2013年8月20日火曜日

韓国人の未来への関心は:「反省」とはコンピュータ用語で「フィードバック」だが

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/08/20 11:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/20/2013082001239.html

【コラム】8月15日、ソウル世宗路の内と外

 ソウル市の中心部、光化門にある世宗文化会館で、日本の植民地支配からの解放を祝う68回目の光復節記念式典が開かれた15日、周辺では「国家情報院の選挙介入」を糾弾する大学生が道路を占拠し、道に横たわる違法デモが行われた。
 光復節は国が生まれた日だ。
 そんな日に「光復」とは別次元の「政争」がはびこる国。
 それが国の品格が崩壊した現場であり、今日の大韓民国の一断面だ。

 隣国に目を向けよう。

1].今日本は右派政権の誕生をきっかけとして「第ニの日本」を作ろうと騒いでいる。
 韓国にとっては、日本の「右向け右」に憤りを感じるが、日本にとっては、第2次大戦の敗戦の記憶を消し去り、再びアジアの盟主になろうと乗り出した格好だ。
 首相が先頭に立ち、戦後世代のパワーを育てている。

2].中国はどうか。
 多くの問題を抱えているが、習近平氏のリーダーシップを中心に米国に対抗するG2(2大国)としての姿を整えつつある。
 中国共産党の統治下では、批判の自由や人権という基本的な価値を享受することはできないが、いずれにせよ中国人民の「同意」の下で、中国は中原の復興に向かい、10億の人口を率いることにある程度成功している。

★].そんな日本と中国に左右を挟まれた韓国はどうか。
 この小さな半島でさえ、二つに分かれて敵対しており、その南半分でも至る所に相手を食い殺そうといううなり声が騒々しい。
 韓国人の関心事は未来ではなく過去に集中している。
 ある研究所は
✡.「韓国は『中進国のわな』に落ち、これ以上先進国を追い上げることができず、停滞している」
と指摘した。
✡.韓国の「赤字中産階級」が20年間で2倍に増えたとの調査結果もある。
✡.韓国は次の世代の食いぶちすら見つけられずにいる。
✡.韓国の未来はもしかしてギリシャのようになるのではないかとの懸念もある。
 それでもわれわれは過去について対立してばかりだ。

 政治を誤ったからなのか。
 われわれは妥協を知らず、容赦することを知らず、相手を受け入れることに抵抗を感じる。
 生活が苦しいからなのか。
 至る所で不正やスキャンダルがなくない上、相手を食って掛かることに必死な人、他人の不幸や苦痛に目をつぶる人だらけだ。
 日本を「過去を忘れた民族には未来はない」
などとしつこく非難するが、われわれは
 「過去に埋もれた民族にも未来はない」
という警告を無視して久しい。
 過去を忘れようというのではない。
 過去を鑑(かがみ)にしようとしているが、今のわれわれは自分の手で鏡を壊している。
 先日の国会国政調査の現場もまるで野党のけんか場だった。
 本当に恥ずかしいことだ。

  大統領と与党は何が不満で野党と話ができないというのか。
 潜在的な政権担当勢力である野党と対話するのに、どんな格式や論理が必要だというのか。
 大統領は統治も政治も行わなければならない。
 それが仕事だからだ。
 野党が無理難題を言っても、政局をリードする責任は政権党側にある。
 民主党の指導部を生かしておくことが政権党が生きる道だという認識が求められる。

 朴槿恵(パク・クンヘ)政権の司法当局がやっていることを見るとさらに情けない。
 監査院が行うことといえば、四大河川事業など前の李明博(イ・ミョンバク)政権が行ったことを掘り返すのがせいぜいで、
 検察が張り切ったのは、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の財産回収と財閥いじめ、
 そして原発など前政権当時の政府系企業のスキャンダルを暴くことだ。
 違法集会やデモ暴力政治など人気が得られないことや、北朝鮮追従勢力の排除など頭痛の種は避けようとする。
 朴大統領が光復節の式辞で言及した
●.「基本が正しい国」
●.「憲法的価値と法秩序が尊重される社会」
を実現するには、企業の不正に対する捜査と同様に、労組の不法ストライキや利己的行動に厳正な法執行で臨むべきだが、そんな兆しすら見えない。
 国民は既に食傷気味で、大統領の発言から深刻さや重みを感じない。

 全斗煥元大統領に対する捜査、大統領記録物の調査、大統領選への介入に関する調査をするなというのではない。
 しかし、頭が痛い問題には手を触れないまま、安易な過去と歴史には連日家宅捜索や国政調査権発動という伝家の宝刀を抜く政界の機会主義を嘆いているだけだ。

 朴大統領の「未来創造」は、国民のサポートと野党の同意、そして大統領自身の歴史認識なくしては不可能だ。

 野党の一部が就任から半年もたたない
 朴大統領に辞任を求める理由は二つある。
1].第一に「朴勢力」がどれだけ強固かを試すことであり、
2].第二に「朴支持」勢力の弱体ぶりを目にしたからだ。
 朴大統領に対する揺さぶりは相次ぐはずだ。
 朴大統領は固定観念や大勢にとらわれない、大胆な態度で臨むべきだ。
 今後の4年半が現在の延長であれば、朴槿恵政権が大韓民国の現代史でどう位置付けられるか、想像に難くない。


 反省」とは、コンピュータ用語で「フィードバック」という。
 コンピュータはフィードバック機能があることによって成り立っている。
 一番やさしいのが「学習機能」である。
 韓国人には過去はあるが未来がないらしい。
 過去がそのまま凍結していて、その時点で思考も凍結している。
 過去から学んで未来を作る、といういともたやすいことがそれゆえにできないでいる。
 学習機能が社会にシステム化されていないということである。
 停止した記憶機能のみが民族思想に刷り込まれている。
 韓国とは過去で止まった時計である。
 この時計を強引に動かしたのは現大統領の父親である。
 かれは、その過去から未来を動かす方法を日本の軍人になったことで学んだ。
 しかし、その娘は学ぶ処を得なかったために、未来への展望ができず、過去の宗主国であった中国の懐に潜り込もうとしている。
 「過去に埋もれた民族にも未来はない」
 韓国には過去から未来へという思考がないのは、それは已む得ないことなのかもしれない。



【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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