2013年10月5日土曜日

米国はなぜ日本を支持するのか?:韓国の親中国化による危機感

_



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/05 12:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/05/2013100500962.html

集団的自衛権:米日同盟強化、選択迫られる韓国

 米国が3日、日本の集団的自衛権行使、防衛予算増額を歓迎する立場を表明し、北東アジアの安全保障情勢が複雑化している。
 韓日関係が首脳会談の日程すら決まらないほど悪化している状況で、米日軍事同盟の強化が韓半島(朝鮮半島)にどんな影響を与えるか注目される。

■「日本は周辺国の懸念解消を」

 韓国政府は米国が日本の集団的自衛権行使を公式に歓迎すると表明した以上、反対ばかりしてもいられないとみている。
 そこには米日両国の利害関係が一致して推進される事柄を韓国の力では阻止できないという現実的な判断がある。
 韓国は日本の集団的自衛権に関する憲法解釈変更を注視し、韓国政府としての立場を最大限貫いていく構えだ。
 韓国政府高官は4日、記者団に対し「日本の政策変化は、周辺国の懸念を解消しながら、域内の平和と安定に寄与する方向へと透明な形でなされるべきだ。
 韓国政府は今後、自国の立場を積極的に明らかにしていく」と述べた。

 韓国政府は米国が米日同盟強化を契機として、韓米日による軍事同盟体制を構築しようとする場合、韓国の負担が増大することを懸念している。
 梨花女子大の朴仁煇(パク・インフィ)国際学部教授は
 「米国が韓国の戦時作戦統制権移管の再延期を受け入れる代わりに、韓日の軍事的協力を求め、国防費の増額、韓国型ミサイル防衛(KAMD)と米国のミサイル防衛(MD)の連携などを迫ってくる可能性がある」
と指摘した。

 こうした中、韓国政府は日本の集団的自衛権確保が当面韓国の安全保障を脅かすことはないと評価している。
 韓国政府は日本の自衛隊が韓国の領土や領海で作戦を展開するには、韓国の同意が必要となるため、事実上不可能だと説明している。
 また、一部には日本が集団的自衛権を持てば、北朝鮮の突発事態をはじめ、韓国の安全保障を脅かす状況が生じた際、後方支援を担う在日米軍の補給路が安全になるとの見方もある。

■米中関係悪化、北朝鮮核問題で協調に悪影響

 今回の米日共同声明で米中関係が悪化する可能性が高まれば、韓国の外交には大きな負担となり得る。
 北朝鮮問題に対処するための韓米中の3者協力が影響を受けることになり、韓国にとっては不利な状況だ。
 誠信女子大のキム・ヨルス教授は
 「最悪のシナリオは日本と中国が尖閣諸島をめぐり、現在の対立状態から紛争状態にエスカレートすることだ。
 その場合、韓国は米日か、中国かという選択を迫られる可能性がある」
と述べた。

■韓国の対応シナリオ

 米日軍事同盟が韓米軍事同盟より優先扱いされる状況を韓国政府が非常局面と認識し、米国との関係をさらに緊密化することで、韓国の立場を貫くべきだとする提言が相次いでいる。

 韓東大のパク・ウォンゴン教授は
 「米日同盟が強化される流れから、韓国が排除されないように、韓国も『韓半島の範囲内では主導的な役割を果たす』というメッセージを米国に発するべきだ。
 そのために韓国軍の戦力構造再編など改革も速やかに終える必要がある」
との意見だ。

 水面下の対話ルートも断たれたように見える韓日関係を速やかに修復すべきだとの意見も少なくない。
 世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本センター長は
 「日本の集団的自衛権行使が現実となる状況で、韓国も自衛隊の作戦範囲などに意見を述べるべきだ。
 歴史問題には原則に基づき対応するが、安全保障問題には柔軟な姿勢で日本と協議する必要がある」
と主張した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/05 12:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/05/2013100500955.html



