア・アン氏は
 「中央銀行の資金が新興市場のバブルを形成したが、投資家は最近、FRBの政策変化を予測し、債券を売っており、バブルが縮小している。今回の売りは短期間にとどまらない見通しだ」
と分析した。

■年内は債券下落

 ハイ投資証券のパク・サンヒョン首席研究員は
 「上半期は債券相場で売りが続くのではないか」と予測した上で「短期的には来週のFOMCで量的緩和(継続)のシグナルが示されるまでは、現在の状況が続くとみられるが、もっと深刻な問題は、主な新興国の経済成長率が低下しており、経常収支の赤字幅が拡大していることだ」
と指摘した。

 新興国の今回の金融市場不安を、「1994年の悪夢」の再現として懸念する声も聞かれる。
 ブルームバーグ通信の経済コラムニスト、ウィリアム・ペセック氏は
 「FBRが94年の『債券メルトダウン』当時のように、量的緩和を拙速な形で縮小すれば、東アジア経済には災難が訪れる」
と警告した。

 ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクフェイン最高経営責任者(CEO)も
 「最近の状況を見ると、投資家が債券暴落で大きな損失を出し、衝撃を受けた94年が思い浮かぶ」
と懸念した。

 94年にFRBは3年にわたり3%に据え置いてきたFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を翌年2月までに6%まで引き上げた。
 このため、新興国からの急速な資金引き揚げが起き、97年のタイバーツ暴落につながった。
 しかし、2008年の金融危機で、ホットマネーの出入りに対する国際社会の規制が強化されたほか、FRBの量的緩和縮小は段階的に実施されるため、市場への衝撃が分散されるとの見方もある。

 サムスン証券のオ・ヒョンソク理事(取締役)は「米国の本格的な資金回収は年末以降と予想され、今後新興市場が数回にわたり動揺する可能性は否定できない」と述べた。



サーチナニュース  2013/06/16(日) 14:17
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0616&f=national_0616_025.shtml

【中国BBS】サムスンの株価暴落…韓国経済がヤバイ?

  中国大手検索サイト「百度」の掲示板に、
 「サムスンに問題が起きて韓国が大変なことになっている」
というスレッドが立てられた。
 スレ主のYUE悦5さん(ハンドルネーム)が紹介したニュースについて、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

  サムスン電子株が7日に急落した。
 終値で前日比9万4000ウォン(6.18%)下げて142万7000ウォンだった。
 下落幅は、2012年8月に米アップルとの知的財産権訴訟で敗訴した際の7.5%に次ぐ大きさとなった。
 その後も株価は下がり続け、13日には135万7000ウォンになった。

  韓国上場企業全体の2割を占める企業の株価が暴落したため、スレ主は「韓国がヤバイ」と感想を述べている。
 これに対して中国のネットユーザーからは、
✡.「企業にコンロトロールされた国ということだ」、
✡.「一企業が独占する国って、恐いな」
など、一国の経済が一企業に過度に依存することの危険性を指摘するコメントが寄せられた。

  また、
✡.「サムスンは遅かれ早かれ卒業」、
✡.「ハハハ、サムスンがついに赤字になるか」、
✡.「グッドニュースじゃないか。拍手しなきゃ。いずれにしても何の貢献もしていないし」
など、人の不幸を喜ぶかのようなコメントが並んだ。

  しかし、
✡.「サムスンが市場に占める割合が大きいから、市場価格に与える影響が大きいのは必然だ。
 企業にとってサムスンの成功は学ぶに値する。
 ただ好きじゃないから嫌うとか、人の不幸を喜ぶというのは子どものすること」
と冷静な意見を述べるユーザーも。
 さらに、
✡.「サムスンはスマホだけじゃない。
 タブレットや重工業もやっている。そんなに簡単に倒れたりはしない」
という主張もあり、サムスンに期待するユーザーもいるようだった。

  サムスン電子株が急落した理由は、米証券大手のJPモルガンが投資家向けリポートで、サムスンのスマートフォン「ギャラクシーS4」の販売台数が予想を下回り、今後は業績が後退すると報告したためだ。
 サムスンは2010年の売上高が韓国GDPの22%に達するほどの大企業だが、
 サムスンが凋落すれば韓国経済は高い確率で後退を余儀なくされよう。




【「底知らず不況」へ向かう韓国】



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