集団的自衛権:米国はなぜ日本を支持するのか
軍縮を迫られる米国、日本に中国けん制の役割を「アウトソーシング」

 「衰退するスーパーパワー」米国が、戦略的変化を選択した。
 集団的自衛権行使を含む日本の軍事力強化に対して、歓迎と協力の意を公に表明したのだ。

 米国は今月3日、日米安全保障協議委員会(2+2)の閣僚共同声明に「集団的自衛権の行使容認に向けた取り組みなど、日本の努力を歓迎する」という趣旨の文言を盛り込んだ。
 米国のこうした考えは、これまで複数のルートで感知されていた。
 しかし米国は、アジアにおけるもう一つの同盟国である韓国の懸念などを考慮して、こうした意向を明確にすることは避けてきた。

 今回の声明は、日本にアジア・太平洋地域の防衛に関する役割を委任することが、北東アジアをめぐる今後の米国の戦略的利害と合致したため実現したというのが、専門家らの一致した分析だ。
 すなわち米国は、軍備縮小の流れの中で、北東アジアの安全保障についてかなりの部分を日本に「アウトソーシング(委託の意)」し、負担を減らしたいというわけだ。
 ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)で東アジア担当大統領特別補佐官を務めた経験を持つ戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン日本部長は
 「日本が防衛費を増やし軍事力を強化することは、米国の立場から見て望ましく、必要なこと」
と語った。

 米国は、政府支出の自動削減措置(セクエスター)により、今後10年間で国防費をはじめとする安全保障予算を1兆ドル(現在のレートで約97兆円)以上も削減しなければならない。
 米国の外交問題評議会(CFR)は「国防予算の削減で米国の軍事的衰退は避けられず、これにより韓半島(朝鮮半島)を含む米国の(戦争)抑止力、防衛力、紛争対応力は弱まるだろう」と分析した。

 米国は現在、北朝鮮の核・ミサイルの脅威と、米国の覇権を脅かす「中国の台頭」という二つの挑戦に直面している。
 日本は、米国の悩みをいち早く察知した。
 安倍晋三首相の就任後、日本は米国政府や議会、シンクタンクなどで「日本の軍備拡大が、どのように米国の役に立つか」について積極的な世論作りを行ってきた。
 そうした中で韓国が、戦時作戦統制権(統制権)の韓国軍への移管時期を再度延期するよう要求し、米国の財政負担が増える見込みになったことから、軍事的利害の軸が日本側にシフトしたと考えられている。


 韓国メデイアもなぜアメリカが比重を日本に移したのかは理解しているようである。
 単純に言えば、
 「韓国は中国に顔を向け、日本はアメリカの悩みを解消」する方向に動いた、
 ということである。
 アメリカの立場でものを考えれば非常にわかりやすい結論である。
 もっと具体的に言えば、韓国の親中国化は米韓同盟を無効にするほどに強いものである、とアメリカが判断しているということである。
 その程度のことも理解できずに、「歴史問題がどうの」という身内の悩みの解決を依頼する
 韓国政府のバカさ加減にイヤ気がさした
とみるのが誰もが納得できる視点というものであろう。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/05 12:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/05/2013100500968.html

米日軍事同盟強化、中国が敏感に反応

 中国は米日が防衛協力指針を改定することで合意した過程で、中国の軍事的透明性と尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題に言及したことに敏感に反応した。

 北京の国際問題専門家は
 「米国が中国の急激な台頭を防ぐため、日本を本格的に引き込もうとしている。
 19世紀末にロシアの南進を防ぐため、英国などが日本を利用したのと似た状況だ」
と指摘した。
 同専門家は
 「現在の中国の国力は、19世紀当時のロシアよりもはるかに強いため、米国の思惑通りにはならない」
と付け加えた。

 中国国営新華社通信は3日夜の論評で
 「全世界が平和と協力を追求する中、米日は軍事同盟を強化し続けている。
 これはアジア太平洋地域だけでなく、世界の警戒心を呼び起こしている」
とした上で
 「米日が軍事一体化のレベルを大幅に格上げし、中国に関する問題を相次いで提起したことは、紛れもなく外部世界に危険なシグナルを発したことになる」
と主張した。
 このほか、米日がサイバー安全保障のみならず、宇宙空間でも協力強化を決めたことは、米日同盟の幅と深みが増したことを示していると警戒感をあらわにした。

 一方、習近平国家主席は3日、公式訪問先のインドネシアで
 「中国の発展はアジアと世界に発展の機会を与えるものであり、脅威とはならない」
と述べ「中国脅威論」をけん制した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/05 12:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/05/2013100500970.html

「敵基地攻撃能力」確保に動く日本
ガイドラインの改定時期を来年に繰り上げ
集団的自衛権の導入も加速

 日本は「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)改定に合わせ、攻撃用兵器に分類される中距離ミサイルの開発・保有も推し進めている。
 戦後の日本は、専守防衛の原則に従い、攻撃用兵器の保有を禁じてきた。
 しかしこれからは、北朝鮮などでミサイルが発射される兆候を確実に捉えた場合、相手の基地を中距離ミサイルで先制攻撃するというわけだ。

 小野寺五典防衛相は4日「敵基地攻撃能力」についてあらためて協議することで米日の意見が一致したことを明らかにした。
 米日安全保障協議委員会(2+2)の共同声明には、これに関する表現は含まれていないが、日本が敵基地攻撃能力を保有することに米国が同意したという。
 朝日新聞は「米国が共同声明にこの内容を含めなかったのは、中国を刺激しないため」と分析した。

 安倍晋三首相(写真)は、北朝鮮の核・ミサイル開発に備えて敵基地攻撃能力が必要だという立場を繰り返し表明してきた。
 日本は、攻撃用の部隊に分類される海兵隊についても、準備部隊を来年創設することにしている。

 友好国が攻撃されたときに自国が攻撃されたと見なして反撃する「集団的自衛権」の導入も加速する。
 これについて読売新聞は
 「(ガイドライン)改定の作業は当初、数年はかかるとみられたが、中国に脅威を感じる日本政府の意向もあり2014年末までの期限が切られた」
と報じた。

 安倍政権のこうした軍事力強化政策は平和憲法の理念に反する、という批判もある。
 東京新聞は、4日付の社説で
 「戦争放棄と『戦力』不保持を九条に定めた現憲法の平和主義は、かつての戦争の反省に立った、日本の新しい『国のかたち』だ。
 この姿勢こそが世界の人々から尊敬を集め、日本外交に大きな力を与えているのではないか。
 憲法の趣旨を逸脱するのではなく、それを生かすことこそ日本の国際貢献であり、国際的な責任を果たすことになる」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/05 12:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/05/2013100500969.html

米国務長官「北が非核化すれば不可侵協定締結も可能」
これまで議論自体を拒否していた米国
「非核化を強調しているだけ」との分析も

 米国のジョン・ケリー国務長官(写真)は、3日に東京で行われた記者会見で、北朝鮮との不可侵条約締結の可能性に言及した。
 ケリー国務長官は
 「北朝鮮が非核化に乗り出せば、平和的関係を持つ用意がある。
 (米国の目的は)北朝鮮の政権交代ではない。
 (互いに)侵略しないという内容の協定を締結するのもよい」
と語った。

 北朝鮮は2003年に、6カ国協議と関連して、米国に対し不可侵条約の締結を求めたことがある。
 しかし米国は、前例がないという理由で議論そのものを拒否した。
 また安倍晋三官房副長官(当時)は
 「米朝間の不可侵条約は、日米安保条約を無力化するためのもの」
と強く反対した。
 もし米朝間で不可侵条約が締結されれば、北朝鮮が日本を攻撃しても、不可侵条約のために米国は北朝鮮への報復攻撃ができなくなる、というのが日本側の主張だった。

 またケリー国務長官は、北朝鮮について
 「これまでの交渉パターンを繰り返してはならない。
 少し譲歩しても後に合意を破棄し、核プログラムを推進してきた。
 こんなことは決して繰り返さない」
と語った。
 ケリー国務長官の発言をめぐっては
 「不可侵条約に関する米国の立場自体が変わったというよりも、北朝鮮の非核化を強調するための修辞という側面が強い」
という分析もなされている。






__